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【要約】『頭に来てもアホとは戦うな!』を読んだ上で、積極的にアホと戦う

アンガーマネジメントという言葉を聞いて久しいですが、
怒りは予防するものではなく、価値観を探すきっかけになると思うのです。

アンガーマネジメントとは、怒りを予防し制御するための心理療法プログラムであり、怒りを上手く分散させることができると評価されている。怒りはしばしばフラストレーションの結果であり、また自分にとって大事なものを遮断されたり妨害された時の感情でもある。怒りはまた、根底にある恐れや脆弱感に対する防衛機制でもある。

ウィキペディアより「アンガーマネジメント」

私は、普段怒ること自体は少ないのですが、
✓優越的な地位を乱用している人
✓理不尽で他者を受容しない人
✓他人の考えを否定し続け、常に攻撃的な人
などと対峙すると、怒りのパラメータが閾値を超えてしまい、摩擦や軋轢大歓迎でブチギレてしまいます💢⚓️🦑
特に、自分の後輩に対して上記のような態度を取る先輩陣に腹が立ちます。

職場以外で最近腹がたった事例としては、蒲田駅の歩行者天国で、未就学児童が歩く道を、信号気にせずぶっ飛ばすUber Eatsの配達員には相当腹が立ちました(笑)

”腹が立った話”について、具体的な話も抽象的な話も例がいくつも思い浮かぶので、割と自分の中で「嫌いな人」や「腹が立つこと」が整理できており、腹落ちしています。腹だけに。
(以前の記事にも記載しました)

さて、そんな私が職場で起きたトラブルに例の如く腹を立てていたとき、ある同期が「一旦落ち着いてこれを読みなさい」と差し出してくれたのがこちらの本。

この本の主張は、経営戦略のように「あなたの人生の限られた資源を無駄使いするな」ということです。たった1度の人生を思い切り謳歌するための限られた財産(時間)を「アホと戦う」というマイナスにしかならない使い方で浪費してはならない。そうです、こちらは非戦の書です。

私のような「(やたら)責任感が強い」「(やたら)おせっかい」な人は、「アホと戦う可能性が高い危険人物」として紹介されていましたハハハ
権力にすり寄る行為に嫌悪を感じてアホと戦うことは無駄で、頭にきたり恨んだりすることで、本来はステップアップに使うべきエネルギーや時間を相当浪費してしまっていると指摘を受けました。
まあ、ぐうの音も出ないわけです。

頻回にアホと戦う身としては、
「なんでこんなことに首を突っ込んでいるのだろう」とか、
「自分に関係ないことに対して、ここまで怒り狂うのは正気じゃないな」とか、毎度のこと思うわけです。
本書で提唱する「どんな強者でも味方にする人たらし術」は、処世術に富んでいて、しなやかな生き方であること間違いないです。

なぜアホと戦った方が良いか

しかし私は、本書を読んだ上でも、アホと戦っていきたいと決心しました。
その理由は3つあります。

①アホと戦うと、価値観が磨かれる

怒りは原動力になります。
そして、怒りは自分自身の価値観を探すきっかけになります。

  • 最近、誰かに対して怒りを感じた出来事は何ですか?

  • 最近、どのような行動や発言があなたを怒らせましたか?

  • 怒りを感じる時、それはどのような価値観や信念が関係していると感じますか?

  • その価値観はどのようにして形成されましたか?

  • あなたが怒りを感じる時、その背後にはどのような期待や希望がありますか?

上記の質問に回答することで、大切にしている価値観、揺るがない信念を探すきっかけになります。

②アホから逃げると、自分を殺してしまう

自分の掲げる正義や信念に反する怒り(アホ)に対して目を背け続けることは、自分自身の感情を押し殺すことに繋がります。

私の場合組織コンサルタントとして、より良い組織作りを生業にしているので、隣の芝で起きたことにも目を背けず、自分の芝だと捉えて立ち向かっていかなければ、職業人失格です。
看護師の方がプライベートで急病人を発見したとき、一目散に駆け寄り、真っ先に応急処置するのと同じです。

③今だからこそアホと戦える

全ての方にとって、今が1番若いです。
脳科学的にみると、年齢が若ければ若いほど、怒ることができるのです。

怒りを感じるときに関与するホルモンはいくつかありますが、特に重要なのは以下のホルモンです。

アドレナリン(エピネフリン)
怒りやストレスを感じると、体は「戦うか逃げるか(fight or flight)」反応を引き起こします。この反応でアドレナリンが分泌され、心拍数や血圧が上がり、エネルギーが急激に供給されます。

