<Vol.163>基礎基本は全スキルの頂点だということ

『早いよ、アレンジするのが。まずは土台を固めなさい』

先日、手技の練習をしていたセラピストさんに、僕はそんな言葉を投げかけました。

別に怒っているわけでも、嘆いているわけでもありませんが、基礎基本をおざなりにする人間はやはり伸びないなぁ…と。

今日は「基礎基本の大切さ」ということについてまとめてみようと思います。


<基礎基本とは>

そもそも基礎基本というのは、全スキルの"土台"に位置するものであり、最小単位を構成するものです。

野球でいうところの「キャッチボール」

もっと言えば、ボールの握り方、投げ方、そして捕り方の部分です。

相手の胸に(正確に)ボールを届けるためには、自分自身が常に一定の体の使い方を実践する必要があります。

ボールの中心を握れていなかったり、体が開いてしまったり(早い段階で体が回ってしまう)すると、リリースポイントが安定しません。

基礎基本を十分習得できていないとボールを強く正確に投げることができませんから、プロであればあるほど(競技レベルが上がれば上がるほど)キャッチボールを大切に行う傾向があります。

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これはセラピストも全く同じです。

スタンスや立ち位置、手の当て方、体重のかけ方、重心の動かし方には、一定の規則性があります。

すべての手技はその規則性の範囲内に含まれるため、ここを無碍に扱ってしまっては上達するものも上達しません。

だから基礎基本を大切にできないセラピストほど、伸び悩んでしまうわけですね。。


<基礎基本の成り立ち>

僕は現在、全国およそ2,000名を超えるセラピストを教育指導する立場にあります。

これは要するに教科書を発行する側の人間であり、マニュアルを作りこむ側の立ち位置であるということです。

この立場から言えることは「基礎基本は全スキルの頂点」だということ。

例えば「新しい教科書を作りましょう」「新しい手技を考案しましょう」となった時、僕たちはいろいろなスキルやコンセプトを各所から持ち寄ってきて、全てテーブルの上に並べます。

そして比較検討した結果、最後に残ったもの(あるいは共通しているもの)を次世代の基礎基本として位置付けます。

つまり、基礎基本というのは"底辺"ではありません。

いろいろなスキルを並べ集めたピラミッドの"頂点"にあるものなわけです。

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学ぶ側の立ち位置にしか立ったことがないと「基礎基本=最初に教わるもの」という認識しか持てないと思います。

ただ教える側の立ち位置に立ってみると「基礎基本=究極のエッセンス」だということがわかります。

だからこそ、スキルは"幅"を出す(新しい手技を求める)より、"深さ"を求める(その手技の成り立ちを知る)ほうが賢明なんです。

そんなことをぜひ皆さんは知っておいてほしいなぁ…と思い、今日はまとめてみました。

少しでも参考になる部分があれば嬉しいです。

では今日も最後までお読みいただきありがとうございました^^


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