見出し画像

EP.46 オシャレは、高齢者の生活圏を拡げるか?「Flashy(フラッシー)」開始!

画像1

いつもお読み頂きありがとうございます! EP.43 困り事へ新アプローチ!「いきいきらいふマルシェ」開発秘話!!の派生サービスですので、こちらも合わせてお読みください。

 お客様の困り事解決から始まった流通小売り事業ですが、生活全般のご支援をしていく中では、食品・日用品には留まりません。新たな困り事解決とそれによる検証調査を行うべく衣料品の提供を行うことにしました。

今回はそんな取組のお話です。



◆コロナ禍にスタートした衣料品販売事業

実は、新型コロナウィルスの大混乱が始まった2020年4月、緊急事態宣言が発令され、デイサービスを利用していた要介護高齢者はその正体不明の未知のウィルスの脅威と連日のニュース報道により、自宅に籠り始めてしまいました。

 もちろん人命最優先と言うことで、ある意味仕方がない部分はありましたが、社会インフラである介護サービスの中で最も打撃を受けたのはデイサービス業態でありました。その影響は売上20~30%減、ひどいところだと50%減の事業所もありました。
※この辺りの高齢者の身体・精神的影響および社会的影響についてこちらに記載してあります。

当社内でも、その脅威に誰しもが不安と先行きの不透明さに不穏な空気が漂っているところ数人のメンバーが新しい取組をスタートさせました。

全社的にテレワーク体制を突貫で整備し、本社メンバーは全員在宅勤務を発令。もれなく私も子供部屋を占拠し、一時的な仕事部屋としていたところ、メンバーからビジネスチャットにてメッセージが届きました。

「社長、こんな状況ですが始めちゃっていいですか?」

「準備はできているの?」

「問題ありません、企画メンバーもやる気です!」

「閉じこもっていてもいいことないから、始めちゃいましょう。よろしく。」

 この衣料品販売については、お客様の困った解決として取締役を中心に数人のメンバーで少し前から準備していたトライアル事業です。
疾病や疾患により体形的に着用衣類の制限のある要介護高齢者にとって、選択肢があまりにも少ない状況。そして、汚れていたり、擦り切れている着古された洋服を着用されている方は一定数存在していることを現場のメンバーはよく知っていました。

 先の見えないコロナに対して、会社として新たな取組を行うことは勇気が必要でしたが、私からの指示でなく現場からこの状況下で「始めたい」と言う提案をしてくれたことをとても嬉しく思いました!
 これができるのがRARECREWメンバーです。
(この時はまだ、旧社名で新社名候補にもなかったですが、片鱗はここに)


◆サービス名称「Flashy(フラッシー)」

 そんな状況で高齢者の在宅生活の意欲向上を目的に、日常生活必要品である下着・肌着類をはじめ靴等の季節衣料品各種の販売を始めました。

画像3

 

 デイサービスなどの施設内にて、衣料品やスニーカーなど、サイズや色、生地感等も実際に触って確認いただけるようサンプル展示を行ない、リーズナブルな価格帯で提供。

画像4


 下着類などの機能性商品だけではなく、ファッションや日常生活を楽しんでいただけるような季節商品も揃え、高齢者の方々に心身ともに健康になっていただきたいと考え、生活様式のアセスメントに基づき提案しています。


画像2

【Flashy(フラッシー)】に込め思い

「一時の華やかさ」や「パッとして目立つ」などの意味合いを持ち、高齢者の日常の一時に衣服の華やかさを添えたいとの思いが込められています。

もちろんニーズ調査を行い、商品をラインナップしていきました。
 このトライアルから私たちの想定外のニーズも発見しているのですが、それはまた別の機会にご紹介します。


◆オシャレは外出のきっかけに?

ここには、私たちの仮設が存在してます。

【人は、誰かに会う為にオシャレをする】

つまり、新しい洋服を買うときには、何かの行事や人と会うときにオシャレをするのではないでしょうか?もちろん機能性や品質も大事ですがデイサービスに来ることは新しい友人をつくるきっかけになります。

どうしても、高齢になっていくと残念ながら知人・友人が亡くなっていくことは避けられません。そうなっていくと出かける先が減っていき、だんだん自宅に籠る時間が長くなります。
 そうなると、身なりに気を使わなくなっていくのは必然。私たちはこの点も強く知っているのです。

閉じこもりがちのお客様(高齢者)をデイサービスに引っ張り出した時に、化粧をしたり、服を気にされる方々にたくさん会ってきました。

であれば、疾病・疾患も考慮した体形に合わせたオシャレな服をきることは、外出のきっかけになったり生活へのメリハリが生まれるのではないか?

画像5

そんな思いで、現在トライアル検証中なんです。

デイサービスの利用きっかけに、衣服への興味関心が生活への彩りをつくり、生活圏(外出)が広がることで在宅生活が継続できる!なかなか素敵な話だと思いませんか?


◆新卒インターンとしての実ニーズ調査

 さて、このフラッシーですが2021年に22卒生のインターンを実施しました。最近は、就活とセットのイメージが強いインターン。本質的には、仕事体験を行うことで参加者の適性マッチングや実践スキルの向上を目的とすべきと考えています。

 短期(1~3day)インターンが主流みたいですが、これだけだと仕事の本質は理解できないのではないかと言うのが、たくさんの学生の悩みを聞いてきた私の考えです。

そんな当社では、新卒向けにインターンを受け入れています。インターンの企画は、悩める就活生へ愚直に関わり続けることが定評の社長室でとりまとめています!!
インターンについては、先に記載した私の持論もあり、社長室ミーティングでも度々目的についてディスカッションを行っています。

22卒メンバーに洋服好きでアパレル業界も考えていた学生がおりました。「お客様の声を形に!」これが私たちのテーマでもあるので、仕事の理解を深めるためにフラッシーをインターン企画としてまとめることに。店舗のメンバーの協力体制もつくってスタートです。

本質的な理解の為には、短期で表面的な知識の習得に留まりません。今回は3カ月の長期インターン。自分の耳で、直接お客様のニーズをヒアリングし、そこからフラッシーの新提案を考えるというものです。

大事なことは、①お客様の本音を引き出し、②ビジネス視点で成立させること!

 何よりも①が難しいんです。ここを引き出すのが介護従事者のプロフェッショナルだと私は考えています。実績による信用とその先にある信頼がなければ、どんなに知識や技術が高くてもお客様に寄り添うことはできないのです。

画像9
インターンメンバーセレクト&ディスプレイ

インターン担当の指導のもと、様々な実体験をしてもらい最後は、RARECREWスーパーバイザーとビジネスプレゼンテーション発表!

大学生のレポート発表ではありませんので、大人のビジネスマンとして、手抜きせずにフィードバック!(かなり手厳しくやりました)

グラフィックス1

その分、自身の甘さやビジネス視点のポイントなど多くの気づきがあったのは、その感想からよくわかりました。伸びしろしかない彼らのこれからの社会活動に期待が膨らみました。

私たちにとって介護と言う括りは存在しません。理念の実現に向けて、本質的なニーズ解決には、「決めつけない」視点と「止まらない」活動が必要になります。

「できない」理由を探す暇があったら「何ができるか」一つでも考えて実行していく、それがRARECREWです。


さて、今回のエピソードからはどんな気づきがあったでしょうか?大変さの裏には「お客様の役に立っている」と言う事実が存在します。大変さを楽しむには、この事実に目を向けていくことが大事ではないでしょうか?


画像6
画像7


この記事が参加している募集

スキしてみて

マーケティングの仕事

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?