これでもう怖くない、退職の切り出し方。【“深く考える人”が幸せになれる 仕事の辞め方ガイド 3-4】
このマガジンでは、繊細な人や深く考える性質の人が「仕事を辞めたい」と思った時に現れる様々な葛藤について、
「誰よりも仕事を辞めたい人に寄り添う」を目指して、経験者の目線から記事を書いています。
前回は、仕事を辞める日をどうやって決めたら良いか、の話でした。
今回は、退職届の書き方や
「実際に面と向かって退職を伝えるときにどうするのか」
というおそらくいちばんドキドキするであろう部分について、
とっっても繊細な目線から自分が安心できるように考えて、書いてみました。
※専門家ではないので、制度等の確かな情報はお伝えできません。ここで話していることは一般的なイメージであると捉え、細かなことや正しいことはお手数ですが並行してご自分で調べてみてください。
仕事ってどうしたら辞められるの?
では具体的な仕事を辞める段取りに入ります。
大まかには
面談→退職届の提出→必要書類の受け取り
の3段階となります。
もっとシンプルにいうと、退職届の提出と書類の受け取りさえ済めば、会社は辞められます。
色々ややこしいのかなと思われていたかもしれませんが、結構あっけないですよね。
ただ、いきなり「退出届」をバーン!と偉い人のデスクに叩きつける、なんてドラマのようなことをする人もなかなかいないと思うので、
多くの人は、「面談」から入ることになると思います。
面談
面談は、直属の上司だったり、そんなに大きくない会社だと直接人事や社長と話すということもあると思います。
定期的に1対1の面談があり、うまくタイミングが合うのだとすればそこで話すのでもいいと思いますし、
そうでなければ、「お話があります」などと声をかけて自分から時間を作ることになります。
……なんてどこを見ても簡単に書いてありますが、
ここがめっっっっちゃ緊張しますよね。
私もそうでした。
まず、自分から「お話があります」と言って上の人に時間を作ってもらうこと自体がドキドキします。
だいたい業務時間内に個人的な話題を持ち出すなんてそんなことあっていいのか、とそわそわしてしまいます。
それに「辞めたい」と伝えた時の上司の反応を、眉毛の動きから足の動きまで細かに想像したり、
もしこんなこと言われたらこう返そうかな、なんてことが自動的に何パターンも頭の中を駆け巡ってパンクしそうになったりとか…。
でも、安心してください。
これは相手がどういう人かによって全然違ってくると思うのですが、
多くの常識的な上の立場の人達は、ある程度そういう報告があることも心得ているのではないかと思います。
(普段顔を合わせる相手の場合、「まさか君が」という反応はされるかもしれませんが)
相手の経験値にもよりますが、もしあからさまに「ありえない」という態度を取ったり、詳細も聞かずにすぐ引き止めようとしたり、嫌味や暴言を言ってきたりなどする場合、
その相手の言葉はそれ以上聞かなくていいですし、その人に無理に退職の許可を乞う必要もありません。
そうなってしまった場合は、もう一段階上の人に連絡をとって、改めて話しましょう。
でも、よほどの相手でない限り、そういったケースは稀だと思います。
それと、「なんて切り出すべきか」「どう伝えるべきか」という問題もありますよね。
おすすめは、「退職を考えています。」という切り出し方です。
もしくは「退職のお話があってお時間をいただきました。」とかでもいいと思います。
微妙なニュアンスで難しいのですが、個人的には「退職を決めました。」「退職します。」という決定的な言い方だと相手にとってショックが大きく、その後のコミュニケーションの流れに影響が出る可能性があると思います。
かと言ってあまり「相談」の形に寄せすぎると、無闇に引き止められたり話がめんどくさくなってしまいそうではあります。
「自分の中ではもう決まったこと」と思いながら、自信を持って「退職を考えています。」と言い出せば、
相手に「もうかなり決まっていそうだけど、一応相談してくれたんだな」という印象を与えることができると思います。
不確定的な言い方にはなるので2人の間で「退職」という結論に落ち着くまでいくらかやりとりはありそうですが、比較的シンプルにおさまると思います。
また退職の理由を聞かれた場合ですが、会社の悪いところではなく「新しいことにチャレンジするため」と話すのが一番おすすめです。
(詳しい内容は話さなくても構いません。)
そうすれば「うちの何がいけなかったの?」などという面倒な詮索をされる可能性も減ると思います。
(うつ病で休職していたなど、明らかに仕事のせいだとわかってしまう場合はそれを伝えてもいいと思います。)
ここで注意したいことは、深く考える性質の人は、正直に本質的な話をしないことです。
これは「わきまえろ」「発言を我慢しろ」と言いたいのではありません。
その場で深い話になってしまうと、どんなに理解の良い相手でも、実はあまりいい反応が返ってこない可能性が高いのです。
なぜかというと、相手にとっては「部下が退職を希望している」という衝撃的な事実を知ってしまった時点で、かなりエネルギーを消耗しているからです。
その上で自分に馴染みのない深い話をされても、飲み込むのに通常以上に時間がかかるはずです。
「最後なのだからせめて誠実に正直に伝えるべき」「うわべだけのコミュニケーションは避けたい」と思ってしまうかもしれませんが、
自分が意図しない反応を直撃しないためにも、ここは嘘でもいいので状況を優先した発言をした方が、自分のためにもなります。
面談後も、無理に正直な話を伝える必要はありません。
自分のためにも、一番大切なことは自分の中だけにしまっておくのがいいと私は思います。
とはいえ、中には大変理解のある優しい上司の方もいると思います。
その方の話し方や関係によっては、自分の内側を話せてしまうという場合もあると思います。
