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【ある男の後悔】 #846


皆さんは色んな事に後悔していませんか?

僕は後悔ばかりしています

仕事の事もプライベートの事も

その最大の後悔と言うのは彼女を振って今の妻と結婚した事だ


どうしてそんな選択をしてしまったんだろう

お付き合いしていた彼女はとても誠実で大人しい女だった
まるで空気のようで少しも嫌な気分にならない

しかしその反面
何というかやや面白味には欠ける所がある

だが今になって考えると
地味だったが長い夫婦生活を考えたら彼女の方がずっと穏やかな生活を送っていたに違いない


今の妻とは絵画教室で出会った
2人とも生徒で最初は数人で仲良くしていたのだが
1人が辞めまた1人とどんどん仲間の人数が減り
教室の生徒さんは多かったのですが
心易くお喋りできたのはとうとう今の妻だけになってしまいました

ある日ちょっと元気が無かったから
教室の後お食事に誘ってみた
そしたら快くOKしてもらい食事へと出かけた

お世辞にも素敵なお店とは言えない程の小さなレストランに行った
普段なら行かないようなお店だ
ちょっとだけ良い格好をしたかった

この店では他愛もない世間話ばかりだった

店を出た時がまだ早い時間だったので2軒目にバーに行かないかと
調子に乗って誘ってしまった

そしたらこちらも快くOKを頂き
これまたちょっとだけ洒落たバーにおもむいた


ボックス席に座り
私はスコッチの水割り
彼女は赤ワインを注文した

数杯飲んでいるうちに彼女は少し酔ったのか身の上を話し始めた

彼女にはお付き合いしていた彼が居たそうなのだが
結婚も決まっていたのに突然振られてしまった
理由を聞いても教えてもらえなかったそうだ

それが原因だった


それ以来
僕と妻は絵画教室の後には食事に行くようになった

付き合っていた彼女には悪かったのだが
妻はとても楽しく明るくて聡明な方だった
要するに彼女とは正反対という事であった


数ヶ月して私は妻と結ばれてしまった

ベッドの彼女もとてもアグレッシブで私は虜になってしまった


次第に絵画教室以外の日にも頻繁に会うようになり
その分彼女と会う時間が減って行った

僕は若くてバカだった


結局
彼女と分かれて妻を選んでしまった


結婚して沢山の事を知って学んだ

激し過ぎるのはベッドだけでは無く
日々の生活でもそうであったという事
そして大変な見栄っ張りな浪費家で
何でも一番最上級の物を手に入れたがる

だから私は血眼になって働き続け
残業もしまくった
そうでもしないとお金が全く無くなってしまう

2人の娘たちも妻からの英才教育のお陰で似たような人間になり
僕を虫のように扱い
働き蟻は働き続けなければならなかった


そして僕はとうとう倒れてしまった

今こうして自分の人生を思い返しているが
実際の僕は昏睡状態で死んでるも同然だった


その数秒後
実際に死んでしまうわけだが

無念である




ほな!

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