ノルアドレナリン(ノルエピネフリン)
アドレナリンと同様に、ノルアドレナリンもストレスや怒りの反応に関与し、体を警戒状態にします。これにより、集中力が増し、反応速度が向上します。

コルチゾール
コルチゾールは「ストレスホルモン」とも呼ばれ、ストレスや怒りの状況下で分泌されます。長期的な怒りやストレスによってコルチゾールのレベルが上昇すると、健康に悪影響を及ぼすことがあります。

年齢とともにこれらのホルモンの分泌や反応が変化することで、ストレスや怒りに対する身体の反応も変わっていきます。もちろん個体差がありますが、年を重ねることで、急激なストレス反応が減少し、より安定した状態になることが多いです。つまり、怒りに対して鈍感になるのです。

[私の主張]
怒りというものは人間を人間たらしめるもので、怒れるうちに怒り狂おう

加齢とともに、アドレナリンも、ノルアドレナリンも、コルチゾールも、分泌量が減ります。
ということで、怒れるうちに、怒り狂いましょう(笑)

さて、私の主張は[『頭に来てもアホとは戦うな!』を読んだ上で、アホと戦いましょう]ですが、改めて本書の要約を記します。
皆さんも「怒りの持論」を展開してみてはいかがでしょうか!

要約『頭に来てもアホとは戦うな!』

やられたらやり返すのではなく、やられたら”やった人”を気持ちよくさせて自分のために使い倒す。この本で伝えたいメッセージは経営戦略のように、「限られた資源を無駄使いするな」ということ。たった1度の人生を思い切り謳歌するための限られた財産を「アホと戦う」というマイナスにしかならない使い方で浪費してはならない。

この本は非戦の書。「アホ」とは、むやみやたらにあなたの足を引っ張る人で、心当たりのある人。2013年の流行語「倍返し」、プロ入り直後松坂大輔の放った「リベンジ」など、日本には仇討ち文化がある。アホが許せない責任感や正義感は素晴らしいが、怒りや憤り、仕返しなどは無駄で後ろ向きなこと。終わったことにこだわってさらに悪循環に陥ることになる。

善悪ではなく真理を追求することが大事。悔しい過去に拘り、未来を犠牲するのではなく、成功するための真理に集中する。日本のような嫉妬社会ではアホが出世しやすい。能力ある人格者は出世する途中で多数のアホに足を引っ張られる可能性が高い。そのため、アホは厄介な敵なのだが、そんな敵を倒した代償が気分が晴れるというだけなんて全く割に合わない。

成功者はアホと戦わない。無駄に戦わず、戦うべき時と相手を選ぶ。戦うべき相手は人間関係で「腹を立てる自分」である。日本人は他人に関心がありすぎる。他人ばかり気にしていたら自分と向き合う時間がなくなる。戦うべきはアホと戦うなんてアホなことを考えてしまう自分のみ。

第1章 アホと戦うのは人生の無駄

ここで想定するアホは、暇で、そしてあなたへの関心がある。こうした人物にこちらから嫌いオーラを送ると、向こうの愛は憎しみに変わる。ここで決戦の火蓋が切られる。

権力にすり寄る行為に嫌悪を感じてアホと戦うことは無駄である。頭にきたり恨んだりすることで、本来はステップアップに使うべきエネルギーや時間を相当浪費してしまっている。

アホと戦う可能性がある人物の特徴は、正義感が強い、自信に溢れる、責任感が強い、プライドが高い、おせっかいである。

正義感が強い

正義感が強い人は物事の判断をするときに善悪を最上位に置く人。正義感を持つ根拠は、最後は正義が勝つと思っていること。アメリカでは有能な弁護士を雇う資金力があれば、どんな犯罪でも有利な判決に持っていけるといわれる。お金で正義は買える。正義は人の数ほどあり、正義を完璧に数値化して公平に判断するのは不可能。条理は人間が考えた勝手な幻想。

自信に溢れている

自信家が相手を論破する時ほど相手から見て屈辱的なことはない。頭は良くても、愚かな行為である。また、自信家はどんどん脇が甘くなっていく。自信を持って成功する経験が次の準備を怠らせる。

責任感が強い

責任感も一種の正義感だが、背景にあるのが自分の正義ではなく組織のためのものであるから献身的であり、身勝手な正義よりレベルが高い。ただし、自分の信念や所属組織のため、アホとは戦ってはいけない。相手を気持ち良くさせて組織のために誘導しないといけない。

