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リヒロの本棚14

「関東大震災」吉村 昭著(文春文庫)
関東大震災を綴った作品です。これを東日本大震災の月命日にご紹介するのには理由があります。大地震が起こる時に東日本大震災にも共通することが関東大震災でも起こっていて、たびたび繰り返されています。特に良くない事は繰り返さないように、記憶にとどめておきたいものです。

そして、それは大地震からの時間の経過とともに変わっていきます。タイムラインとも呼ばれていて、大地震発生からの時間経過を示しています。それとともに書いていきます。

3分間
まさに大地震で揺れている最中です。この時は倒壊物や落下物から自分のみを守り、命を守ることです。東日本大震災では揺れが収まるまではもう少し時間がかかりましたが、この3分間は揺れが収まるまでを指します。

30分間
揺れが収まってから30分間は二次災害への備えです。自分がいる場所が次に来る余震に対して安全か?津波や火災の可能性はないか?関東大震災では地震の後の火災で多くの犠牲者が出ました。避難する際は多くの人が路上にいることが予想されるので、渋滞や将棋倒しなどの危険もあり注意が必要です。

3日間
一般に支援物資が届くまでの時間と言われています。ここまでは自分で生き抜く覚悟が必要と言われています。また、生存者の生存可能性もここまでが限界と言われています。

関東大震災でも東日本大震災でもその後のデマが横行して人々を混乱に陥れています。関東大震災ではデマにより多くの虐殺が生まれ、東日本大震災では良かれと思った人によるデマの拡散と言う悲劇も起きています。

次の災害が起こる前に日ごろから避難場所やその時の状況を想定しておくことが必要だと思います。次の災害が起こっても少しでも犠牲者が少なくて済むように備えておきたいと思います。

吉村昭関東大震災


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