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ポケモンがいた町は雨が降らない
シリーズ・現代川柳と短文 031
(写真でラジオポトフ川柳119)
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大きいピカチュウのぬいぐるみを抱えた小さいこどもがゲームセンターから出てきた。ぬいぐるみが大きいのかこどもが小さいのか。たぶんその両方だろう。サイズ的には「ピカチュウがこどものぬいぐるみを抱えてゲームセンターから出てきた」でもおかしくなさそうだが、わたしは実際のピカチュウのサイズ感を知らない。雨が降っていてこどもは傘を持っていなかった。このままでは家に帰り着くまでにピカチュウはずぶ濡れになり、水分を含んで重くなるだろう。誰か迎えに来ますように。と、脳裏に一瞬、ピカチュウの群れがふたりを迎えに来る光景が浮かんだ。ふたりとは、こどもとピカチュウのことだ。スマホで天気予報を見ると雨はしばらく止みそうになかった。
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