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戦場にて立つ

自分が4月も当たり前に嫌いになったのなんて、それこそ幼稚園の時くらいだからもう長い。いや、一年なんていつを切り取ったって嫌いだが。

なぜ4月ってスタートラインはこうも、高いハードルとなって毎年私をつまずかせる。笑ってるよねスタートラインと4月はきっとこんな僕のことを。

でも、いつから気がついたんだろう。まともなスタートラインなんか自分には切れやしないことを。

幼少の時は多分みんなと同じような緊張とかそんな物だった気がする。中学も今思い返せば、酷かったけど、当時はなんとも思ってなかった。高校からかもしれない。その時期私は、この世には優しい人間だけじゃなくて冷たい人間もいて、世の中の人間関係にはカーストがあって、いじめてくる人もいてとか言う人間と付き合う難しさを感じだしていた頃だった。4月、僕は失敗していた。友達ができない。出来ないで1人で帰る帰路も最初は楽しかったけど、一年の終わりの頃には泣いていたっけ。高校を辞めた翌年の春。入塾した塾も、4月の下旬で不登校になった。翌年入った予備校も、4月にダウンして薬漬けになった末、6月に精神病院に入院になった。そして今年の4月。僕は大学に入った。とても恐ろしい。今まで何度この4月のスタートラインを失敗してきただろうか。そしてこの大学のスタートも失敗になってしまうのではないか。気が気ではないのだ。

次はうまく行くように、次はうまく行くように、そう何度も願う僕に、毎年4月はやってきて、呪いのように降りかかる。4月は戦争だ。僕は降りかかってくる世間の荒波という銃弾、そして自分の精神疾患という銃弾、友達ができないという銃弾その何もかもを防弾チョッキなんて着させてもらえない生身の体で避けて、受け止めていかなくちゃならない。

僕。今年も4月がきちゃたね。仕方ないね。苦しいね。まだ上旬だろ?やってみせるさ今年こそ。これがたとえ何回目かの失敗に刻まれるとしても。今年こそサバイブするって。そう言って僕は再び4月の戦場へと飛び込んでいった。

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