<Vol.24>癒す、癒される、癒しが欲しい。「癒し」って何?
「癒し」とはなんだろう…?
そんなことをふと考える瞬間があります。
リラクゼーションの世界で働き、日々多くのセラピストに会っていると
「この人に会うと癒される」「この空間は癒されるね」
など「癒し」という言葉を耳にする機会が多くあります。
この言葉はとても奥深い気がするので、今回は「癒し」について考えてみたいと思います。
<癒すということ>
辞書で調べてみると、
癒し(英訳:healing)=心理的な安心感を与えること、またはそれを与える能力をもつ存在の属性。
とありました。
どうやら「癒し」というのは「心理的な安心感」、すなわちホッとする感覚であり、心の安定剤となるものを示すようです。
なんとなく、ニュアンスはわかりますよね。
でもここでちょっとだけ僕自身の話をさせてください。
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正直なところ、、
個人的には「癒し」という言葉や「癒す」という行為に対して、あまりポジティブな印象を持てていない時期がありました。
この言葉には「表面的で薄っぺらいもの」という勝手なイメージがあり、あまり好きになれない自分がいました。
加えてセラピスト業における「癒し」には、外見上の美しさが必要であって
「癒しを与える=美男美女の特権」
というような印象も(勝手に)抱いていました。
だから、僕は「癒しを与える施術」に対してもネガティブな印象を持っていましたし、
「施術というのは身体のメンテナンスであって、癒しの行為ではありませんよ」
という意志もありました。
ただ昨年、この認識が変わるコロッと変わる事件がありました。
<真の癒しとは>
2019年の夏。
僕は抱えている仕事量が膨大に増えてしまい、その忙しさからイライラしている日々がありました。
誰かにバーッとこの胸のうちを吐き出したい。
そう思いつつも、内容がややシビアなことだけに、知人や友人、同僚には逆に言えない…という葛藤もありました。
そんなときに、ふと訪れた自宅近くのリラクゼーションサロンで「タカサキさん」というベテランセラピストさんと出会いました。
"タカサキさん"は僕よりも1回り以上年齢が上で、2人の娘を立派に育て上げた(風格のある)ママさんセラピストです。
サロンは駅から歩いて15分くらい、辺りも夜になると人影がまばらになる閑静な住宅地です。
店舗立地は良いとは言えませんし、お店も抜群にキレイとは言い難い環境です。
ただいつ来ても常連のお客様からのメッセージがたくさんあって(更衣室内にメッセージを書ける手帳があるんです)、なんだか温かい気持ちになれる場所でした。
”タカサキさん”はいつも声をかけてくれて、こちらの話にもじっくりと耳を傾けてくれます。
否定もされない、肯定もされない。
ただ自分のあるがままを受け入れてもらえるということが嬉しくて、気がついたら毎週末通っていました。
その時に気がついたわけです。
真の「癒し」というのは、
お店がきれいなことでも、
ヒーリング音楽がかかっていることでも、
美男美女を拝むことでも、
重厚なサービスを施されることでもない、と。
疲れたときにそっと身を置きたくなる場所、会いたくなる人。
行ってみたら・会ってみたら、なんとなく心が落ち着いて「よし、また頑張ろう」と思えること。
それが真の「癒し」なんだなぁ、プロなんだぁ、ということに。
<セラピストにできること>
もしあなたがセラピストであるとしたら、いつも来てくれるお客様を癒せているかどうか自問自答してみてください。
これはいたってシンプルな話です。
どっと疲れを溜めていた人が
「よし、また明日から頑張れそう!」
と思ってくれていれば、あなたはその人を癒すことができています。
つまるところ、癒しとは「心の切り替えスイッチ」のようなものなのかもしれません。
どんなに手技が上手かろうと、どんなに美人で色気があろうと、それだけでは物足りないんです。
「あなたに癒されました」
この一言は、究極の褒め言葉なんですね。
だからこそ、僕も癒しのプロを目指していきたいと思います。
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