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収入増のためにできること - 転職・副業・投資など5パターン検討

こんにちは、てんちょーです。

最近色々と人のキャリアについて話を聞くことが多いのですが、今日は転職をテーマに語ってみたいと思います。


何のために転職をするのか?

個人的に話を伺っていて良く思うこととしては、「転職の目的がどこにあるのだろうか?」ということです。

何となく今の職場に不満がある」から「転職」したい—。
このパターンに当てはまる人は、決して少なくないのではないかと思います。

しかしながら、気持ちが先行しすぎてしまい、今の仕事の何に具体的に不満を持っているのか、冷静な視点で考えることはできていない場合が多いです。

転職したからと言って、自分の年収が大きく増えたり、急に周りに自分に好感を持つ人が増えてちやほやされたり、というわけではありません。

よって、まずは転職する前に「自分の何に不満・不安があり、どう変えたいのか」を考えていきましょう。

何に不満・不安を持っているのか?

DODAの転職理由ランキングの調査によると、転職理由は実態として「(上司からの評価が伴わず)給与が低い」というように読み替えできそうです。

給与以外の転職検討理由としては、大別して人間関係/スキルアップ/業界地位/ワークライフバランスといったことが挙げられています

他にやりたいことがある、裁量のある仕事がしたいなどといったこともあると思いますが、人間関係以外のものは大部分のところ、将来および現在の収入=給与が低いまたは不安があると置き換えることができると思います。

出所:DODA『転職理由ランキング【最新版】』 https://doda.jp/guide/reason/

では、なぜ給与が思うように上がらないのでしょうか?
どうしたら自らの意思・努力で給与を上げることができるのでしょうか?

給与水準は所属業界に左右される

まず、給与の大半は残念ながら自分自身の能力ではなく、業界の利益創出効率によって大きく決まっています

商品やサービスの値付けを自分で行えるところ=競合が少なかったり、自社でしかできなかったりするところが基本的に利益創出効率が高いです。
上記に当てはまらない場合でも大企業の給与が高い理由は、たとえ1商材での利益率が低かったとしても、大きな単位で取引できている=固定費が小さくしやすいなどといったこともありうるでしょう。

この例をより詳しく見ていくと、
高年収で良く例に上がるキーエンスは、電気機器分野の中では考え難い81%の異常に高い粗利率です。
この粗利率=売上単価設定が高い≒商材または販路の競争優位性が強いということが、高い報酬の原資となっています。

※キーエンスはファブレス形態で設備導入コストが低いなど、他にも優れた点がたくさんあり、報酬が定まっています。興味のある方は触りとしてこの記事など読んでみてください。

キーエンスと東芝の違い 「粗利」8割と2割が分けるものhttps://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD10DAV0Q1A111C2000000/

参考)日本経済新聞

「じゃあ給与を上げる方法って、どこに入るかが大事だから転職しかないじゃん?」という率直な意見もあると思いますが、それは合っている部分と間違っている部分が混在しているのでは、と思います。

給与決定の構成要素

給与は所属業界に大きく左右されるところがあるのは事実ですが、それだけが給与のすべてを決めるわけではありません。

僕は給与決定の構成要素は以下のような要素に分解できると考えています。
このうち、太字の部分が個人で変えやすい部分です。

1. 所属業界の利益獲得効率
2. 所属企業の給与テーブルまたは給与配分に関する考え方
3. マネジメント力(≒管掌する人数規模)
4. 稼働時間(残業代)
5. 業績評価(賞与)
6. 職種の年収(スキル)水準

