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アンデシュ・ハンセン著|スマホ脳

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今回は新潮社さんから2020年11月20日に出版された、アンデシュ・ハンセンさんの『スマホ脳』をご紹介したいと思います。

本題に入る前に少しお知らせをさせてください。

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それでは本題です。

本書の主張はいたってシンプルで明確なんです。

それは、「人間の脳はデジタル社会に適応していない」と言うことです。

インターネットが普及してからここ数十年で、人類と言うのは今まで経験したことのないくらい急速に、ライフスタイルが変化していったんです。

しかもそれはデジタル関連の変化だけにとどまらず、これまで人類が体験したことのないような種類の、ストレスだったり、睡眠時間の減少につながっているんです。

私たち人類というのは、約250万年前に誕生してから今まで、99.9%の時間を狩猟採集民として生きてきたんです。

そして私たちの脳は、1万年前から変化していないんです。

そんな私たちの精神と言うのは、デジタル社会に十分に対応できるものではないと著者は言います。

その結果、ストレスや睡眠不足、鬱状態、そういった症状に陥る人が増えているんです。

それらはいずれも、スマホが引き起こしているんです。

世界保健機関(WHO)も「私たちはウィルスの感染拡大"パンデミック"に付随して、不確かな情報が大量に拡散される"インフォデミック"にも襲われている」と、注意を呼びかけているほどなんです。

ところでみなさんは、1日どれぐらいスマホを触っていますか。

あまり気にしたことがないかもしれませんが、現代人は1日に平均4時間ほどをスマホに費やしているそうです。

スマホが登場して十数年になりますが、こんなにも人の行動が変化したのは、人類史上最速なんです。

人類というのは他の動物と一緒で、これまで、環境に適応するように進化してきたんです。

ところが私たち人類は、科学が発見されてからのたった数百年で、周囲の環境を著しく変化させてしまったんです。

要するに、周囲の環境を急激に変化させてしまったために、私たちは環境に適応するように進化できずに、今の時代には合わない体になってるんです。

特に今は、スマホが近くにないと落ち着かないスマホ依存症の方や、スマホ中毒の方も多いと思います。

スマホは最新のドラッグ

朝起きてまずはスマホに手を伸ばし、1日の最後にはスマホをベッドの脇のテーブルに置く、私たちはそうやって1日に2600回以上もスマホを触り、平均して10分に一回スマホを手に取っているんです。

起きている間だけではなくて、3人に1人が夜中に少なくとも1回はスマホをチェックするそうです。

18〜24歳に限って言えば、半数の人が夜中にスマホをチェックするそうです。

もう私たちは、スマホがないと生きていけないと言っても過言ではないくらい、スマホに依存してるんです。

街中や家の中、カフェやレストラン、バスや電車どこにいても、どこを見回しても、ほとんどの人がスマホを触っていますよね。

ではなぜ私たちはこんなにもスマホに依存してしまうのか。

その答えは、脳内の報酬物質「ドーパミン」に関係してるんです。

ドーパミンは、人に行動を起こさせる、人間の原動力とも言える物質なんです。

例えば、お腹が空いてる時に目の前に食べ物が出てきたら、それを見てるだけでドーパミンの量は増えるんです。

つまり、食べている最中にドーパミンが増えるのではなくて、その食べ物を食べさせようと行動させるためにドーパミンが分泌されるんです。

そして最もドーパミンが分泌されるのは、実際に体験することよりも、「何かが起こる"かもしれない"」という期待があるときに、最も分泌量が多くなるんです。

ある実験で、お金がもらえるカードを被験者に引かせてみたところ、毎回お金がもらえるとわかっていてカードを引くのと、お金がもらえるカードは2回に1回しか引けないと分かっているときでは、2回に1回の方がドーパミンの量は、はるかに多かったんです。