プライドが高い

プライドはほとんどの場合邪魔でしかなく、功を奏するプライドの持ち方は、自分の仕事の質に対するプライドのみ。「プライドが高い」といわれる大抵のケースは、他人によく思われたいという思いが強いにすぎない。

おせっかい

責任感同様にある種の正義感で、他者を正してやりたいという気持ち。他人の喧嘩の仲裁に入るだけでなく、説教もしてしまうタイプ。すでにいい年になったアホを是正するのは難しい。おせっかいの傾向のある人は、大抵はお人好しで純粋。自分は問題解決ができると思っている。しかし、この世の中、自分がコントロールできることは意外に少ない。他人の気持ち然り、「自分がコントロールできることだけに時間もエネルギーも集中すべき」である。おせっかいほど危険なものはない。

成功する人の特徴は「自分を見失わない」ことで、失敗する人の特徴は「自分を見失う」ことにある。自分を見失わせるのが無駄なプライドである。本来であれば等身大の自分を知り、その上で達成しようと思うものを持つのが正しい目標設定。プライドは等身大の自分を見る姿勢を邪魔する。妙なプライドを持っている人は、どこかでちょっとした成功体験を持っている。人生の途上のちょっとした成功はこれから続くかどうかなんてわからない。自信を持つことは良いことだが、調子に乗ってはいけない。

妙なプライドを断ち切るには、常に等身大の自分を冷静に見つめ、そこから遊離せず、目標に集中すること。本当に戦うべきは要らぬプライドを持った自分である。褒め言葉はありがたくいただいてパワーにすればいいが、真に受けて有頂天にならないようにする。「不条理に殺された親の仇討を考える子供」のストーリーは日本では美談になりがちだが、不条理に殺された親の立場になれば、大事な人生を仇討のために無駄にして勝てるかどうかわからない決闘で恨みを晴らしてくれることに期待するより、子供の成功を願うはずだ。日々で些細な争いごとがあっても気にしないが1番である。

他者に固執する人間はタイムコストを計算できていない。自分の時間価値をわかっていない。自分の時間をうまく投資すればどれだけの価値があるのか、それを考えていればアホを相手にする時間がいかに無駄かわかる。人間に1番平等に配分され、それでいて人生で最も大切な資源は時間である。

第2章 臆病者のための戦略的コミュニケーションのススメ

コオロギの世界では臆病で戦いを避ける者が、戦闘的な者より生き残る確率が高い。むやみやたらに戦わず、体力を温存して、健康体を保っているものが生き残り、メスとの出会いをつかみとり、子孫を残す可能性が残されている。むやみに戦わない方が良い結果を生む。自己主張が激しすぎる人やすぐに感情的になる人は、ビジネスパーソンとして未熟という烙印を押される。

嫌な相手にこそやられたフリをする。相手の力を利用して、合気道のように相手のバランスを崩す。まず頭に来たときは、相手に花を持たせて、良い気分になってもらう。反撃をするガッツなど微塵も見せない。本当に自分のやりたいことにフォーカスすれば、アホにでも頭は下げられる。

メンツより実利をとる。個人のメンツのことなど周りもそんなに覚えていない。相手をうまく利用できる可能性を考える。「生意気は元気な証」なんて思わない。生意気な人間が好きな人は限りなく少ない。自分に刃向かってきた人のことはほとんどの人が忘れず執念深く覚えている。「金持ち喧嘩せず」というように、成功者は時間をかけ知恵を絞って戦わずして勝つやり方を選ぶ。

人生で1番大事な素養は忍耐力である。まず嫌なことがあってもグッと受け止めることに忍耐力を使うべき。衝突の可能性のある場合ほど、素早くその場を離れる。どうしても消えない怒りを抱えた時は、相手の動機を探る。怒りが収まらないときは、メールに怒りの返信を書く。ただし、送信せず保存して怒りが消えるのを待つ。

政界では、悪口は羽が生えて相手のところに飛んでいくといわれる。どうしても許せない行為はデスノートに書いていく。実社会では敵という発想はいらない。ライバルはいても、敵は作らない。敵や苦手と思う人は、そのほとんどが人生経験の不足が招いた勝手なイメージからくる食わず嫌いのようなものである。

