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#11 高校生が主役になる季節

 アクセスしていただきありがとうございます。
 画像とサブタイトルを見ると、いかにも熱戦が続いた高校野球に触れそうな構成となっていますが、同じ「甲子園」でもこちらは“クイズの甲子園”の話題です。
 8月16日放送の『東大王』(TBS)にて「クイズ甲子園」が開催されました。3人1チームでの参加が恒例となっているこの大会は今年で4回目。地域ごとに分けられたブロックから予選会を勝ち抜いた総勢8校が、本大会出場を決めました。

 今大会の出場校の紹介です。Aブロックの出場校は、関東ブロックから都立西。参加メンバーのなかには、尊敬する人物に自分の父親を挙げた、お笑い芸人、レイザーラモンRGの息子が名を連ねています。
 同じく関東ブロックの2年連続出場の都立青山。昨年はクイズ研究会として出場しましたが、そのときの活躍が認められ、今年からクイズ研究“部”に昇格して活動をスタート。“東大王効果”で1年生が多く入部した勢いそのままに躍進なるか。
 中国・四国・九州ブロックからの出場は鹿児島県の志學館。桜島を望むことのできる位置にあるこの高校は、クイズ研究会は存在しておらず、有志による自主活動。百人一首同好会部長も務めるチームリーダーが率いるメンバー3人は、はじめての東京見物に興奮を隠し切れません。
 北海道・東北ブロックは福島県のいわき秀英。2001年の開校と、まだ学校としての歴史は長くありませんが、大会での活躍をきっかけに、校内での部活動の認知度アップを狙います。
 4校1ブロックに分けての1回戦は、ランキングなどの指定された範囲内でより上位のものを答えた人に一人10ポイントが入る「ストロングアンサー」と、1チーム全員が解答を記入して初めて解答権を得られる早押しひらめき問題が出題されました。どの高校も10~20ポイント差以内という大接戦の末、都立青山といわき秀英が勝ち抜けました。

 続いてBブロック。中部・近畿ブロックから奈良県、東大寺学園。京都大学や東京大学の合格者数は全国トップレベル。高校生クイズ最多出場(26回)を誇る関西の名門校が満を持して登場です。
 同じ中部・近畿ブロックから愛知県、滝が2年連続出場。県内有数の進学実績を残す私立校は昨年以上の成績を残したいと意気込みます。
 2回目の出場となったのは、神奈川県、聖光学院。東京大学合格者数で全国トップ5に入る実力屈指の名門校です。
 こちらも名門校、埼玉県、県立浦和。東京大学合格者数では公立校上位の常連。クイズ甲子園初代王者にして4年連続出場の強豪は、出場メンバー3人とも1年生でクイズ歴はおよそ3ヶ月。初々しさが残っています。
 このBブロックも激戦。東大寺学園が1位通過を決めると、県立浦和と聖光学院が同点で2位となったため、サドンデス。聖光学院が勝ち抜けました。

 2回戦は玉入れナンバーズ。答えがすべて数字となっている問題に対し、30秒間の玉入れで入れた玉の数がチームの解答となるこのステージは、1問目を終えて、3人をどう使うか、制限時間30秒をどう使うかが鍵となる、とスタジオで見届けていた伊沢拓司。その解説をもとに、各チーム作戦会議を開いた後、問題の答えを考える、玉を入れる、籠に入った玉を数える、それぞれを役割分担する修正力を発揮します。が、ここで聖光学院にトラブル発生。玉入れが下手すぎて、狙った数だけ玉を入れることが思うようにできません。なかなかポイントを稼げず苦戦するなか、最終問題。現在日本より人口の多い国はいくつあるか、という問題に聖光学院のみが正解。実は今年4月に国連人口基金による世界人口白書2023の発表で、日本の人口はエチオピアに追い抜かれ、世界ランキング12位に後退。10か国から11か国に増えていたことを把握していた聖光学院。4校中成績上位3校が勝ち抜けとなるこのステージで3位に滑り込み。一番下手とからかわれたチームが土壇場で逆転する劇的な勝利で準決勝進出です。

 ここで敗者復活戦。2回戦で敗退した都立青山を含めた5校で一斉早押しクイズ。正解するごとにそのメンバーは抜けていき、最初に3人全員が正解したチーム1校が復活できます。ひらめき、時事、“地球押し”に果敢に挑んだ世界遺産など、東大王の通常放送でも見られる問題が多数出題され、3校がリーチをかける大接戦にもつれるなか、ウイニングアンサー、丹下健三を決めた都立西が勝ち上がりました。

 聖光学院、東大寺学園、いわき秀英、敗者復活枠の都立西の4校で行われたのは、難読漢字すごろく。各チームがサイコロを振り、出た目の数だけマスを進み、止まったところの漢字を読むというもの。漢字の実力は無論、運要素も入ってくるこのステージ。5周目でいわき秀英が全員脱落となり、ステージ敗退。

 ここからは生放送パート。勝ち残った聖光学院、東大寺学園、都立西の3校で、前半筆記7問、後半早押しの決勝戦を行います。筆記問題は一人正解で10ポイント、チーム全員正解で30ポイント獲得が可能。前半の筆記終了時点で東大寺学園がリードします。後半の一斉早押しは当日の新聞番組欄を使った問題など、生放送らしい出題形式もあり、10問を消化。9時50分を回ったところで、最後の一問を出題。最終結果は東大寺学園が逃げきってクイズ甲子園初優勝。東大寺学園のメンバーは、前日に本州に上陸した台風の影響で新幹線が遅れたため、全員バラバラで東京に到着。夕飯を食べていない状況だったにもかかわらず、終始安定的なパフォーマンスを見せつけました。
 個人的には、残りの放送時間が少ないなかで、優勝した東大寺学園と東大王が早押しで対決するエキシビションは、少々詰め込みすぎたせいで盛り上がりに欠けてしまうようにも見受けられました。それでも、高校生たちの真夏の激闘は今年も見応え十分でした。

 しかしこの時、生放送にも出演した番組MC、ヒロミが、8月26~27日にかけて放送された『24時間テレビ』(日本テレビ)のチャリティーマラソンのランナーとして走ることなど、視聴者はもちろん、番組出演者、スタッフ誰一人として知るよしもなかったのです。

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