<Vol.48>仕事に対する下準備
先日、自宅近くのスーパーに行った時のことです。
ちょっと残念だなぁ…と思うことがありました。
自分の仕事にも活かせる要素がありそうなので、あえて書き起こしてみようと思います。
<残念な対応>
僕はスーパーで、ホイップクリームの”しぼるやつ”を探していました。
(こういうやつです)
探せども探せども一向に見つからなかったので、お惣菜コーナーにいた店員さんにこう質問しました。
「すいません。生クリームのしぼるやつ…ありますか?」
すると、こんな答えが返ってきました。
「ごめんなさい。担当者に聞いてください」
…ん?
担当者とは?
そこで改めて質問を重ねてみました。
「すみません、担当者というのはどちらにいらっしゃるんでしょうか?」
「ちょっとわかりません。探してみてください」
えー。。なんて不親切な。。というよりも冷たい。。(泣)
なんだか、とても残念な気持ちになりました。
<チャンスを逃す>
日本のサービス業のレベルは、基本的にとても高いと思っています。
それは消費者側の要求レベルの高さが、そうしてしまっている一面もあるでしょう。
実際のところ、僕も「生クリームのしぼるやつ、ありますか?」と尋ねた時、内心でこう思っていました。
⑴売り場を教えて欲しい
⑵売り場まで連れて行って欲しい
⑶もしわからないのであれば、ちょっと調べて欲しい
⑷それでもわからないのであれば、わかる人につないでほしい
今回の店員さんの行動は、この4つの選択肢のいずれにも該当しなかったので残念な気持ちになってしまった…というわけです。
おそらくスーパーの店員さんにはそれぞれの持ち場があり、給料を支払われている業務範囲というものがあるんでしょう。
ただ、どんな理由があれど「売り場にいる人=お店の人」なわけですから、最低限の対応(せめて⑷)はしてほかったなぁと思います。
1つの無愛想な対応は「スタッフの〇〇さんへのイメージ」というより「お店全体へのイメージ」に悪影響を与えてしまいます。
それは長い目で見たら、
・売り上げの低下
・ライバル店との競合に負けること
を意味するかもしれません。
『自分のテリトリー(領域)を守りすぎる』というのは、いろいろな面でもチャンスを逃すことにもつながっているんだなぁ…と改めて実感する機会となりました。
<満足を超える感動>
せっかくなので、もう少し別の視点からも踏み込んで考えてみましょう。
例えば、仕事中に質問をされた時。
質問をする側には必ず質問をする"意図"と、返答に対する"期待"があります。
「生クリームのしぼるやつ、ありますか?」
という質問には
「ケーキを自宅で作る」=「お祝い事がある」=「そのための準備をしたい」
という意図があり、返答に対しては
⑴売り場を教えて欲しい
⑵売り場まで連れて行って欲しい
⑶もしわからないのであれば、ちょっと調べて欲しい
⑷それでもわからないのであれば、わかる人につないでほしい
という期待がありました。
意図を把握し、最低レベルの期待値を満たせば「満足」、最高レベルの期待値を超えられれば「感動」が起こります。
これをどう満たしていくか、がサービス業の腕の見せ所です。
<もし自分が店員だったら>
もし僕が店員の立場であれば、売り場まで一緒に連れて行った後に
「お祝い事ですか?今日はイチゴが安いですよ」
とか、
「この時間帯であればお惣菜コーナーにチキンもあるので、よければ一緒にどうぞ」
という提案をしてあげたと思います。
その提案をするためには、朝の段階で自店の広告をしっかり見ておくことが求められますし、1日の商品の流れを理解しておく必要もあります。
ただ、そういうことを言うと
「いやいや、そこまでする必要ないでしょ。そんな対応は給料に含まれていないから」
などとネガティブ意見をもつ人がいます。
…いやいや、わかってない、そうじゃないんです。
これはなにもお客さんのためだけにやっているわけではないんです。
1つ1つの仕事に丁寧に取り組むことは、自分自身を満たすことにつながっていて、シンプルに言えば「120%の対応ができたオレ、イケてる!」と思いたいわけなんです。
この「自己肯定感」が増えてくると、毎日の仕事に楽しさややりがいが溢れてきます。
仕事ができる人はそのことを知っているからこそ、さらに「下準備」を積み重ねて、さらにイキイキ働くようになっていくんだと思います。
『どんな働き方をするのも自由だけれど、仕事の範囲をちょっとずつ広げていくと意外と仕事は楽しくなるよ』
そのことをあのアルバイトスタッフさん(きっとまだ高校生かな)に伝えてあげたいなぁと。
小さなところにも学びはたくさん落ちていますね。
今日もキョロキョロしながら生活していこうと思います。
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