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#201 同調圧力の違和感に正直になる 24/6/14

みなさん、こんにちは。
今日は、権力構造と同調圧力を考えます。

(実例を基に編集しています)
たとえば、ある従業員Zさんの評価について、評価者Aさん自身は目標未達成の評価と判断しています。それを全体のキャリブレーション会議に持ち込んだ際に、疑義が発生したとします。

評価者Aさんの上長Bさんから、「未達成の評価は辛い評価ではないか」との意図の疑問を投げかけられたとします。その質問に対して評価者Aさんは、定量的な目標達成度の結果に対する自身の判断基準について回答解説を加えていきます。

それでもなお、上長Bさんからは「説明が良くわからないですね。たしかに目標の達成度合いをみれば未達成ですが、昨年対比でみると25%弱、伸ばすことができていますよね。それは数字としては大きいと思いますがどうですか」と、疑問が掘り下げられたとします。

すると、段々と上長Aさんは、「たしかに目標値は、成長率で見ると昨年対比40%弱の成長率を設定した数字になっているます。そう言われると25%成長させる数字までは伸ばしたパフォーマンスを重く見ても良い気もしてきました」と少し考えと態度が変わってきた様子が見られます。

このAさんとBさんのやりとりの間に何が起きているか、想像してみます。
1つは、評価者Bさんが、自分が評価した際には気づかなかった視点があると気づき、それが合理的な見方として判断に組み入れたほうが良いと納得するプロセスが働くことが起きた、と考えます。

これは、評価に関する上長のバイアスや見落としがないかチェック機能を果たす、設計通りの評価プロセスが働くと考えることができます。

もう1つは、上長Bさんと評価者Aさんの上司部下の関係が現れていると考えます。役職ポジションパワーの構造、オフィシャルには権力格差といわれることに基づく現象です。

どんな人であれ、ごくごく一握りの人を除いて、評価する人との関係性に忖度してしまうことが起こります。

今回の評価のたとえとしたら、自分としては、ロジック的にも、俯瞰した文脈的意味においても、この評価が適切だ、と判断しているわけです。割とゆるぎない判断をしたはずです。

それでも、上長たる上位者にツッコミ質問を繰り返されると、「そうかも」あるいは「折れておくか」と判断を変えることにつながることもしばしば起こりえます。これが権力に基づく同調圧力と考えます。

さらに、このときに最も問題だと感じるのは、そのほかの参加者の態度です。たいていの人は、自分の議案ではないため、口を挟むことはありません。その態度が何を示しているかといえば、どの場を支配する強い立場に同調していると解することができます。これが集団の同調圧力と考えます。

わたしは、評価の話でいえば人事部門の立場で意思決定の論点を明らかにするために質問を投げかけ、とき意見として見解を述べることも多いです。そうすると、場が一瞬止まることが多いです。同調を壊すからです。

空気を読む、同調圧力への居心地の悪さは、結構な場面で、結構な人が感じていることと考えます。それは、従業員からの相談や不満の声を聞くことや、会議や打ち合わせの場に出席していて、その構図を実際に見聞きしていて感じることです。

さて、みなさんは、居心地の悪さを感じたときに、どんな行動をとられていらっしゃいますか。
それでは、また。

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