7. 勤続年数≒職能
8. 居住地域の最低賃金水準

僕が考える給与決定の構成要素

稼働時間

残業で稼ぐ、という考え自体は個人的にナンセンスだとは思いますが、少なくとも「勤怠を適切につけているか」という点では見直し余地があるのではないでしょうか。

管理監督者や異常に多い想定残業で実質残業を認めないといったわけでないにも関わらず、わざわざ過少申告して給与を減らしている人が、意外にも少なくありません

時給1,000円だったとして、月に10時間適切に申告することで、

1,000円/H×10H×割増率125%=12,500円/月×12ヶ月=150,000円/年

とそれなりの額に。場合によっては年間昇給額が上記を下回る場合も多いのではないのでしょうか。

過少申告するような方の場合、もっと長い時間を残業している場合が多いでしょうからかなりの損失を被っている可能性があります。

そもそも残業は本来、上司に指示されて行うものですが、フレックス勤務で実態がわかりづらくなることや、残業申請自体が形骸化している場合が多いかな、と思います。

しかし、超高圧・パワハラ気質や残業時間自体が評価指標になっているなどがなければ、仕事のために残業していること自体を悪くいう人はさほど多くないかと思います。

何より、自分が残業時間を申告しないことで、後任者は無駄に時間がかかって仕事ができないといった評価を負わされ割を食う可能性がありますので、勤怠は適切に報告するようにしてください。

まして、過重労働状態が続いていれば自身の健康を大きく害する結果になりますので、適切な稼働状態になるように正しく報告・回収していきましょう。

業績評価

業績評価に関しては、基本的に相対評価を基準に評価されることが多いので、周囲の人より少し上回る成果を出せれば良いのです。

「え?それができないから困ってるんだけど」という場合、自分の成果創出に対するインプット量(知識/稼働時間/工夫)が足りないかも、と考えてみてください。

そもそも、上記で簡単に最低限周囲の人より少し成果を出せばよいと書きましたが、周囲の人より確実に成果が出ていると認識できるようにするためには、なかなかの努力が必要です。

どうしたら成果を最大化することができるのか、そのために何に取り組めば良いのか、成果を最大化するための取り組みを逆算思考で考えなければただ無駄に本を読んだり、人に話を聞いたりすることだけで終わってしまいます。

それらの積み上げがいずれ何かしらにつながることはあるかと思いますが、業績を上げたいならば上司とのすり合わせ・連携や、成果創出のポイントなどの情報収集をしながら、自分なりにどのように目標達成できるのか打ち手を考えて実行していくのが良いのではないかと思います。

職種の年収(スキル)水準

これが最も悩ましいというか人を惑わせる部分で、スキル≒ナレッジは年収に明確に貢献する部分とそうでない部分があります

特に、社内でこれまで貢献してきたという自信があればあるほど、社内の給与テーブルや昇給制度が硬直的であると、同じような仕事をしているのにも関わらず、同業他社に比して自分の年収が低いと気になってしまう、すなわち昇給可能性を感じやすいものです。

僕はスキルによる年収への影響は、アウトプットにつながった業務経験≒スキルをどの程度培っているかによって左右すると考えています。

よって、ただ資格をたくさん取ってみたり、本をたくさん読んでみたりすることは知識は多く得られる一方で、勤勉であるというパーソナリティにプラスの面は得られても、業務経験を積んでいないことから直接的な給与アップにつながりにくい側面があると考えています。

また、スキルは客観評価が非常に難しく、評価者=上司や他社から見ると、明らかに特異な経験(研究成果、先進分野への対応など)がなければ多少具体的な実績があっても評価がしづらく、どちらかというと例えばマネジメントできる=多数の人員の生産性を高めることができることであるなどの汎用性が高いスキルが高い給与評価を得やすいです。

それ以外でスキルが評価される場合は現年収が高い=現職内で相応の評価を得ている場合であると、一定程度の能力が培われていると判断される可能性が高いでしょう。

要するに業績評価の話と同じで、これまでどの程度前向きに今の仕事に取り組んできたかが問われているため、結局は自分の成果創出に対する継続的なインプット量(知識/稼働時間/工夫)が重要になります。

一方、必ずしも業務経験に寄らないスキル(資格)もあります。

弁護士や公認会計士、医師といった独占業務を持つ資格であれば、給与水準を大きく向上させられる可能性があります。これは法的に供給数が限られていることから、自由参入・競争の余地が小さく、価格を引き上げやすいまたは決まっているからです。

