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【心のスイッチ】 #869


僕が初めて女の人とお付き合いしたのは高校生の頃だった

僕は男子校に行っており
近くには何故か四つも女子校があった
だからそのどれかの女子校の生徒とお付き合いする同級生も少なくなかった

僕もその内の一人

ある日
学校最寄りの駅の改札を出ると
女の子がこちらへ向かって来た

その時はあっクラスメイトに手紙を渡しといてってお願いされるんやろなと
そう思った

何故そう思ったかと言うと
僕のクラスメイトは男前なのが一人と
オシャレなのが一人居た

この二人はモテモテで
一度使い捨てカメラを渡されて
男前の方の写真を撮ってきてほしいと頼まれた事があったからだ

だから今回もどうせそうだろうと
その女の子から手紙を受け取って

「これ誰に渡したらええのん?」

そう聞いたら
僕を指差し走って逃げて行った

それ以来毎日毎日
改札を出るとその女子が手紙を渡してきた

僕は何通か貰った時に悪いなと思って
返事を書くようになった

何度かそんな事を続けていた

その後分かった事なのだが
元々はオシャレな同級生の追っかけをしていた一人だったそうだ

僕はオシャレくんと男前くんとお友達だったので一緒に居る時に多分僕を見つけたんだろう


それから数ヶ月後なんとなくな流れでお付き合いする事になった
まぁ押しに負けたカタチだったが

付き合って一年後の高校三年生の時に
その女の子と初めてエッチをした

お互い初めてだった

それからは盛りのついた動物のように会えばやっていた
彼女の方はみるみる内にどこで覚えてきたのか
テクニシャンになって僕は大いにもてあそばれた


お付き合いは順調だと思っていた

しかし
事件が起こった
二人とも大学生になり
これまた近くの大学でよく会っていた

ある時些細な事で大喧嘩になり
ひと月ほど会わなかったし
連絡も取らなかった

僕はバイトの帰りに
電車に乗ろうと駅へと向かった

そしたら見てはいけない物を見てしまった

喧嘩中の彼女がオシャレくんと駅の隅の方でチューをしていた

「えっ‼︎」

こっちは悪くないのに
何故か隠れた

見ていると二人はそのまま手を繋いで
夜の街へと消えて行った

今からどこ行くねん

あまりにもな光景を見てしまった僕は
怒りより「なんで?」という気持ちが先行し
そして何故か後をつけた

二人はコンビニへ入り何やら買い物をし
また手を繋いで歩いて行った先はラブホテルだった

僕はもう何が何だか分からなくなってしまった

でもなんだろう
そんなに腹が立っていない
それよりもこの状況を整理できないでいる

落ち込んでは居る
そのまま出てくるの待っていても仕方がないので家に帰った

家に帰って一人になって初めて涙が出た


数日して彼女の方から電話があった
何も無かったように遊びに誘われた

マジか

僕はあんまり会いたく無かったけど
流されやすいので会う約束をした



約束当日
僕たちは街を何するでも無くブラブラし
で当たり前のようにラブホテルへと入って行った

二人きりになって僕は彼女にあの日の事を話しした

すると一瞬ビックリしたけどまた普通の顔になった
でも謝らなかった

ああ
もうこの人とは終わりだな
そう悟った

でもラブホテルに入っちゃったし
一回だけ最後にエッチしとこうか
くらいの気持ちだった

しかしこれがいけなかった

エッチが始まるとなんとも言えない興奮状態になってきた

頭の中では
コイツはオシャレくんとエッチしたんだ
ここもここも見られたし触られたんだ

そしたら悔しい気持ちより興奮の方が買ってしまった

口でされている時に
アイツにもしたのか?
そう聞いたらコクリと頷いていた

それを聞いた瞬間に僕は果ててしまった

なんだよコレ


結局挿入はせずに終わってしまった

僕はもう別れるし
良いやって気持ちもあったので
オシャレくん以外にも居るんだろ?
一体何人と浮気してたんだって聞いたら
5人も居た
しかもこの1ヶ月間で

信じられん

しかもその内一人は知っている奴だった
友達では無いけど


別れようと伝えたら
向こうも当然ながら応じた


これで僕たちは別れてしまったのだが
時々連絡がありエッチをした
その度に他の男とのエッチの話を聞いた



そんな彼女とはいつしか会わなくなった
向こうから連絡も来なくなった

僕からは連絡はしていなかった


しかし彼女との関係は僕に暗い闇の部分を作り上げてしまった

その後付き合う彼女たちに以前の彼氏や他の男たちとのエッチの話を聞かないと興奮しなくなってしまった

嫌なのに良い
という悲しい性癖ができてしまったのだ


バカバカしい話だと思われるが
本人にとってはトラウマに近い
それとともに女の人は絶対に僕を裏切ると何処かで思ってしまっている

だからなのか
僕とお付き合いする人は
浮気をする人が多い

もしかしたら
そんな人を知らない内に選んでしまっているのかもしれない




ほな!

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