僕のマリ/書きたい生活

僕のマリさんの「書きたい生活」を読んでいる。
疲れ切った日曜の夜にちょうどいいエッセイ。

作品を生み出す人というのは、いつも歳上で、遠く離れた場所にいて、手の届かない人たちだと思っていた。

そんなわたしも30歳になって、最近はこうして同年代の人たちの思考に触れられる機会が増えた。だれかの頭のなかを覗くという行為に、埋まらない孤独を埋めてもらえるような安心感をおぼえる。

孤独に寄り添う文章とは、聞いたこともない人生から紡がれるものではなく、ありふれた日常の切り取りで、わたしが生きている人生は大したことがなくても、ちゃんと物語が転がっているよと言ってくれるし、深く頷ける幸福に包まれていく。

今日も世界のどこかで同じようにだれかが生きていて、悩んでいて、笑っていて、泣いている。それをちゃんと声に出してくれる人がいることを本当にありがたいと思う。


この世に絶望するくらいなら考えるのをやめて自分を愛せ