例えば、パチンコや競馬などのギャンブルにはまってしまうのも、これと同じことが起きてるんです。

そしてこの人間のメカニズムを利用しているは、スマホも一緒なんです。

LINEやSNSの通知が来るとすぐにスマホを手に取ってしまうのも、「大事な用事かもしれない」「フォロワーが増えたのかもしれない」「いいね!が付いたかもしれない」という期待に欲求を感じ、「ちょっとだけ見てみよう」と、スマホを手に取ってしまうんです。

これは、次こそは勝てるかもしれないと、ギャンブルをズルズルと続けてしまうメカニズムと同じなんです。

そうやってスマホのアプリというのは、人間のメカニズムを利用して開発されて、私たちの脳をハッキングしているんです。

ですが、今のIT社会を創ってきた巨人たちは、こうしたスマホの危うさを知っているからこそ、自分の子供からは遠ざけていたりします。

例えば、アップル創業者のスティーブ・ジョブズは、自分の子供に「iPadはそばにおくことすらしない」と、インタビューで話ていたり、マイクロソフト創業者のビル・ゲイツは、子供が14歳になるまでスマホを持たせなかったと話しているんです。

バカになる子供たち

子供のスマホ依存というのは、学力までも低下させてしまうんです。

驚くことに今は、2歳時の半数以上、7歳児のほとんどがインターネットを毎日使っていたり、11歳児では98%が自分のスマホを持っていて1日に3〜4時間をスマホに費やしているというデータがあるんです。

では、スマホは子供たちにどんな影響を与えるのでしょうか。

人間の脳にはいくつかの領域があって、その中に目の前の欲求を満たしてすぐに報酬を得ようとするシステムと、それを抑制しようとする領域があるんです。

ですが、この二つの領域は同時に発達するわけではなくて、欲求を満たそうとする領域は幼い頃から発達するのに対して、欲求を抑制する領域は25~30歳になるまで完全には発達しないんです。

例えば、目の前にポテトチップスがあったとして、それを食べたいという欲求と、もうすぐ水着の季節だから我慢しなきゃだめだという欲求に、ブレーキをかけるニつの領域があるんですが、欲求にブレーキをかける領域は発達が遅いので、子供の頃は報酬を先延ばしにすることができずに、ポテトチップスを食べてしまうんです。

これはスマホにも同じことが言えて、スマホを手に取りたいという欲求も我慢できないんです。

こうやってスマホを手放せなくなった子供たちの学習にどれくらいの影響があるのか。

それに対して100件近くの研究結果を調査した結果、ほとんどの研究が「スマホは学習妨害になる」という結果が出ているんです。

例えばイギリスでは、複数の学校でスマホの使用を禁止したんです。

朝学校にスマホを預け、学校が終わるまでスマホ使うことができないようにしたんです。

その結果、ほとんどの生徒の成績が上がったんです。

また違う研究では、8〜11歳の子供たち約4000人に、記憶力や集中力、言語能力を調べるテストを行ったんです。

その結果、スマホを触っている時間が2時間未満の子供たちの成績は良かったんですが、その子供たちというのは、毎晩9〜11時間眠っていて、日常的に運動をしている子供たちだったんです。

要するに、スマホの使用は1日最長でも2時間におさえ、日常的に運動し、9時間以上睡眠を取る子供たちの成績が良かったんです。

ですが、それはたったの5%しかいなかったんです。

こうした研究から、スマホ依存になって長時間スマホばっかり触っていると、睡眠不足にもなり、運動不足にもなり、学習の妨げになってしまうんです。

私たちの脳はまだまだスマホに適応できていません。

スマホを過剰に使いすぎると、学習だけにとどまらず、運動不足になったり、睡眠不足になったり、ストレスが溜まりやすくなって、健康に壊滅的な影響与えることもあるんです。

本書を読んで私も、スマホを使う時間を改めて見直したいと思いました。

本書には最後に、デジタル時代のアドバイスとして、スマホとどう向き合っていくのか、そのヒントが書かれているので、みなさんもぜひ本書を手に取っていただいて、スマホとの向き合い方を見直してみてはどうでしょうか。

今回は以上です

最後まで読んで、いただきありがとうございます

それでは素敵な1日を

読書家のヒデでした


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