きのうの無免許医 20231116
第115回「世界はすこしずつよくなる」
▼水曜日。朝からアジト。粛々と無免許医療に打ち込む。▼夜は予約しておいた美容室に。とくにデータは採っていないが、すこし前までは理容師も美容師も客の職業をがんがんに訊いて来ていた気がする。むろん、無免許医です、とは言えないから、あれやこれやと濁したり、架空の設定を作って答えたりしていた。しかし気づけば、ぜんぜん訊かれなくなっている。過ごしやすい。戦争や貧困にあふれたこの時代で声高に言うのははばかられるが、世界はすこしずつ改善されている。そう信じたい。自分ひとり、人ひとりの目からはわからないが、確実に、すこしずつよくなっているはずだ。そこに問題があれば、解決・改善したくなるのが人間に本来備わった心のうごきであるはずだ。▼ところで、今回担当の美容師さん(前回と同じ店舗だが、べつの方)が、たとえ話かなにかでアニメの『推しの子』の話を自然にしてきたのは驚いた。その日こちらはアニメの話なんか出していなかったのに。や、もちろんこっちは観ているが。つまり、もはや『推しの子』は、観ててあたりまえ、のレベルにまで達しているのだろうか。あるいは、時代そのものに「アニメは観ててあたりまえ」の価値観が備わりはじめたのだろうか。そうだとしたら、やはり世界は、確実に、すこしずつ、よくなっている。
▼これまでの無免許医
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