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「まだまだ新人だから」黒い羊効果

学校では新卒教員、会社では新入社員は大学を卒業し就職して6ヶ月が経過した頃です。私も営業マンをやっていた時は新卒で入社し、3ヶ月(実際には1ヶ月も無く実戦に放り込まれたように思いますが…)の研修期間を経て本格的に仕事を開始するのがとても大変で「ようやく半年か」と感じたことをよく覚えています。新卒教員、新入社員の「まだまだ新人だからミスをしても仕方ないよね」という期間は一般的にはいつまでなのでしょうか。

「まだまだ新人だから」はいつまで許される?


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このアンケート結果を見ると全体の40%の先輩社員は同僚の新入社員に対して半年までに独り立ちしてミスなく仕事をして欲しいと感じていることがわかります。それに対して1年程度は大目に見ようという方も同数程度いることがわかります。私は前者の考えに近く、半年経てば仕事をある程度覚えミスなくクラス運営や授業、保護者対応を行って欲しいと考えています。現在一緒に働き悪戦苦闘する新卒教員を学年団でフォローする中で、ある心理学の効果が思い出されます。それは


黒い羊効果


です。これは1匹の黒い羊が白い羊から受け入れられず、排除されてしまうという聖書の物語にちなんだものです。 身内(内集団)の好ましくないメンバーは、外の集団の好ましくないメンバー以上に悪い評価を受けるという現象が起き、これは身近な小グループでも起こります。たとえば、「仕事ができる」と評判のベテラン教師が多く所属する学年団があるとします。そこへ仕事に不慣れな新卒教員が配属されたとしたらどうなるでしょう。

教師というのは独特な人種で、特に私たちのような高校の教師になると各教科の専門性が求められ、個で行動することも多いです。会社のように毎回同じ仕事をチームで行うというよりは学年団単位、学校単位で行う特別行事(修学旅行や体育祭、文化祭など)の際は協力するが、授業などは独自のやり方で行っているということが多いです。学年団に配属された新卒教師の指導・サポートのために2人担任制(ちなみに本校は1年目から40人クラスの担任をする場合が多かったです)などを行うケースは一般的ですが、これは仕事の速度を一時的に下げることに繋がります。「仕事ができる」という評判に傷がつき、その集団に属する自分の価値も下がったように感じる先輩教師が出て来た場合、集団の価値、ひいては自分の価値を維持するため、「仕事に慣れていない」という特徴を持つ新卒教員を、自分と同じ集団のメンバーとみなすことに抵抗が生じ、非常に低い評価を下したくなるという心理が働くことがあります。


あなたの職場は黒い羊を生み出す牧場かもしれない


名古屋大学の唐沢教授によると以下の質問を用いることで「学校現場」への帰属意識を測ることができ「黒い羊効果」が現れやすい職場かどうかがわります。「生徒」や「会社」に置き換えることで応用もできます。その質問は

①あなたは「典型的なこの学校の教師」ですか?
②どれくらいの頻度で、自己紹介で「〇〇学校の教師です」と言いますか?
③あなたはこの学校への愛着を強く感じていますか?
④本当に大切な友人は、学校外と比べて学校内の方が多いですか?

これらすべてに「はい」と答えた場合強い帰属意識が働いている集団かもしれないので黒い羊効果が働きやすい環境かもしれません。


新卒教員は本当に「黒い羊」なのか


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自分自身も新人だった時期はあり、多くの先輩方に助けられて今があるはずです。逆に自分自身が黒い羊だと認識されて辛い思いをした経験もあるかもしれません。それらを考えた上で羊の色を決めるのは「私たち自身」なのだということを理解し、働きやすい環境をこれからも保って行きたいと思います。でも新人には厳しくいきます笑。生徒の将来も大切なんで!!


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