著者は「意識が言語の後に生まれた」と主張しています。
意識とは何でしょうか。私としては、ビッグバンが意識の起源だと思っています。ビッグバンと直結する意識を身にまとう感じです。今のところは。
彼の重要な仮説は、意識に先立って、幻聴に基づいたまったく別の精神構造があったというものです。彼の「意識」は「文字に基づく言語意識」のことでしたが、文字が発明される前の人間の心は、命令を下す「神」と呼ばれる部分と、それに従う「人間」と呼ばれる部分に二分されていたようです。
彼はその心を〈二分心(Bicameral Mind)〉と呼んでいます。
また、彼自身は「知識とは何か」と考えあぐねて……
……霊的な体験をするのだが、それを単なる幻聴としています。
さて、この書物は占いにも触れています。〈二分心〉が崩壊して「神の声」が聞こえなくなると、「神の声」を書きとめる文字が発達し、「神の声」を聞くための占いも発達しているのです。その辺りの記述を救っておきます。
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以上、言語学的制約から自由になるために。