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Book #3 MBAは1万メートルでの空中戦、地上戦を知ってこそ初めて役立つそう『タクシー王子、東京を往く』

書籍名  「タクシー王子、東京を往く」
著者  川鍋一朗
発行  文藝春秋 2008年5月30日 / 2008年8月10日(3)

eriko的要約

創業80年、売上高日本一のハイヤー・タクシー会社「日本交通」3代目社長の川鍋一朗氏が、1ヵ月のタクシー運転手体験を通して、自社の未来構築を模索するプロセスを、楽しく、ちょっとほろりと涙も誘いながら、一気に読めるエッセイとして書かれている。

慶応義塾で幼稚舎から大学まで過ごし、その後、アメリカでMBA取得、帰国後にコンサルティング会社で修業を積み、2000年29歳で満を持して日本交通に入社するも、会社の経営状態は火の車で、1900億円の負債を抱えており、その改革に奔走する。
この本は、その経営危機を克服した後に、次の30年を考えるきっかけとして、一運転手となって現場実践(川鍋氏の言うところの ”地上戦” )が記録されており、川鍋一朗氏の会社愛、タクシー愛、3代目としての自覚と誇りが溢れるラブレターのようだ。

「タクシーとは人である」
「拾われるタクシーから選ばれるタクシーへ」
「そのためには、まず日本交通が運転手さんに選んでもらえるようになる」
「俺にはみんなしかいないし、みんなには俺しかいない」

3代目として、過去に積み重ねられた『徳』に感謝しながら、自身も『徳』を積み、未来を築こうという姿には、事業規模に関わらず、後継者の立場にある人々にはぜひ、読んでいただきたいと思う。


eriko感

前職で関わった業界の経営者2代目達に、何とか会わせたい、きっと何か気づきや勇気をもらえるはず、と思った経営者は2人。
星野佳路さんと、この川鍋一朗さんだ。

なぜか。
タクシー運転手という職業の価値を、ここまで変革し、今では大卒でタクシー運転手になる人達もいるという実績から、厳しい仕事で雇用に悩む2代目達に、考えるきっかけをくださるのでは、と期待したからだ。

しかし、星野さんにはご縁をいただけたのだが、川鍋さんにはとんとたどりつけず。いまだにお会い出来ていない。

二兎を追うもの一兎をも得ず、というから、星野さんとご縁が出来ただけで感謝していたが、改めて著作を読み直すと、やはり直接お話をお聞きしたいなあと思う。
そして、2代目経営者達に会わせてあげたい。

どなたがお知り合いじゃありませんか?



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