【Zion】②滝行の滝を求めて
狸の失態で
早朝からテントを買う羽目になった私たちは、
正午前にキャンプ場に戻ることはできたものの
疲弊しきっていた。
今日は元旦だ。
元旦って朝から酒盛りしたり
餅を食べたり初詣に行ったりするもんじゃなかったっけ?
雨漏りテントについてのエッセイはこちらから↓
寝不足と寒さで体は疲れていた。
体力回復のため新しいテントで昼寝をすることに。
雨漏りしないテントに安堵し
ぐっすりと眠ることができた。
昼寝から起きてもまだ小雨が降っていた。
遠出する気分にはなれなかったため、
キャンプ場付近の簡単なトレイルを歩くことにした。
そびえ立つ赤い山々には雲がかかっている。
それが何とも幻想的でふわふわした気分になってしまう。
きれいだね。と言いながら歩いていると、
遠くに鹿の群れが見えた。
赤い山と一緒に写る鹿たちはとても絵になる。
次の日のことも考えて、
この日は夕食を済ませて早々に眠ることにした。
翌日。
ハイカーの朝は早い。
まだ薄暗い中テントの外に出てみると、
うっすら雪が積もっている。
狸は目覚めのコーヒーを淹れ、
私は昨夜の残り物で朝食を作った。
太陽が昇り徐々に明るくなった頃、
車を走らせ目的の登山口へ向かった。
道路は綺麗に除雪されていたものの、
標高が上がるにつれて
雪が深くなっていくのが分かった。
途中にいくつかロッジやホテルの辺りでは、
子供たちが雪遊びをしていた。
木々に積もった雪が
太陽に照らされてキラキラと光っている。
赤い山々と真っ白な雪のコントラストが綺麗で、
その光景に釘付けになった。
今日は2つのトレイルを歩く予定だ。
①エメラルド・プールズ・トレイル
②ザイオン・キャニオン・オーバールック・トレイル
である。
エメラルド・プールズ・トレイルでは
2つの滝が見れる。
狸が滝好きなため国立公園に訪れる際には、
必ずと言っていいほど滝のあるトレイルを選ぶ。
Zionロッジ近くの登山口から入り、
2つの滝を求めて進んでいく。
しばらく歩くと素晴らしい雪景色が見れる
ビューポイントを発見。
私も狸もパシャパシャと写真を撮りまくる。
写真撮影に満足した私たちは、
思い出したかのように滝を求め歩き出す。
するとまず見えてきたのは
ローワー・エメラルド・プールだ。
滝を見た狸の目は輝いている。
冬で水量が多いからなのか、
2つに別れた滝が勢いよく流れている。
この滝の面白いところは、
下をくぐってトレイルを進んで行けるのだ。
マイナスイオンを存分に感じ、
中年の私は何だか若返った気になりご満悦だ。
雪景色を楽しみながら更に歩みを進めていくと、
2つめのアッパー・エメラルド・プールに到着。
圧巻の高さと水量のある滝である。
遠くに立っているはずなのに水しぶきを感じる。
夏はきっとこれよりも水量は少ないはずだし、
観光客も多いので冬に来て正解だった。
登山口に戻ってきた私たちは、
次なる目的地を目指す。
ザイオン・キャニオン・オーバールックは
トレイルの短さと壮大な渓谷を見渡せる人気のトレイルである。
ハイキングの途中、若い観光客がいた。
街中で着るような服装で
雪のあるトレイルを歩いている。
いくら短いとは言え、ここもトレイル。
とこどころ危ない箇所や
ぬかるんだ場所もあったので、
彼らがビューポイントに到達できたかは謎である。
やはり山に合った服装をまとうべきだろう。
そんな偉そうに物申している兎だが、
自分のことを棚に上げて話している。
いつかアメリカに移住する前に登った富士山の話をしたい。
話は逸れてしまったが、
ここのトレイルは人気があるだけあって面白いものだった。
ビューポイントも素晴らしいのだが、
そこに着く前のトレイルも面白いし映える写真が撮れる。
日が暮れる前にキャンプ場に戻り、
翌日のハイキングに備えることにした。
明日はついに本命のトレイル、
エンジェルス・ランディング・トレイル
に臨む。
このトレイルはこれまでに何人ものハイカー達が
滑落し亡くなっている危険なトレイルだ。
国立公園から許可書を取らなければ登ることが出来ない。
(許可書と言っても、オンラインで誰でも申請することができる)
このトレイルが
彼女の世界観を変えていくことになるとは、
その時の兎はまだ知り得ない。
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