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【ゲイと友達になりたい】 #512


僕はゲイである

知っている人は知っているが
知らない人は知らない

カミングアウトしている
と言えばしているし
カミングアウトしていない
と言えばしていない

別にどっちでもいい

色んな考え方の人がいて良いと思う

ゲイと公表すると
社会的にマイノリティになり
その事を恐れる人もいるし

ゲイという事を隠す
それが自分にとって
精神的に辛いと思う人もいるし

隠す事は辛いけれど
今の社会的な人間関係が崩れてしまうのが恐いという人もいると思う

僕の場合は
どっちでも良い
わざわざ
僕はゲイですよって
言う必要も感じないし
隠したいとも思わない

ゲイとか
ゲイじゃ無いとか
そんな事より
僕は僕としての
一人の人間として受け止めてほしい

ゲイはゲイなだけで
特殊技能を持っている人ではない
普通にしていてほしい

だって普通なんだよ

普通に働いているし
普通に映画も観るし
普通に音楽も聴くし
普通にスポーツもする

まぁ
この普通って表現もどうなのかなと思うけど
よくよく考えたら
普通ってのもなんだかモヤモヤする

大多数が普通で
そうじゃ無いのは異常になっちゃうものね

まぁ
話はそれたが
僕はただゲイなだけなんだ
ゲイ能人じゃ無い

この間も
友達が主催するイベントに出かけた時の出来事なんだけど

僕は踊るタイプでは無いので
壁際のカウンターで音楽を聴きながら
静かに飲んでいた
そしたら喋りでお節介焼きでコーディネート好きな知り合いが女の子を連れてきた


「やぁヤス久しぶり」


嫌な予感がする


「この子ピーちゃんっていうだけど
ゲイの友達がほしいって言ってたからさぁ
連れてきたんだよ
ちょっと相手してやってよ」


やっぱり
僕がゲイである←お喋り
ゲイの友達がいるから紹介してあげるよ←お節介
そして紹介←コーディネート

わぁ面倒くさい


「あっ
良いよ」


「コンニチハ
あっ
コンバンハか
よろしくお願いします」


なんかタレントでも見るようなこの感じ
やだなぁ


「コンバンハ」


それからこのピーという女の子は
弾丸のように喋り
仕事のこと
友達関係のこと
恋愛のこと

その都度
「どう思います?
どうしたら良いと思います?」
これを最後に付けてくる

僕は別に経験豊富な大人の男では無い
目の前にいてるピーという女の子と同世代
もしかしたら僕の方が年下かもしれない

ただ
僕がゲイというだけでなんだか分からないお悩み相談を持ちかけてくる


分からないよ
そんなの


別にお友達になるのは構わない
でもね
ゲイと友達じゃ無くて
ちゃんと僕自身と友達になりたい
そういう人とお友達になりたい
お友達がたまたまゲイだったってだけ
くらいのね

面倒くさいし
分からないから
分からないと言うと
だいたいの女の子は
僕をポンコツを見るような目線と空気になる
そして去っていく


ピーも結局は
僕から答えが導き出せないとさとり
離れて行った


『ゲイと友達になりたい』


気持ち分からなくも無いよ
でもテレビの見過ぎだよ
悩みを聞いて
ズバッと歯に衣をきせぬ物言いで
笑と涙みたいな
ゲイが皆んなああだと思ったら大違いだよ


僕は何も知らないし
なんだったら
僕の悩みも聞いてほしいよ


分かってほしいんだ
世界には色んな人間がいて多様なんだよ
ただ
イメージだけでくくるのはやめてほしい


普通の男の子
普通のゲイの男の子
出会った人にいちいち僕はゲイだとは言わないけれど
隠したりもしていない
僕には普通の事
特別な人間では無い



普通の男の子なんだよ




ほな!

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