きまずい時こそ、無理にでも話しかける。自分を無視するアホがいたら、そのアホに「私を無視する人がいるんです」と相談しにいく。その相談で答えた回答に沿うように、行動を修正してくれる可能性が高い。ポイントは、険悪になりそうな時ほど何らかのコミュニケーションを取るべき。過剰な深読み合戦を避ける。

戦うべき相手はアップサイドかある、つまり相手にすることでこちらも得るものがある人間だけに絞る。感情的な表現は器の小ささの象徴になる。正義感や使命感から変な人に説教しようとしない。絡まれて得はない。一目散に逃げる。それでも、一度はアホと戦った方が良い。痛い目にあわないと肝に銘じることもできない。若気の至りが許されるうちにアホとの戦い方を覚えておく。戦わないことも大事だが、時として戦うことに意義がある。

第3章 どんな強者でも味方にする人たらしの技術

頭のいい人は、世の中に掃いて捨てるほどたくさんいる。ことを成すために経営者だろうが学者だろうが、政治家だろうが行政官だろうが必要な能力がある。それは相手の気持ちを見抜く能力。この能力を持つ人が1番賢い人であり、この力さえあれば、あなたの人生は鬼に金棒である。

他者を怒らせずに戦わずに味方にして、その力を使い倒すためには、相手の気持ちを理解する力をつけないといけない。対人関係に関する行動では、どんな時でもまず相手の気持ちを考えることから始める。そうすれば、アホと戦う必要はなくなる。

どんな相手にでもリスペクトする。阿呆相手でも全く同じで、苦手な人間にはさらに丁寧に接するべきである。阿呆の欲するものを相手の立場で考えて見つけて、それと自分の利害を共通のものとする。

腰の低い人ほどできる人が多い。腰を高くするのはキャンキャン吠える。子犬と同じで肌が小さいのを隠そうとする見えっ張りな人間であり、そういう人が成功できる可能性は少ない。成功して腰が低くなる人もいる。本当の成功者になれば腰が低いことの意義がわかってくるからである。あいつ頑張ってるのに腰が低い奴だなぁとなって初めて効果倍増する。

困った人間を助けたくなるのが人情というものである。常に勝つための努力を惜しまず、怠らず、それでいて平気で困った顔をして頭を下げられる人間ほど怖いものはない。ただ困り方の程度が問題であり、その人の実力の1.5倍位困っている場合に困った顔をするのが良い。物事に一喜一憂せずに、淡々としているものが最後には勝つ。

男の嫉妬は最大の敵である。政界では若さが最も嫉妬されやすい。若いからこそ耐えることを待つこと覚える。皮肉な物の見方を鍛える。誰かの言うことを素直に従ったり、何かを無分別に信じたりする事は楽である。しかしものをシニカルに見るのは脳に良い。脳は使えば使うほど良くなる。唯一の臓器である。常にシニカルにものを見ることが脳の活性化につながる。

地位によって悪い意味で変わらないためには、相当な努力と経験が必要である。偉そうな態度が人一倍、気に入らない人ほど、自分がその身分になると偉そうになってしまうものである。どんな職業でも本人が自分を見失う瞬間に坂から転げ落ちていく。

第4章 権力と評価の密接な関係

上司の事は、10人の部下が20個の目で見ているが、上司は2つの目で10人の部下を見ないといけない。ちゃんと見てくれているという甘い考えを捨ててしっかりとアピールしていくべきである。

結果を出したいのであれば、どんな風に見えても結果を出している人には真摯に全てを学ぶべきである。相手を持ち上げるために頑張る姿勢は潔い。この世には不本意な人事異動しかない。希望通りの人事が行われる可能性は本当に小さい。また、その人にとって何が本当に最適で最高な人事なのかは配置される方にも配置する方にも完璧にはわからないのである。余計なストレスを最小限にするためには、人事に過剰な期待は抱かず、最悪の事態を想定しておくこと。人事や待遇を含めて人生で大事なのは期待値コントロールなのである。そしてどこへ行って何になろうが何か得て成長してあるという姿勢を持つ。

若手社員が会社相手に希望する人事の根回しをするなら、2つの前提が必要である。①自分が強みだと思うものは、何年も人材を見てきた人事の人間が納得する位の強みである。②単なるわがままと取られないように、自分がその部署に行けば、いかに即戦力として役に立てるか、利益につながるかを会社の立場で理論整然と説明できる。

無駄な会議を開かないための秘訣は、徹底的に情報関係者に渡すこと。
会議の目的には、会議に参加するメンバーからの情報収集もあるので、徹底的に情報を周辺に伝えておけば、「あいつを呼んでもこれ以上聞く事は無いなぁ」と思われる。

