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記事一覧
三途の川はまだ渡れない~タントラマンへの道(第7話)
まだ死ねない理由
人は、死を間近に感じたときにどのようなことを思うのだろうか?
もちろん、個人差はあるのだろうけれど、本当に死にそうなときには人生の走馬灯が見えるというのはよく聞く話だ。
では、死に際よりはう少し余裕があって「死んでたまるか!」と頑張っている最中はどうなのだろう?
自分の場合は、胸の傷が痛すぎるためにごく浅い呼吸しかできない状況下で人工呼吸器から勢いよく送られてくる高濃度酸素の空
お化けが見える!? ICU症候群~タントラマンへの道(第6話)
脳内劇場
全身麻酔から意識を回復して以降、今度は逆に全く眠れなくなってしまい、眼を閉じれば変な動画が繰り返し繰り返し勝手に流れるし、眼を開ければ今度は、何も書かれていないはずの白い壁に何やら文字らしきものが書かれているように見えたりする。
それは、漢字かハングルか? のようにも見えるのだがよく見ると見たこともない文字なので、全く意味は分からない。
そうかと思えば、眼を閉じると現れていたアニメのキ
臨死体験の記憶~タントラマンへの道(第5話)
幻覚!? それとも臨死体験(の記憶!?)
全身麻酔が75時間ぶりに解けて意識が戻ってからは、今度は人工呼吸の苦しさに悩まされることとなり、全然眠れなくなってしまった。そして不思議な現象に気づくことになったのだ。眠ろうと思って目を閉じても、眼を開けているのと同じくらい鮮明な景色が見えるのだ。元来、視覚的なイメージを想像する能力が乏しいとの自覚があり、心理学などで行われるイメージワークは苦手だったの
苦しみの人工呼吸~タントラマンへの道(第4話)
息が苦しい!
もう一つ苦しかったのが呼吸だった。気管に挿入されていた管の代わりに鼻に被せるタイプの人工呼吸器に変えてくれたのだが、これが想像していたものとは全然違っていたからだ。映画などでこのタイプの人工呼吸器をつけているのを観ていた時には、これを付けることで呼吸が楽になるんだろうな~、と想像していた。ところが、実際に体験してみると、そんな想像とは真逆だったのだ。空気が強制的にかなりの勢いで送ら
水死体のような姿に変貌!~タントラマンへの道(第3話)
まるで土座衛門!
人工呼吸の管を外した後に声が出にくくなる可能性があるのは事前に説明を受けており、時間の経過とともに治るとのことだったのでそこまで心配はしなかった。それよりも、自分の手を見たときの方がビックリだった。なんと、パンパンに腫れあがっていたのだ。まるでゴム手袋に空気を吹き込音で脹らませたかのようだったのだ。色もまっ黄色! 黄疸だ!ということは、肝臓に相当な負担がかかっているのだろうか?
心臓手術の後遺症~タントラマンへの道(第2話)
手術の経緯
水曜日の朝一番で始まった手術は予定通り当日の夕方には終わるはずだった。実際、夕方には終わりICUに移動したらしいのだが、そこで、なんと!内部で出血が止まっていないことが判明したのだ!レントゲンを撮ると肺が真っ白になっていたらしい。これは肺に水(血?)が溜まっていることを意味するのだとか。他にも、移植用の血管を採取した左脚の内部でも出血は続いていたという。そこで緊急で再手術ということに
心臓手術失敗!? 下半身不随の恐怖 ~タントラマンへの道(第1話)
下半身麻痺!?
「タントラマン! 死んじゃダメ! 立って! 地球はまだあなたを必要としているのよ!」
ってな感じで声をかけられたかどうかは定かではないが、眼が覚めた。「良かった~! 意識が戻って~!」と女性の声。若いナースだった。そうだ、オレは心臓冠動脈バイパス手術を受けたんだった。「あ~、良かった! 助かったんだな~。」と安心したのも束の間。「えっ!? か、身体が全然動かせない!」「もしかし