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「ちょっとあの柵で話す?」アフォーダンス理論

放課後、テスト期間ともなると遅くまで残って生徒同士で勉強を教え合っている様子が各教室で見られます。コロナ禍ではそのような時間は感染リスクが高まることもあり、あまり見られない光景でした。徐々に普通の生活に戻ってきていると実感し、嬉しく思います。机をつき合わせて勉強しているのかと思いきや、机やロッカーの上に座って無駄話をしていることもあり、注意をすることもありますが…😀「机はノートを書く場所、ロッカーは教科書などを置く場所!」と。思いもよらない机の使い方に驚かされることがあります。しかしそれは偶然ではなくその「モノ」や「環境」が僕たちに影響を与え、そのような行動に移させているとも言えます。このことを心理学では


アフォーダンス理論



と言います。この理論はもともと認知心理学者であるジェームズ・J・ギブソン氏によって考えられた概念です。「与える・提供する」という意味の「アフォード(afford)」という言葉の造語であり、環境は動物(人)に対して特定の知覚を引き起こさせていると提唱しました。例えば椅子(環境)は人(動物)に「座る」という行為を知覚させています。「物や環境が人に行為を知覚させているってどういうこと??」と腑に落ちない人もいるかもしれません。では椅子以外の環境が「座る」という行為をアフォードしている事例を見てみましょう。例えば海沿いの柵の上に座り、友だちとお喋りをしたことがありませんか?当然、柵の本来の用途は座る事ではなく、座るものだとも思っていないはずです。しかし、柵は…

  • 自立し体を支えられる

  • 腰掛けても痛くない平面

  • 足が多少浮く程度の丁度いい高さ

といった点から「座ることができるよ!」という情報を発信していると言えます。そのため座る物であるという知識がなくても、柵から得た情報を知覚する事でついつい座ってしまうわけです。これが柵と人の間にアフォーダンスが存在している状態です。このようにアフォーダンスは環境と人の間に生まれる相互関係を表します。注意が必要なのは、アフォーダンスは誰との間にも存在するわけではない点です。柵の場合、「丁度いい高さ」であったため座るという行為がアフォードされました。しかし「丁度いい高さ」は人によって異なります。例えば幼稚園に通う子どもの場合、海沿いにある柵は座るのに丁度いい高さとはいえません。そのため柵の上に座るという行為が起こる事はなく、柵と子どもの間にアフォーダンスは存在しえません。また当然ですが柵は「転落防止」という本来の行為もアフォードしています。そのため環境と人の間には複数のアフォーダンスが存在しているわけです。その中から人は特定のアフォーダンスをピックアップする事で知覚しています。

勉強をやりたくなるような環境作り

席替えドラフト 漢字テスト

先日僕が学年主任を務める3年生のあるクラスで席替えについての話題になりました。席替えをする際は「くじ引き」や「担任裁量」、「アプリ」など色々ありますが担任をしていた時から「席替えドラフト」をやっています。

選択希望座席を第1〜3希望までアンケートをする⇒漢字テスト(3級レベル)⇒希望が重なった場合はテストの得点が高い方が選ばれる⇒希望が叶わなかった生徒は第2希望へ

という席替えの方式です。これであれば
・公正
・漢字を覚えることができる
・頑張れば希望の座席に座ることができる
などの利点があります。漢字のテスト対策ができてない生徒は自ずと前の席に整列しているので勉強に集中できるという面も😁勉強をやりたくなるような環境作りも僕たち教師の腕の見せ所ですね。


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