ロルフ・ドベリ著|Think Smart
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今回はサンマーク出版さんから2020年1月15日に出版された、ロルフ・ドベリさんの『Think Smart~間違った思い込みを避けて賢く生き抜くための思考法』をご紹介したいと思います。
本題に入る前に少しお知らせをさせてください。
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それでは本題です。
世の中には、たくさんの成功するためのノウハウや、成功法則に関しての書籍などが溢れていますが、実際には、「どうすれば確実に成功できるのか」というのは、誰にもわからないんです。
ですが、「何が成功を妨げるのか」は、確実にわかるんです。
そのために必要なのが「否定法」という考え方です。
「否定法」というのは、それを知るためには、それ以外のものを否定し、あきらめ、省略し、制限するという考え方なんです。
ダビデ像を作ったミケランジェロは、「あなたはどのようにして、ダビデ像を作り上げたのですか?」と聞かれて、ミケランジェロは「ダビデでないものを、全て排除したのです」と答えたんです。
要するに、どうすればダビデに近づけられるのかではなく、ダビデっぽくないものを全て排除したんです。
この「否定法」というのは、古来からある考え方で、これが最初に提唱されたのは、神様の学問「神学」なんです。
「どういうものが神であるかというのは分からないけど、何が神でないかははっきりとわかる」という否定法で、神を語ろうとしたのが始まりなんです。
要するに、「これは神だ」と言うのは難しいですが、「これは神ではない」というものは、はっきりと言えるということです。
例えば、海を渡って海外へ行こうとしたときに、どんな乗り物で行くのか、いろんな選択肢があると思うんです。
飛行機なのか、フェリーなのか、ヨットなのか、ボートなのか、たくさんある選択肢の中で、どれを選んだとしても、確実に海を渡れるという保証はありませんよね。
途中で事故に遭うかもしれないし、エンジントラブルに遭うかもしれない。
つまり何を選んでも、確実に成功するとは言えないんです。
ですが、海を渡って海外に行くときに、"自転車"という選択をした時点で、確実に失敗するわけじゃないですか。
要するに、私たちは成功確率を上げる事は極めて難しいんですが、確実に失敗すると言うものは避けることができるんです。
アリストテレスも「賢人が目指すべきは、幸福を手に入れることではなく、不幸を避けることだ」と言っているんです。
本書はこうした「するべきではない思考や行動」を、52個紹介しています。
そんな本書から厳選して5つお伝えしたいと思います。
先延ばし
やらなければいけない仕事があるのに、なかなか手をつけられずに先延ばしにしたり、ダイエットをしようと思っても、後回しにしてしまったり、健康のためにスポーツジムに行こうと思っても、明日からやればいいと言って、結局スポーツジムに通えなかったり…
こういった経験というのは誰にでもあると思うんですよ。
私たちはなぜ、先延ばしにしてしまうのか。
それは、「始めてから成果が出るまでに、時間がかかる」からなんです。
私たちはそれらを、精神力で乗り切ろうとする傾向がありますが、精神力と言うのは長続きはしないんです。
先延ばしにしないための方法は、精神力で乗り切るのではなく、期限を決めたり、周りに宣言したりすることなんです。
仕事がなかなか手につかないのなら、上司に提出期限を設定してもらったり、なかなかダイエットに取り組めないなら周りに「1ヵ月で5キロ痩せる」と言うことを宣言するんです。
そうやって先延ばしができない環境を作るんです。
努力の正当化
人は自分が労力や時間をかけて、努力して作ったものに対して「過大評価」をしてしまうんです。
例えば、自分が努力して作った家具は、一流デザイナーが作った家具よりも価値があると感じてしまうし、自分で編んだ靴下が、伸び切って穴が空いていたとしても、セールで買った靴下のように簡単には捨てられないじゃないですか。
こうやって市場価値とはずれた評価をしてしまうことがあるんです。
ある企業がケーキ作りを簡単にしようとして、インスタントのケーキミックスを販売したんです。
それを開発した人たちは、インスタントにするために、改良に改良を重ね、努力してやっと開発に成功したんです。
だから、誰もがこの商品は大ヒット間違いなしだと思ったんです。
ところが、全く売れなかったんですよ。
理由は、ケーキ作りが簡単になりすぎてしまったからなんです。
例えば、家族で食べる夕食に、カップラーメンを出したら罪悪感が生まれるじゃないですか。
それと同じで、簡単になりすぎてしまったためにそこに罪悪感が生まれたんです。
努力して作ったものや、手に入れたものは、過大評価してしまいがちですが、この「努力の正当化」という思考を知っていれば、その思考を排除することができるんです。
