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【想像した世界観ってぇ】 #528


ささやかに
ささやかに
街の隅っこで生きている


趣味はプラモデルを作ること
ラーメン屋さんに行ったら
必ず炒飯セットに餃子プラス
もちろんラーメンは大で


時々
東京まで出るけど
基本は地元


とても大切にしている
ぬいぐるみがあるんだ


中学と高校の
アルバムを見ると落ち着く


SNSなんかで書き込みして
相手が反応してくれたら
嬉しくなるのに
知り合いから
いきなりメールや電話があると
緊張してガチガチになる


セブン
ローソン
ファミマだったら
ファミマの味付けが1番好き


昔は田んぼや畑ばかりだったのに
マンションが沢山できて
知らない人や
知らない店が増えた


路線バスのカラーリングが
変わって目がチカチカする



大きな広場だと思ってたんだけど
そんなでも無いなぁ


先週駅前で
山田さんを見かけた
ただそれだけ
元々話したことないから


仕事は月曜日から木曜日まで
仕事は特殊な印刷をする工場
昼ごはんはオニギリを3つ食べる


この間
新しいジーパンとチェックのシャツ
それから
プラモデルを買ったよ


ラーメンは二郎系が好きと思われる
好きだけど
街の中華料理店のラーメンの方が好き


プラモデルはねぇ
だいたいクルマの模型を作っているよ
特に好きなのは
古い国産車なんだ
70年代のシビックとかセリカとか




想像してごらん
彼がどんな容姿で
どんな性格で
何歳くらいだろう?


きっと
100キロくらい
ありそうなイメージ
そう思った人も居るんじゃないかな


物語って
イマジネーションの連続なんだ
だから
キミのイメージと
僕のイメージとは
違ったりするのに
描かれている
文書はひとつに過ぎない


だからどうって?
まぁ良いじゃないか




「先生
もう原稿上がりましたか?」



「いや
主人公の背景は出来てきたんだが
なかなかストーリーがぁ」



「えっまだ手ぇ付けてないんですか?
締め切り明後日ですよ
もう困るんだよなぁ
先生はどうして締め切り守ってくれないんすか

なんなんすかこれ
ラーメン屋では炒飯セットって
この主人公は何をするんですか」



「まぁまぁ
待ってくれ
大丈夫だから
君はいつも
ビィービィーうるさいんだよ
前のナオミちゃんの方が
随分と良かったよ」



「すみませんね僕で
でもね
先生があまりにも
締め切りに間に合わないから
担当が僕に変わったんですよ
ちゃんと締め切り通り出してくれてたら
変わんなかったんですから
それは先生の自業自得です

とにかく
そこまで設定が決まったんですから
後はいつもの調子で
チャチャーっと
お願いしますよぉ

僕一旦編集部に戻らないといけないんで
昼過ぎにまた来ますから
よろしくお願いしますよぉ」




ったく
うるさい男だ
何が先生早くして下さいだ
どんなつもりだ


作品にアイツ出して殺してやろか




結局
いつも同じ
締め切りを過ぎて終了


大した作家でも無い


書けない時は
書けないんだよ






ほな!


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