味わい深いお年頃

「ありのままを受け入れる」というのは、受け身の体勢とはだいぶ異なる。真逆と言ってもいいかもしれない。

むしろ、自ら積極的に現状を引き受ける、そうするしかない、と覚悟が決まるのがまさに中年という感じで、これは清々しくて潔い心地がします。

少し前の自分は、失われてゆく若さに囚われていて、今考えるとなんだか愚かだったな...と気付けるのもやっと最近です。

誰かの意見に「これこそが！」と答えを見出せたような気になった時もあったけれど、それらは全て他者からの借り物だったなと思ったり。。

ならば、自ら普遍的な何かを手に入れるにはどうすればよいのか？そもそもそんなものはあるのだろうか？

そうしたことをぐるぐると考えたり、考えが深まってくるのも最適な年頃だと感じています。

また、考えていたことと体験が重なって、ハッと気付かされることも多くなって、掴める “何か" はあるかもしれない、と感じられる時もあります。

それに、結構自分の直感は頼りになるし、だいぶ自分自身を信頼できるようになりました。これはとても嬉しいことです。

批評家の若松英輔氏は、かつて日本人は「悲し」を「愛し」「美し」と表現したと言います。

昨今、随分と年老いてしまった両親を目の当たりすると「あぁ〜本当にそうであるなぁ」と言葉の深さを体感し、しみじみと物想いにふけるこの頃です。

気がつけば齢52歳の私は、中年真っ只中。

人生の仲秋から晩秋へ向かい、思ったよりも中年は味わい深い季節だと感じています。

quirk of Fate (クァーク オブ フェイト)
“不思議な運命の巡り合わせ” の意味

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