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近藤康太郎著|三行で撃つ

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今回はCCCメディアハウスさんから2020年12月15日に出版された、近藤康太郎(こんどうこうたろう)さんの『三行で撃つ』をご紹介したいと思います。

本題に入る前に少しお知らせをさせてください。

毎週金曜日、夜の10時から、おとんさんと言う読書家の方と、Twitterにて「読書会スペース」を開催しております。本の紹介や読書術、読書についての質問、ご相談にお答えするスペースです。興味のある方は、ぜひ遊びに来てください。質問、ご相談はTwitterのDMにて受け付けてます。

それでは本題です。

近年日本では、読解力が低下して、本が読めない人だったり、文章をうまく読み解けない人が多くなっていると言われていますが、それでも私たちは、会社での企画書やメールに加え、私生活でもTwitterやLINE、ブログやネット記事などといった、文章に触れる機会がたくさん増えていると思います。

その中で文章を読むだけではなく、書く機会も増えていると思うんです。

ですが、文章を書くのって、すごく難しくありませんか。

相手にわかりやすく伝わる文章や読んでもらえる文章を書くのは、すごく難しいですよね。

著者の近藤康太郎さんは、慶應義塾大学の文学部を卒業後、朝日新聞の新聞記者として活躍し、その後、評論家や作家としての活動を通して、30年以上も文章を書き続けている方なんです。

本書は、そんな近藤さんが、「誰にでもできて、すぐに役に立つ」文章のテクニックを、余すことなく書いた1冊です。

そんな本書から、私がここはぜひ、自分の文章に取り入れたいと思ったものを、3つご紹介したいと思います。

文章の基本

まず最初に、文章の1行目と言うのは、2行目を読ませるためのもので、2行目は3行目を読ませるためのものなんです。

要するに、文章と言うのは、最初の1文、もしくは長くても3行くらいで読者の心を撃たないと、読者は離れていってしまうんです。

どういうことかと言うと、みなさんが普段、会社やプライベートで書いている文章と言うのは、小説ではないじゃないですか。

小説と言うのは、最初からその小説を読もうと思って、購入してページをめくっているわけじゃないですか。

ですが、私たちが普段書く文章と言うのは、ブログでも営業メールでも、それを読もうと思ってアクセスしてもらえる事の方が、少ないわけじゃないですか。

だからこそ、書き出しの1文で読者を引きつけることができなければ、離れていってしまうんです。

電車によく乗る方ならわかると思いますが、周りを見渡せば、9割以上の方がスマートフォンの画面を覗き込んでいると思うんですよ。

SNSをやっているのか、ゲームをやっているのかは、分かりませんが、そういった人たちに読んでもらうには、3行以内で相手を撃ち抜かなくてはいけないんです。

そもそも読者は、書き手に興味がないんです。読者にとって、書き手が書こうとしているテーマは、どうでもいいことなんです。

それでも自分の文章を読んでもらうためには、書き出しの1行目で、読者を"のけぞらせなければ"いけないんです。

その上で、うまい文章、つまりわかりやすい文章を書くには3原則があるんです。

それが、
①文章は短くする
②形容詞と被形容詞はなるべく近づける
③1つの文に、主語と述語は1つずつ

この3原則を意識するだけでも、文章というのは飛躍的にわかりやすくなるんです。

1つ目の、「文章は短くする」については、難しい言葉を使わずに、短い文章でたたみかけることと、二つに分けられる文は、全部二つに分けると言うものです。

本書で例に挙げられているのが、夏目漱石のデビュー作で「吾輩は猫である」の書き出しの部分です。

その書き出しが、「吾輩は猫である。名前はまだない。」

この書き出しだから、読者が引きつけられるんです。

これが例えば、「吾輩は猫なんだが、名前はまだないのである」とか「吾輩は、まだ名付けられていない猫である」だったら、読者を引きつけられないじゃないですか。

「吾輩は猫である。名前はまだない。」

こうやって文章を短くして、二つに分けているから、読者の心をつかむことができてるんです。

2つ目の「形容詞と被形容詞はなるべく近づける」についても、本書の例を挙げると「違法な野生動物の売買」と書くのではなくて、「野生動物の違法な売買」とするのが読みやすい文章なんです。

