【恋のソフトクリーム】 #851
私は私自身がまだ恋愛というものを忘れていない証拠なのかもしれない
先日とても胸がときめいたんです
低い山なんですけど
ちょっとした観光スポットで
頂上まで登ると景色が素敵なのです
ジオラマを見ているような
そんな感覚になる
夏も過ぎた週末
天気は良いが山の中を歩いていると
直接陽は当たらないので涼しく
快適な状態で歩き進める事ができた
まだ紅葉には早く
木々は青々としており
蝶などがヒラヒラと舞っている
あっという間に
頂上に着いて
景色などを楽しんでいた
頂上にはベンチが数脚ならんでおり
私もそれに座りボンヤリと眺めていた
下に目をやると今先ほど登ってきた道が見下ろせる
すると若い男女が歩いていた
男性の少し後ろを女性が歩き
手を繋ぎたかったのか
女性の手がスッーっと前に出て
一瞬男性の小指辺りに触れるも
手は繋げず
そのまま視界から消えていった
それを見た私は私自身がその女性になったような気分になって
胸がキュンとしてしまいました
そして切なくもありました
その後
私も下山し車を止めてある駐車場の近くに道の駅があり
そこでソフトクリームを買い
ベンチに座ってボンヤリとしておりましたところ
先ほどの男女が視界の先にまた現れた
そしたら
何という事でしょう
今度はちゃんと手を繋いでいたのです
反対側の手には私と同じソフトクリーム
まるでシンクロしたような気持ちになり
私は心の中で
「やったぁー!」
と叫んでいました
とっても良い
森林浴と景色を楽しむ為に来たはずが
一番印象に残ったのは
あの二人の男女の恋もようであった
ほな!
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