お金は逆効果
誰かに協力してもらいたいときや、賛成してもらいたいときに、お金で解決しようとするのは、逆効果になってしまうことがあるんです。
スイスのある地域で、廃棄物の最終処理場を建設する計画があって、住民説明会が行われたんです。
そこで「みなさん、廃棄物というのは、自然に出るものではありません。私たち人間が日々出しているものなんです。その責任の一端を我々が担うことで、社会的な意義というものが生まれるのではないでしょうか。また、処分場が完成すれば、そこに雇用も生まれます。どうか皆さん、処分場建設に賛同いただけないでしょうか?」
と説明するのと
「ここに処分場を建設すると国から1人につき50万円の補償金を出すと言われてます。みなさん建設に賛同いただけないでしょうか?」
と説明したのでは、
前者は50%以上の人が賛同したのに対して、後者の説明だと24%の方しか賛同してもらえなかったんです。
お金だけでは人は動かないんです。
その背景となってる理由が必要なんです。
人は感情の生き物なので、理由というものをすごく大切にするんです。
誰かに協力してもらいたい時は、お金で釣るという選択を捨てて、丁寧に理由を説明してみて下さい。
デフォルト効果
人は標準というものが大好きなんです。
例えば、みなさんスマホを持ちだと思うんですけど、スマホの特徴として、待ち受け画面や呼び出し音、カメラのシャッター音に至るまで、考えられる限りの、ありとあらゆることが、自分好みにカスタマイズできるようになっているわけじゃないですか。
ですがどうですか?
ほとんどの機能を、標準(デフォルト)で使ってませんか。
そうなんですよ。ほとんどの人が標準設定のまま使ってるんですよ。
これは、人は標準であることを好むのと、標準から何かを変えるというアクションを起こすのが、面倒だからなんです。
例えば、クレジットカードを申し込むときに、最初から「リボ払いにする」という項目に、チェックが入っているんですが、ほとんどの方がチェックを外すというアクションを起こすの面倒だと感じて、そのままの設定で申し込んでしまうんです。
カード会社は、この心理効果を利用して、最初からチェックボックスにチェックを入れているんです。
私も会社で試したことがあるんですが、過去に一度見送られた企画を通そうとして、「この企画に反対の方は挙手をお願いします」と伝えたことがあるんです。
そうすると、1度反対意見が多くて見送られた企画にもかかわらず、すんなり通ったんです。
これは、人は手をさ下げている状態がデフォルトじゃないですか。
標準ですよね。
「反対の人は手を挙げてください」と言うと、手を上げるという行為を面倒に感じて、手を上げない人の方が多くなるんです。
人が行動できない理由を知っておけば、それ以外の選択肢を排除することができるんです。
認知反射
突然ですが、次の簡単な問題を3つ解いてみてください。
①卓球のラケットとボールがセットで1100円で売っていました。ラケットはボールより1000円高いです。ボールの値段はいくらでしょう。
② 5枚のTシャツを作るのに、5台の機械を使って5分かかります。同じ機械を100台使って、100枚のTシャツを作るのには何分かかるでしょう。
③睡蓮に覆われている湖があります。睡蓮は毎日倍になっています。48日後に湖全体が睡蓮で覆われてしまいます。湖の半分が睡蓮に覆われるまでには、何日かかるでしょう。
どうですか。直感的に答えが出せそうな問題ばかりじゃありませんか。
直感的に答えを出すと、1問目から順番に答えは、100円、100分、24日、となるかもしれません。
ですが正解は、50円、5分、47日です。
これは「認知反射テスト」と呼ばれて、衝動をコントロールする力を調べるためのテストなんです。
簡単に言うと「直感で動く人」か、「熟考して動く人」かを調べるテストなんです。
正解数が少ない人ほど直感型で、正解数が多い人ほど熟考型なんです。
直感型の人は「将来もらえる報酬」より「今もらえる報酬」のほうに価値を感じる傾向にあって、熟考型の人は、「今もらえる報酬」よりも「将来もらえる報酬」に価値を感じる傾向にあるんです。
このテストから分かるのは、「直感に頼りすぎると合理的な判断ができなくなる」と言うことです。
最初に頭に浮かんだ答えが正解だとは思い込まないように、自分がどちらのタイプかを知っておくだけで、排除できることもあるんです。
本書にはまだまだたくさんの「するべきではない思考法」が書かれているので、みなさんもぜひ本書を参考に、誤った思考を避けることができれば、人生はより豊かになれるんじゃないでしょうか。
今回は以上です
最後まで読んでいただき、ありがとうございます
それでは素敵な1日を
読書家のヒデでした
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