この違いちょっと分かりにくいですよね。

要するに、前者の「違法な野生動物の売買」という文章は、野生動物に法律を守れと言っているのと同じなんですよ。

「違法」なのは、あくまで「売買」であって、「野生動物」が「違法」なわけじゃないという事です。

3つ目の「1つの文に、主語と述語はひとつずつ」については、言わずもがな、1つの文章に主語と述語が複数あると、違和感だらけで読みにくい文章になってしまいます。

もちろん例外はあると思いますが、原則を知った上でないと、例外というのはうまく機能しないんです。

この文章の基本を踏まえた上で、2つ目が「型を知る」と言うことです。

型を知る

その型というのが「起承転結」です。

型を知って、それに沿って書くことで、文章と言うのはすごく読みやすくなるんです。

型破りと言う言葉がありすが、これは型を知ってる前提で使われる言葉で、型を知らないのは、ただの型無しです。

型破りはいいんですが、型無しはいけません。

型あってこその型破りなんです。

まず起承転結の「起」は、フックです。

先程お伝えした、最初の1文、長くても三行で相手の心を撃つんです。

まずは、読み手に目に留めてもらわなければいけないんです。

いわば、1つ目でお伝えした文章の基本と言うのは、起承転結の「起」の部分なんです。

そして、起承転結の「承」は「起」の説明です。

この文章で何を語ろうとしているのかを、丁寧かつ簡潔に、誰が、いつ、どこで、何をしたか。

時、場所、登場人物、出来事の概要を説明していきます。

そして「起承転結」の中で、一番難しく、一番重要なのが、「転」の部分です。

著者の近藤さんは「転」をかけるライターだけが生き残ると言っています。

AIに人間の仕事がどんどん代替されている時代ですが、AIに「転」を書くことはできないんです。

「転」というのは、「起」で読者を引きつけて、「承」で説明した事象を、自分はどう見ているのかを書くんです。

読者を転がすんです。

読者の常識を覆したり、読者が考えていなかった方向に話を持っていったり、読者の意表をつくんです。

そのためには、できる限り過去にさかのぼって、昔はどうだったのかと、時間軸を長く考えることや、書籍などを読んで、幅広い知識を持って、空間軸を広げて考えることが大事なんです。

そして起承転結の「結」は、結論です。

これは「転」をうまく書くことができさえすれば、おのずと浮かび上がってくると著者は言います。

そして、起承転結で文章を書くときに注意しなければいけないのが、響く文章と言うのは、エピソードで語ると言うことです。

要するに、読者を引きつけるには、論文や教科書みたいな論理ではなくて、感情のこもった、エピソードで語ることが読んでもらうコツなんです。

読ませるための3感

3感というのは、スピード感、リズム感、グルーヴ感の3つです。

スピード感と言うのは、文章の中に同じような言い回しや、似たような言葉があれば、削っていく、ダブっているものを削いでいくと言うものです。

要するに、文章の基本でもお伝えした、短くすると言うことです。

文章の中に同じような言い回しや、似たような言葉が何度も出てくると、文章のスピード感がなくなってしまうんです。

逆に文章を短くすることで、文章にスピード感が出て、あっという間に読めてしまうようになるんです。

ですが、ここで注意しなきゃいけないのが、短文がずっと続く文章は単調で、むしろスピード感がなくなってしまうんです。

そのためには、短文と長文を出し入れするのがコツなんです。

次にリズム感と言うのは「間」をつくるというものです。

具体的には、句読点や括弧類、改行などを使って「間」をつくり、リズム感を出すんです。

句読点の句点は「まる」、読点は「てん」ですよね。

この二つが、リズム感を出す時に使う最大の武器になるんです。

読点でほんの一瞬、息つぎをしたり、スペースが入るんです。

そして句点の間の方が、読点よりわずかに長いので、書き上げたら音読して、句読点の位置を確認するようにすることが大事です。

次に括弧類には、いろんな種類があるんですが、視覚的にキーワードとして際立たせる効果があるんです。

ちょっと声を張り上げて強調したいところだったりに使うと効果的です。

そして改行は論理が変わるときに使います。

具体的には、「そして」とか「しかし」とか「ところで」といった、話題を変える接続詞を入れたいときに使うのがベストです。

今回ご紹介した、「文章の基本」「起承転結」そして「スピード感、リズム感、グルーヴ感」、これらを意識するだけでも、格段に読みやすい文章になると思うので、ぜひ試してみてください。

本書には他にも、「禁じ手」だったり「ライターの心得」や、語彙や文体など「書くために必要な道具」だったり、たくさんのテクニックが書かれているので、気になる方はぜひ手に取って読んでみて下さい。

今回は以上です

最後まで読んでいただき、ありがとうございます

それでは素敵な1日を

読書家のヒデでした

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