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同じ釜の飯を食えばいいのか~家族の幻想

事業承継の経営者と後継者が、ファミリービジネスにおいては親子関係であることが多く、また、日本の企業はファミリービジネス率が高い。
ただし、だからこそ長期価値を見据えた経営がなされており、長寿企業が多く、海外からとても評価されているのです。

しかし。
親子。
事業を承継しなくても、親子関係にはいろいろですね。
その上、「父」「母」と「子」プラス「経営者」と「後継者(社員)」という複数の役割が、24時間の中でめまぐるしく流動的に変化していって、それがお互いに合致していればいいのですが、そんなにうまくいきませんよね。ほぼ、お互いの役割変化ポイントはずれていると言ってもいいでしょう。

「今から言うことは「父」として言うよ」
「これは「後継者」としての意見だけど」
などの枕詞が毎度つけば良いのですが、おそらく皆さん「そんなこと言わなくてもわかっているはず。家族だから。」と思っていませんか?
思っていなくても、無意識にそういう行動様式になっているのではないでしょうか。

他人同士の集団であり、伝えなければわかりあえない前提の企業組織で、言葉を尽くしても(つもりも多いですが)、伝わる率は20%程度です。
しかし、この打率があがっていく方法のひとつが「家族になる(あくまで比喩)」だという幻想が根強く日本企業社会にあるのではと考えます。

皆さん、ノーサイドゲームというドラマをご覧になられましたか?

リーグ最下位の企業ラグビー部をリーグ優勝まで導く熱いドラマは、ラグビーワールドカップ開催年もあり、大変人気を博しました。

その中で、優勝への道筋で、大谷亮平演じる柴門監督が合宿を通じで創り上げたチームワークが「家族になる」ことでした。
言葉にしなくとも、サインを出さなくても、テレパシーのように通じ合い、それがスピードとライバルの予測を裏切るプレーに繋がり、強さとなる。
リーグ最下位だったチームが、選手層では決して恵まれていないメンバー構成の中で、あ・うんのチームワークで勝ち上がっていくシーンは、感動を呼び、私も涙しました。

前職企業の先輩で、人材育成に長け、尊敬を集めるKさん。
私にとっても、大好きで尊敬できる数少ない先輩のひとりです。
彼がよく「同じ釜の飯を食わないと伝わらないものがある」と言います。目の前にいるメンバーと遠隔地に駐在している社員。同じ部下でも、同じ決断を見せ、同じ会議に参加していても、やはり空間を共有しているメンバーと比べて、なかなか伝わらない。
私はよく「いえいえ、先輩、それでは困りますよ。駐在社員も何か方法があるのではないでしょうか。」と議論をしていました。特にコロナ禍でリモートワークになり、そもそも空間と時間の共有が減っている中、益々、家族になることが難しい、ということになります。

「家族のようになること」には、重要なファクターがあるに違いありません。でも、「家族なら強いのか」というとそうではないですね。むしろ、「家族だからこそ必要以上に混乱する」あるいは「家族だからと生まれる甘えがある」とも言えるのではないでしょうか。

そろそろ、日本型「家族」運営に甘えるのは、やめませんか。
いえ、決して、日本型「家族」運営を否定し、辞めよう、と言っているのではありません。むしろそこに隠れている要素を、「家族」の幻想を超えたところで活用していけたらと、考えています。

さて。
「家族」だから、の幻想を捨て、「経営者」と「後継者」として、改めて事業に向き合い、未来へどう繋いでいくのか、「家族」だから少し照れるかもしれませんが、だからこそ、伴走者が立ち会う公式の場で、その大切な計画を策定してみませんか?

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読んでいただき、ありがとうございました。

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