「あいつができるなら私も・・・」ロジャー・バニスター効果
学校現場のICT化を目標に4月からまず1年団を中心にChromebookやMetaMoJiを活用してきました。私が営業マンだった時(14年前?)、サイボウズでスケジュールや出退勤の管理ができていました。しかし教育現場ではまだ「紙」と「ハンコ」文化が根強く、14年前と比べてもまだまだICTとは程遠い状況でした。「ICT化なんて私たちには無理」や「今まで通り回覧は紙で」という考えを持つ方はどの学校でもいらっしゃると思います。しかし、現在私たちの学年団ではメールチェックやMetaMoJi上での生徒の出欠確認、保健室への来室状況など当たり前のようにChromebookを使いリアルタイムで行うことができています。このことを心理学で説明すると
ロジャー・バニスター効果
と言います。誰もが「不可能だ」と思い込んできたことが、たった一人が「可能だ」と証明したことで、自分にも出来るかもしれないという思いが生まれます。レンガがひとつ崩れた途端、そこから風が吹き込み始め、やがて全体が崩れてしまうようにです。この効果名はオックスフォード大学のロジャー・バニスターという人名に由来します。彼は30年以上破られずにいた1マイル(およそ1.6km)4分を切る記録をついに破り、その当時の世界記録を打ち立てました。この記録は二度と破られないだろうと言われていました。想像しづらいですが1マイル4分以内で走るということは「エベレスト登頂や南極点到達よりも難しい」とまで言われていたそうです。ここからが興味深いです。彼の記録はなんと7週間後に破られてしまい、そこからたった1年間で37人のランナーが3分台のタイムを残しました。確かに数年前日本人初の陸上100mで10秒を切った桐生選手の後、100m10秒台を切る選手がどんどん現れたことがありました。まさにこの効果ですね。
「この人ができるなら私もできそう」
先日『ビリギャル』の著者の坪田信貴さんのお話をYouTubeで拝見しました。「人はメンタルが9割」というタイトルで4〜50cm幅の板を地面に置いてその上を歩く時と240m上空で同じ幅の板を歩く時の違いについてでした。「歩く」という行為自体は同じなのにどうしても240m上空の方が歩けないと思う人が出てきます。そこには「失敗したらどうしよう」というネガティブな感情やメンタルが働くからだと説明していらっしゃいました。確かに地面に置いた板の上を歩く際、「板が割れて怪我してしまう」と思う人はいません。そして誰かが失敗なく成功する姿をみると自分自身もできると感じることができるのでしょう。その確証が無いとなかなか1歩踏み出せないのが人間なのです。だからこそロジャー・バニスターのように「0から1」の動きをすることの偉大さや私たちも不可能だと決めつけず何事にも挑戦し続けることの重要性を意識しておきたいですね。
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