そういう場合は、話しても大丈夫です。
この記事を見ている方は、正直に話してしまった方が楽だという方もいると思います。
その場の状況次第になるかもしれないのでちょっと難しいですが、
自分が自然だと思うやり方をとるのが良いと思います。
その時には、「相手が聞きたがっていそうだから話さなきゃ」ではなく、「自分が話したい」と思ったら話す、と決めておくと良いと思います。
退職届のもらい方・書き方
さて、退職に必要な書類は「退職届」です。
多くの場合、面談で退職という話に落ち着けば、「では退職届を後で渡しますね」とか「ここからダウンロードしてください」もしくは「自分で紙に書いて出してください」といった流れになると思います。
書き方ですが、ドラマとかだと立派な筆文字で書いてあるのをよく見ますが、そうではなくワードか何かでテンプレートが用意されていて、空いている箇所をさくっと埋めれば済むものも結構あるのではないかと思います。
退職届のテンプレート的なものは調べると出てくると思いますが、
必ずと言っていいほど、退職の理由を書く欄があるか、「〜により退職します」という文章形式になると思います。
ここでも正直なことを書く必要は、一切ありません。
リストラされたなんてことがない限りは、どんなことがあろうと
「一身上の都合により」
の一言で大丈夫です。
退職届は、会社にとっては手続き上必要な書類でしかないからです。
文が手紙に似ていますが、住所変更届などの書類と同じようなものと捉えて大丈夫です。
退職届の出し方・受け取るべきもの
退職届の提出は、直属の上司か、もしくは人事に提出してくださいなどと言われるかもしれません。
なんて言えばいいのだろう、どんな素振りで渡せばいいのだろうとドギマギしてしまうかもしれませんが、
「お世話になりました」と言いながら両手で渡す
などとあらかじめ決めておくと安心かもしれません。
あまりタイミングを見計らいすぎても自分の業務が遅れたり、エネルギーを消耗してしまうと思うので、
「大事な書類である」ということを念頭に、すぐに渡してしまいましょう。
また、退職時に忘れず受け取るべきものがあります。
ここからは上司ではなく、人事や総務の人に対応が変わるかもしれません。
大きめの会社であればそういった担当の人にある程度お任せで大丈夫かもしれませんが、小さい会社で代表者がそういうことを全部回している、みたいな場合は忘れられてしまう可能性もあるため、自分でもメモして持っておくなどして、しっかり把握しておきましょう。
離職票
→失業給付金の手続きに必要な書類です。転職先が決まっていればいらないので、会社側も言われなければ発行しない可能性があります。必要な場合は必ず伝えましょう。年金手帳
→公的年金制度に加入していることを証明する手帳型のものです。もらえなければ、自分が持っている可能性もありますので探しましょう。年金の手続きで必要になります。雇用者保険被保険者証
→雇用保険に加入していることを証明する書類で、転職先の会社へ提出するものです。画像を検索するとわかりやすいですが細長い紙であることが多いと思います。源泉徴収票
→自分の収めた所得税が記載されている書類です。無職になる場合確定申告で必要になるか、転職する場合転職先に提出する必要があります。
(お給料が全部支給されてからでないと出せないので、退職後に家に送られてくるケースが多いです。小さな会社だと忘れられてしまうこともあるためこれもしっかり言いましょう。)
有給の消化について
意外と忘れがちなのですが、有給が残っている場合が多いと思います。
普段自分を犠牲にし、会社のために働きつめていると「そういえば有給なんてあったか」と思う方もいるかもしれませんが、自分のためにも忘れてはいけません。
詳しくは「退職時 有給」などと調べてみて欲しいのですが、ざっくりいうと
①最終出社日の前にポツポツ、もしくはまとめて取る(なんとか仕事を終わらせて時間を作る必要がある)
②最終出社日の後にだだーっとまとめて取る(制度上は最後の有給休暇の日が退職日となる。)
のどちらかです。
おそらく退職届を提出した後に担当の方との話し合いが設けられると思います。
また、「休み」という形ではなく、相当分を給料と一緒に振り込んでくれる、という会社もあると思います。
しかし金額は会社が決める(めちゃ安い…という可能性もある)ので、心配な方は確認しましょう。
「ただでさえ辞める立場で迷惑をかけるのに、休みのことを相談するなんて申し訳ない」とは全く思う必要ないです。
また、「辞められるのならばこういう細かい事はどうでもいい!なくてもいい!(と思うくらい、今までが苦しすぎた)」
という方もいるかもしれませんが、
雇われている身として当然の権利ですので、きちんと受け取った方がいいとは思います。
ここまでが、仕事の辞め方の話でした。
なかなか、職場次第、その人次第な部分でもあるのでお役に立てない部分もあったかもしれませんが、
少しでも参考になりましたら幸いです。
「迷惑をかけてしまうから」などと考えて無理にエネルギーを消耗しすぎないように、一言一言「自分のために大事なこと」と思って、自信を持ってやっていきましょう。
次回は、退職の手続きが済んでから実際に退職するまでの期間の過ごし方についてお話します。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
このマガジンの全体の目次はこちらです。
↓こちらのマガジンを書くにあたっての思いを書いた記事です。
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何だか仕事が辛い、自分の人生じゃないみたい。やりたいことがあるのに言葉にならない…だけど思い切って辞めました。私と似た性質の人が、心から安…
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