<Vol.50>価格を動かすということ
「60分の施術を8,500円に上げたんです」
先日、知り合いのサロン経営者と話しているときに「価格設定」について話題が及びました。
なんでもそのお店では「60分:8,500円」「90分:11,000円」でサービスを提供しているそう…(すごいですよね)。
巷にはまだまだ「60分2,980円」の価格設定をしているお店が多い中、これは破格の値段と言ってもいいと思います。
ということで、今日は「価格設定」についてちょっと考えてみたいと思います。
<価格とは?>
まず第1に考えておかなければならないこと。
それは価格設定というのは、需要と供給のバランスによって成り立つものであり、
「価格の"高さ"と商品の"質"はイコールではない」
ということです。
要するに、数が少ないのに買いたい人が多い時に価格は高く設定されます。
たとえばこちら↓ある旅館の予約表です。
同じ月の中でも
・最安値(25日)=15,750円
・最高値(23日)=50,400円
その差は「34,650円」、なんと3.2倍の価格設定がなされています。
これは別に2月23日の宿泊プランが、2月25日の宿泊プランの3.2倍すぐれているというわけではありません。
2月23日は連休の頭で、かつ翌24日は近くで有名なイベントが開催されるからこそ「泊まりたい人」が多いというだけです。
「ふざけるな、同じ部屋(サービス内容)だろう。値段が変わるなんておかしいだろう」
もうしかしたら、そんなクレームをつける客層も一部いるかもしれませんが、全くもって耳を貸す必要はありません。
「高いと思うなら泊まらなければいい(泊まりにきてくださいと頼んでいるわけではない)」
それだけの話です。
50,400円でも喜んで泊まりに来てくれる人が「お客様」であり、そういった人を丁重にお迎えするのが「サービス業」であることを忘れてはいけません。
<サロンの価格設定>
これはリラクゼーションサロンでも同じことが言えます。
価格設定は「売りたい」と「買いたい」の狭間です(ちょうどいいところ)。
もし、どの曜日・どの時間帯も全てにおいて同様の「買いたい」があるのであれば、常に同じ価格設定でいいでしょう(例えば街中の自販機、コンビニのパンなど)。
ただ、たいていのリラクゼーションサロンはそうではなく、平日の夕方以降や土日の昼間の時間帯に「買いたい(受けたい)」が集中する傾向にあります。
だとすれば、この時間帯の価格設定は「高くする」のが妥当な判断です。
たとえば
・平日の18時以降は、通常価格より500円増
・休日の11時〜18時は、通常価格より1000円増
大切なのは、その他の時間を値引きするのではなく、該当の時間を値上げするということです。
もちろん価格設定が「買いたい」を上回ってしまったら、売れるものも売れなくなってしまいます(お客様が来なくなってしまいます)。
トライ&エラーを繰り返し「売りたい」と「買いたい」の絶妙な位置関係を見抜く努力をしてみましょう。
(これはあくまで個人店のお話です。企業や店舗に属している人は個人の主観で価格設定は変更できないと思うのであしからず、です。)
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何よりも伝えたいことは「思考停止してはダメ」ということです。
「私が提供しているサービスはこういうものなの!」と頭の中が硬くなり、自分の市場価値も、顧客との市場原理も見えなくなってしまうのが最大の悪です。
自分のサービスが今いくらなのか?
ぜひ一度考えてみてください。
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