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わたしの役目

この続き

追い討ちをかけるできごととは

彼が関東に残りたいと言い出したこと

正しくは残りたいと直接いわず、悩みに悩んで既読スルー。

イライラして問いただしたら

「今の仕事を全うしたい」「すぐ辞めたら部署の人に申し訳ない」

のようなニュアンスを引き出した。

私との未来を描いて離婚をし家を手放し、地方へ異動し独立を目指して頑張ると話していたのに…

将来は私といっしょに何か事業をやりたいとも話していた。


彼は全国的にも名の知れた建○会社の若き責任者。

がむしゃらに頑張ってきたからこそ若くして年収も1000万超えで会社からも信頼があつかったと思う。

普段は気が優しく人当たりもいいけど、どこか男としての自信はあまりないような印象。

彼に出会ったとき私は感じ取っていた。

この人明るく振舞ってるけど、どこか人生に満足してないな

彼と話すにつれてわかってきたのは

仕事に忙殺されてただただ毎日をやり過ごす日々

家庭や未来に希望が見いだせない周りの人達の生き方

一人でいたくなくて結婚したのはいいものの、夫婦関係はなく子どもをどうするかというプレッシャー

このまま自分の人生は終わっていくのかといった漠然とした怖さや不安

そういった背景が自信のなさに現れていた。

人生に妥協してきた結果

と彼はさみしそうに言った。

周りからみたら両親や兄弟に愛され大きい会社に勤め、彼にぞっこんな彼女と結婚をし周りから見たら順風満帆に見えていただろう。

そんなある日、彼は私を見つけた。

お客さんに囲まれてキラキラした刺激的な女性。

当時は寝る間も押しんで仕事したり、子育ても家事も必死にしていた私を自分の母親と重ねたのかもしれない。

彼にとって自分の人生に妥協していない私は魅力的に映ったと思う。

私は同世代で仲良くなる男性は少なかったことや彼の優しさ、気前の良さ、穏やかなとこが魅力的に映った。

一番は笑顔、、特に笑顔が惹かれた部分だった。

すぐに意気投合してからは沢山の思い出と愛する喜びを知って幸せな日々を送った。

遠くから頻繁に来てくれていたし時間もお金もたくさん費やしてくれた。

彼は彼で私といた事で男性としての自信をつけただろうし、欲深くなっていったんだと思う。

もともと行動力もあってやると決めたらやるタイプだった。

彼にとってわたしの役目は

妥協しない生き方を気付かせること

だったのかもしれない。

こんなこと言ったら綺麗事みたいだけど。

昨夜最後のチャンスを与えた。

電話でちゃんと話したかった。

彼はもう止まらないだろうから私は彼の船をおりる。

私は待てる女じゃない。

そもそもこんなイイオンナ周りがほっとくわけないでしょ。

妥協なんてしない。

end




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