調整方の経営陣が歓迎される組織では、調整が始まる過程で権力闘争が起きてくる可能性が高い。調整とは言い方を変えれば政治である。異なる利害を調整するのが政治なのだ。そのため、調整型経営陣を選ぶ過程そのものが政治になりがちである。数字ではなく調整でリーダーが決まる。組織は調整の過程で多くの権力闘争が起こる。現場が優秀なせいで、上は安心して権力闘争に打ち込めるほど暇を持て余しているので、それこそ権力闘争に明け暮れる。他の誰にもできない仕事ができるようになれば、権力の方からあなたに擦り寄ってくる。

本当にやりたいことを実現するには、組織を動かすことが必要で、そのためには権力を手に入れないといけない。ずっと権力闘争を避けて実力である程度の地位を築いても仕事のステージが上がっていけば組織の力を借りないとなかなか良い結果が出せない。権力闘争を避け続けてきた人がいい年になって初めて巻き込まれることほど危険な事は無い。目的のために組織力を利用する必要がある。

権力闘争に巻き込まれたら、積極的に勝ち組に関与していくべきである。権力者に逆らったり嫌われたりしたら良い仕事はできない。自分の思想、信条や好き嫌いより力を大事にすることで、自分のやりたいそしてやるべきこと、仕事を成功させられる。徹底したリアリズムで、自分の仕事の出来と権力闘争で勝つであろう陣営に関与することに集中する。

第5章 他人の目を気にするな

人間は1人では生きていけないので、いろんな人とうまく連携するためには、自分の立ち位置を客観的に確認する必要がある。だからといって、他者の視点に振り回されてはいけない。あくまで他人から見た自分を意識するのである。人生は自分が主役であるべきだ。死ぬときは思い出くらいしかあの世に持っていけない。他者の視線を気にして生きていても、死ぬ時は1人で死ぬのである。

死ぬ瞬間の5つの後悔と言う本では、その中のトップとして、他人の期待に応えようとするばかりの人生ではなく、自分が本当に行きたいと思う人生を生きる勇気を持っていたかったという。今あなたが他者からどう見られているかなんて、人生の最後から逆算すればどうでもいい途中経過である。

突き抜けたプレゼンに必要なのは本気度である。
マニュアル通りのフレームワークや完璧なPowerPointが本気度を下げてしまうことがある。それよりもどうしても伝えたいものやその理由にフォーカスする。心がポッキリ折れたときに自信を取り戻すために、思い切って休む。自信がなくなる原因のほとんどは心の疲労である。自信は失うのは早いが取り戻すのには時間がかかる。ちょうど筋肉のようなものである。コツコツとトレーニングで鍛え、食事のバランスや休養に気をつけて初めて培われていく。

シリコンバレーでは、大失敗ほどレジュメに書くべき最高にクールな事は無いと言われる。失敗したことのある人間でないと信用できないし、大きな失敗ができると言う事は相当な実力がある証拠であり、またその大失敗から学べる人間であり、学んだ事はかけがえのないことだと思われる。

第7章 アホとではなく、自分と戦え!

アホと戦う暇があったら、そんなことを考えてしまう自分と戦うべきである。自分と向き合う時間を確保していれば、気持ちを荒らげる暇なくなる。人間は、環境に左右されやすい動物であるので、自分の尻を叩いてくれる環境に自ら身を置くべきである。年率10%で成長しては能力が倍になるのに、7年かかるが年率25%で成長すれば3年ほどで倍の能力になれる。そして、戦うのは、自分よりできる人材である。

自分と向き合うときには、外を歩いたり、軽くジョギングしたりする。軽く体を動かしながらの方が自分に問いかけられる。また、出張中の電車や飛行機の中も良い。本当に今のままでいいのか、本当は何がしたいのか、自分の中で1番大切なものは価値は何なのか、今全力を尽くしているか、本当にその仕事が好きなのかと問いかける。その時の表情で自分の中を知ることができる。

戦略は常に差別化優位だが、今の時代アイデアや情報はすぐに世界中でシェアされるので、時間の差別化しかない。常に人より3年先を行く。

やりたいことが見つかる以上に幸運なことはない。そして、スポーツ選手のようにやりたいことがはっきりしている人ほど、それができる時期は限られており、それができなくなった時の喪失感は大きい。だからこそ、やりたいことを見つけるより、今目の前にあることを精一杯やるべきである。


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