もし自己の興味を満たすことや業務に直結する資格ではなく、不安解消のために資格を取るというなら、上記のような独占業務を持つ資格を狙ってみるのも手かもしれません。

居住地域の最低賃金水準

最後に意外と馬鹿にならないのが、住んでいる場所の収入水準です。そもそも最低賃金が異なるという事実から、どこに住んでいるかによって当然収入は変わります

以下はメドレー様が『ジョブメドレー』にてまとめられている、日本全国の最低賃金を表した図です。


出所:ジョブメドレー「【2022年度最新版】全国最低賃金一覧 & 全国ランキング」
https://job-medley.com/tips/detail/941/

基本的には関東圏および三大都市圏の都心に近ければ近いほど高くなっており、そうでなければ低いといったものです。

2022年時点で最大の価格差は219円/Hとなり、月20日×8時間=160Hの時間とすると35,040円、年間では420,480円となり目先の金額だけ見るとかなりの差が生じています。

税金や家賃などを考えれば結局どこにいても変わらないんじゃないか、という考えもあると思いますが、国内であれば食費はさほど大きく変わらない部分も多いため、単純計算はできません。

また、転職のしやすさなど、移動容易性を考えたとき、都心にいるということはメリットが得られたりします

一方で、実家に住むことで生活費を圧縮することができるといったメリットもあったり、そもそも今の居住地が好き!離れたくない!といったこともあると思うので、一概に都心が良いといいたいわけではないですが、額面年収が欲しい、上げたいということがあれば、転居=都心で転職を考えてみるのも一つの手になるでしょう。

「収入」を上げるためにできることは何か?

これまでは現職・転職に近しい形の目線で「給与」の向上余地を検討してきましたが、それ以外の方法で収入を得ることは考えられないのでしょうか?

今回は現業に追加して+4パターン、合計5パターンで整理してみました。
❶に近ければリスクが小さく、❺に近ければ比較的リスクが大きいと考えています。
この章では❷~❹のみ触れていきたいと思います。

それぞれのリスク度合い、筆者作成

❷副業

近年では日本でも副業の解禁が進んでおり、特に大手企業を中心にその動きが加速しつつあります。競業避止や各種規程に引っかかっていないかチェックしたうえで、副業であれば今の地位を失うことなく現給与に上乗せすることが可能です。

自分のスキルや経験に明確に強みがあれば、マッチングサイト等で比較的簡単な案件を受注し、実際の稼働時間や報酬がどの程度か確かめてみるのが良いかと思います。

一方、副業求人者も原則的には業務経験を有する人材を募集することが多いことから、すぐに自分が受注できる業務は実はあまり多くはありません。また、そもそも自分のスキルに自信がないこともあって、仕事を個人で受けることへの不安があるのかな、と思います。

理想としてはリファラルを中心に小さい業務を受けて徐々に業務範囲を拡大していくのが良いと思われますが、なかなかそういった案件の獲得チャンスも少ないかと思いますので、自分にとっておすすめの案件を紹介してもらえるアドバイザーつきのマッチングプラットフォームなどを使ってみるのも良い※かと思います。
(※筆者は使用したことがありませんので、残念ながら正確な情報は持ち得ておりません)}

また、モノづくりが得意であればハンドメイド商品の販売が可能なマーケットプラットフォームはいくつもあります。
勉強といって市場が存在しないところで自己研鑽を積むよりも、まずは単価を下げてても売ってみる経験をしてみると、その後の戦略・戦術が立てやすくなりますので、まずは小さく売ろうとして見るのが良いのではないでしょうか。

❸投資

自分の時間が長く拘束されるのが嫌という方には、投資をしてみるというのも手かもしれません。投資はほかの方法と比して、基本的に自己完結できることから、最も始めやすい・やりやすいのかな、と思います。

