電源につないで餃子うごきだす
シリーズ・現代川柳と短文 030
(写真でラジオポトフ川柳118)
スマホの充電器をコンセントに刺す。画面に乾電池っぽい見慣れたアイコンが出る。それに内接して見慣れない円形の意匠が追加されていた。「急速充電中」とある。急速な充電。新しい充電器と充電ケーブルを使ったらそうなった。ケーブルは床でねじれて輪っかを描いていて、その輪の中心に、きのう切ったときにどこかに飛んでいった爪が白々しい表情で落ちていた。爪のまわりをぐるりと這ったケーブルがスマホに電気を流し込むのだ。急速に。そして爪が猛スピードで伸びている気がして指先がむずむずしてくるのだ。急速に。
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