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#167 全員がリーダーシップを発揮するリーダーフルなチームをつくる 24/5/11

みなさん、こんにちは。
今日は昨日に続き、リーダーシップを考えています。

リーダーシップにはまだまだ誤解があると感じています。それは、肩書き・役職を持つ人が発揮しなければいけないのがリーダーシップである、の誤解です。

わたしが人事部門の担当として従業員とコミュニケートする場面ではそうした発言をよく耳にします。たとえば「役職者なのにリーダーシップがない。もっと発揮すべきだ」とのトーンです。

リーダーシップとの言葉を用いる従業員はほぼ皆無ですが、よくよく咀嚼して私なりに解釈すると不満を共有してくれる従業員の言いたいことは、「役職者はリーダーシップを発揮するべきだ」論です。

一方、リーダーシップが求められるシーンは、固定的なチーム、有期的なプロジェクトチーム、瞬間瞬間の会議や打ち合わせ、職場の同僚とランチに行くなど、事の大小はあれど多くの場面が該当します。

ですから、リーダーシップは、決して役職者だけが発揮すべきことではありません。これは、多くのビジネスインフルエンサーや影響力のある人たちも言っていますが、まだまだそのこと自体を認知している人が多くないことも、さきの従業員の声に見られるように現実と考えています。

つまり、リーダーシップは誰しもが求められるスキルである、です。

では、リーダーシップがより必要とされるのは、どんな環境条件においてか、です。それは、成果を求める前提条件です。ビジネス的なシーンに限定すれば、成果主義の考えの強い企業や人事制度を持つ環境です。

なぜなら、成果を一番のプライオリティにおくと、多くの場合トレードオフを決めなければならないからです。その決める・決断する生産性を最大限に上げるには、誰しもがリーダーシップを発揮したほうが良いから、と考えます。

なお、生産性とは、分母は決断するまでの時間コストと金銭コスト=インプット(投入量)です。分子は、言うまでもなく、その決断から得られる成果=アウトプット(出力量)です。

ここで、とりわけ成果、アウトプットの得られる効果に影響を与えるのが、誰しもがリーダーシップを発揮することだと考えます。

それは概念的にもおそらくわかると思いますが、たとえばある企業・事業をM&Aする事案で考えてみます。

社長1人が決めるのか、ほかに経営戦略、ファイナンス・アカウンティング、営業、IT、知財、オペレーション、マーケティング、法務、人事、ダイバーシティなど、各部門の責任者(=専門家の意味)の見解・意見を出し合って決めるのと、どちらが得たい効果を得られる確率が高そうか、一目瞭然ではないでしょうか。もちろん、後者が社長のご機嫌伺いをするリーダーシップを発揮するのではないことが前提です。

もっとプライベートな場面も想像してみます。夏季休暇に友人やパートナーと旅行する計画を考えてみます。

「私は海外の海辺のコテージとかでゆっくり、のんびり過ごすことをメインとしたい」
「私は昼夜にわたってエンターテインメントを時間の限り満喫したい。ある意味では場所の国内外の優先度は二の次でよい」

とそれぞれが決めるためにリーダーシップを発揮すると、日中は別行動プランでもよい、行く場所は気候の良い海が近いロケーション、かつエンターテインメントがそこそこ発展しているエリア、といった具合に絞られていきます。

この例はやや抽象度が高いものの、こうしてお互いが希望を意見として出し合うこと≒リーダーシップを発揮することで、決断までのスピード、そして決めたプランから得られる期待効果は最大化できます。ゆえに生産性が高い旅行プランになります。

これが、どちらか一方しかリーダーシップを発揮せず、「これでよい?あれはだめ?これならどう?」とやっていると、それだけでも得たい成果には程遠いと容易に想像できます。

2つの例を見ました。このように、関わる全員がリーダーシップを発揮することで、より良い意思決定になります。結果、得たい効果が最大最適になり、高い生産性の決断になります。

このことから、誰しもがリーダーシップを発揮することを、リーダーフル(Leaderfull)であることと定義したいと考えます。リーダーフルな組織・チームをつくる、と考えます。

さて、みなさんの所属チームはリーダーフルでしょうか。
それでは、また。

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