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そして私もまた若い時には感じなかったが、きっと何者にもなれないおまえたちのひとりだったのだろう

地下鉄サリン事件の犯行者たちの子供をアニメ化してみたのだろう

劇場版廻るピングドラムは、実写ドキュメンタリー映画だと問題が多く発生するから、アニメ映画に落ち着いた問題作

もう一度当時生まれていなかった人や、当時のキッズも含めて、オウム真理教事件をこの物語でもって総括する目的を感じた

国民はオウム信者たちの子供たちのその後に興味がある
しかしそれはプライバシーの観点からエンタメにできない
実際のところ当事者たちの取材だって、本格的なものは村上春樹ぐらいしか社会的に読まれているものもない

本屋にオウムを考察する定番本てあれらしかないのだから

だからアニメとして、フィクションという形でエンタメにしたのが、地下鉄でのテロの実行犯の子供が主役の廻るピングドラムなんだと感じた
感想で最初に浮かぶのはそれだけ

でもそう考えますと挑戦的な興味深いアニメといえる

かなり昔に地上波で流れたアニメが時を超えた前編と後編に分かれて、劇場版としてブラッシュアップされたのは嬉しかった

村上春樹のかえるくん東京を救うのように、兄弟の犠牲によってあの世界は救済されたのだろうか?

悲劇だなあと思うのは主人公たちの善戦は空しく、彼ら、彼女たちの追求した幸福はあの結末ならば許されなかったということだろうか

そして私もまた若い時には感じなかったが、きっと何者にもなれないおまえたちのひとりだったのだろう

時を経てそれを痛感する

サポートされたお金はすべて、日本にいる一番痛いアラサー女子のチャリティーに使われます。ピアピカの優等種の人がモチベーションを沸かさない、やりたがらない領域に劣等種として頑張ってます。