【理屈っぽい物理男】 #864

いつも過去を僕は見ている
何とかして今の君を見たい
でもどうしても出来ないんだ


何度やっても無理だ
僕は過去の君しか見つめる事が出来ない


そうなんだよ

いくら速度が早く1秒間に地球を7周半する光の速さでも結局のところ
タイムラグが生まれてしまって
結果
僕が今見ているであろう君の顔は
今の君では無くて
一億分の一秒前の君でしかないんだ
もう見た瞬間には君は
一億分の一秒先に進んでしまっている

愛しい今の君を独り占めできない事が悲しく思うよ


文系の男で理系の事はサッパリ分からないくせに
つい最近
理系の友人にアインシュタインの理論を簡単に分かる話を聞かせてもらい
どうしてもそれを使いたくて
自分の彼女に自慢したくて
あのように話した


彼女の方は面倒くさいと思ったのか
聞こえないフリをしていた
恐らくつまらない男と付き合ってしまったもんだ
と思っているに違いない


実際
つまらない男で男には人気があるのだが
女には人気が無い

フラれるのも時間の問題だろう

ひょっとしたら
もう一億分の一秒前に別れを切り出しているかもしれない
人間の思考は光の7倍の速さで処理されているのだから



ほな！