近年ではiDeCoやNISAなどの投資枠を活用できることで、税金的にもメリットが受けやすくなったことから、投資に取り組んでいる方も増えてきています。

また、昔であれば僕のような一般市民向けの投資の方法・対象物も限られていましたが、近年では多種多様な方法があり、パッと見で魅力的に感じそうなものも多いです。

ただし、基本的には投資はゼロサムゲーム※が多いので、自分の資産・力量以上に多くのお金を入れ込んでしまうような、過度なハイリスクハイリターンを狙う(もはや投機ですが・・・)ことは避けていくのが良いかと思います。
※ゼロサムゲーム:誰かが得すれば、代わりに誰かが必ず損をして変動の合計が「0」の状態になるようゲームを指す。

投資についてはリスクも相応に大きいことから、最低限のルールを理解するためにも、下記くらいの簡単目の本から読んでみるのが良いと思います。

図解・最新 難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!山崎元 (著), 大橋弘祐 (著)
https://amzn.to/3s7ZarO

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❹転職

今の業務経験や知識、時間配分を変えなくて済む、という意味ではもっとも転職がやりやすい方法に見えるかもしれません。

しかしながら、転職はもっともポピュラーな方法でありうる一方で、その実多大なリスクを抱えているものだと思います。

下図はエン・ジャパン様が調査された、転職に関するリスク調査の結果です。


エン・ジャパン「転職活動中の方の9割が、転職のリスクはあると回答。 具体的にリスクを感じていることとは…? ―『エン転職』ユーザーアンケート集計結果―」
https://corp.en-japan.com/newsrelease/2016/3349.html

転職活動自体のリスクを除けば、思っていた仕事内容と違う、給与が上がらない、自分の経験・スキルが通用しないという目も当てられない辛い情報が飛び込んできます。

もちろん、これはリスクに関する調査なのでネガティブな要素が多いわけです。
しかしながら、上がると思っていたはずの給与は上がらないばかりか、経験やスキルがマッチせず、早期離職となった結果、さらに給与が下がり続けるという負のスパイラルが起きうることもあり得ます。

僕自身、転職以外も含めて会社が3回ほど変わりましたが、基本的に転職先に満足・納得しているものの、カルチャーに馴染みづらいなと感じることはそこそこありました。

隣の芝生は青く見えると良く言いますが、転職すると意思決定してしまってからでは基本的に後戻りはできません。

自分が転職して得られるもの・失うかもしれないものは何か、きちんと整理してから意思決定をするようにしましょう

自分が本当に欲しい・必要なものは何か?

これまで整理してきた通り、転職は大きな変化をもたらす「手段」であっても、「ゴール」にはなりえません。

僕自身は転職して得られたものが多かったほうなので、転職そのものを悪く言うつもりはありませんが、ただ収入を増やしたいだけであれば転職のみにこだわる必要はないかと思いますので、自分にとって何が一番良い方法なのか、考えてみてください。

また、転職というすべての環境が変わってしまうような大きなリスクをとった中で、自分の将来的なキャッシュフローや幸福感が目減りするだけではしんどい一方です。

まずは自分にとって、何が本当の不満・不安要素なのか、心の中のもやもやを書き出して整理してみることで、転職が最適な選択肢なのかどうか、正しい判断軸を持つことをおすすめします。

転職関連の情報は本なども多数出ていますし、今は外部コーチも増えてきたので自分自身で適正に判断できる情報を集めるようにしていきましょう。

なお、注意点として自分のキャリアに関する相談を社内で行ってしまうと、自分にとって不利益な人事異動がなされたり、評価に影響することがありうるので、危険です。また、転職エージェントのみに依存してしまうと、基本的には転職することがソリューションであるため、転職に誘導される場合が多いです。
仮に転職活動をして内定を頂いたとしても、転職しないという選択肢もあります。拙速な判断をせず、自分が納得できる「判断軸」で転職の意思決定できたのか、検討してみてください。

終わりに

僕たちはメンバー4人とも転職経験者であり、かつ副業や起業経験もあるのでキャリアに関する多角的な相談に対応できるのでは、と思っています。

9月くらいを目途に、転職するかどうか悩む方々へ転職判断専門のキャリア相談サービスをリリースしたいと思っています。
もしちょっとでも上記サービスが気になる方がいれば、リリース後にお気軽にご相談いただければと思います。

それではまた次の機会に。
CEO てんちょー



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