せっかくだから の落とし穴

「せっかくだから」

私はどうやらこの言葉が口ぐせのようで、この数ヶ月で何度となく夫に指摘された。

"折角"という言葉の意味は、

  1. 無理をして。苦労して。わざわざ。

  2. 滅多に得られない、恵まれた状況を大切に思う気持ち。

  3. 全力を傾けて事をするさま。

ということらしい。

私としては 2 に近い気持ちで使っていたつもりだが、はたから見ると 2 を通り越して 1 、つまり無理をしているように見えるらしい。
実際、無理が祟って休職してるわけだが。


夫曰く、

"せっかくだから"で無理をするとその物事に取り組むハードルを上げることになる。
そうするとその物事に取り組むチャンスはどんどん減り、いつまで経っても熟達しないのだと。

その通りだ。ぐうの音も出ない。
今まで"せっかくだから"でうまくいった物事は偶然の賜物、もしくは器用貧乏な私の直感でなんとか成し得ただけなのかもしれない。
自らハードルを上げたがゆえに腰が重く、確かに身に付かない事の方が多い人生だった。


とはいえ、"せっかくだから"で やってよかった、貴重な経験をさせてもらったことも数多く記憶している。

要はさじ加減なのだろう。
年齢を重ねて、"せっかく"だけど無理できない場面も確かにある。
体調や、その時の気分も左右する。
それが今 ちょっとずつ分かってきた。


私は、夫を心から尊敬している。
私と正反対の性格で、石橋は10回ぐらい叩いて渡るし、新しいことを受け入れるまでものすごく時間がかかる人だ。
しかし、一旦安全を確認できると全幅の信頼を寄せて全力で贔屓にする、そして強固なコミュニティを形成している。
興味があるから低いハードルからコツコツ試し、気づけばなんだかものすごい知識や技能を身につけている。

そんな彼の助言だから、せっかくだから無理しないように過ごしてみようかしら。

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