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たかが着ぐるみ、されど着ぐるみ③

長い時を経て、福祉の心をふたたびというか、ようやく
思いだした私は、就労継続支援A型のスタッフとして
週に一回行くようになってから、まもなくのことでした。

療育施設から、月に一回でいいから「らびっこ」で
遊びに来てほしいという依頼を受けました。
らびっこがお役に立てるのならと二つ返事でお受けしました。

着ぐるみが受け入れられるのかな?多少の不安はありました。
ある一人の子どもとの出逢いが、私のおぼろげに思っていた夢を
現実にと背中を押してくれました。

その子は、最初はとってもらびっこにいたずらをする子でした。
着ぐるみはうけいれられないのかなあ、、。それでも、らびっこは
いたずらも受け入れながら関わっていました。
子どもの方が、らびっこは自分を受け入れてくれるのかな?と
試していたんですよね。きっと。
らびっこは、可動域が狭いので、色んなことができません。
すると、らびっこに色々教えてくれるようになりました。
すごくないですか?
子どもたちと遊ぶときに、他の子どもが、○○やりたいというと
「それは、らびっこさんが難しいから○○にしようよ」
といって、らびっこのことを考えてくれるようになりましたよ。
もう感動です。

ある時、ラブレターをくれました。泣きました。
個別にお返事はということなので、みんなに向けて
らびっこもお返事を書きました。

ラブレターのお返事

あんなにらびっこにいたずらをしていた子が、らびっこさんが
来る日だから療育に行くと親御さんから聴いたときは、嬉しかったです。

その子と、たくさんお話するようになりました。
「らびっこさん、ラビッツ村は、どこにあるの?」
「ラビッツ村は、くまさんもきりんさんもいるの?」
そんなやりとりをする中、現状、サイト上だけの「ラビッツ村」を
いつか、リアルなラビッツ村を作ろう!と心に強く思った瞬間でした。
療育を卒業した子どもたちがいつでも逢いに来られる場を!
そして、いつでも「助けて」と言える居場所づくりをしたい!
ずっと、そんなことができたらいいなあなんて夢のまた夢のような
ことを考えていた私でしたが、現実への背中を押してくれました。

子どもたちとは避難訓練にも、らびっこ同行したりします。
らびっこは歩くのが遅いので、ゆっくり歩くご高齢の方にも
足並みを揃えられるようにという訓練のために、らびっこは適任!笑
今では、らびっこをかばってくれるようになりましたよ。
「らびっこさんらびっこさん、車がきます。もう少し左に寄ってください」と、誘導してくれます。
ピュアで多様性を受け入れられる子どもたちが大好きです。


避難訓練に同行のらびっこ:お帽子のないらびっこ

早く実現したい。ラビッツ村。
着ぐるみカフェ、農業体験、自立自活できるプログラム学びの場
子どもたちに、おぼろげに思っていた夢だったことを、どうしても実現したい目標にしていただいたエピソードでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。





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