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【読書記録】江國香織著『絵本を抱えて部屋のすみへ』に寄せて

わたしが絵本や絵を好きなのは、それが閉じられた世界であるからだと思う。読む人を引っ張り込んで一緒に閉じ込めてくれるから。

好きな絵本と言われて思い浮かぶのは「ちいさいおうち」。
ウォーリーを探せのように、ページいっぱいに細々とした描写がある絵本が好きだった。
たくさんの人たち、それぞれの生活。

あと「たそがれはだれがつくるの」も好きだった。
日が落ちていく空の薄ぼんやりした色彩。

本を読むのが好きな子供ではあったけれど、絵本の持つ魅力に惹かれるようになったのは大人になってからかもしれない。
子供の時は読み物の一つとして絵本が好きだった。絵本自体を特に好んでいたわけではない。

記憶を呼び覚ましてみると色々な絵本が出てきた。
林明子の絵本たち。ぐりとぐら。名前は覚えていないけれど、モモンガが出てくる夜の森の絵本。オバケちゃん。

オバケちゃんも大好きだった。飲むたびに味が変わる七色のジュース。

覚えている少しのあらすじと絵のタッチを頼りにインターネットで探してみると意外に辿り着く。

「どうぞのいす」
食いしん坊な私は、食べものが美味しそうな絵本が好きだった。わらしべ長者のように、一つのものがコロコロと姿を変えていくのも面白い。
人からお土産をもらったりするとお菓子を返したりするが、そんなふうに誰かからのもらいもので繋がっていくのが好き。

「バーバパパのプレゼント」
文字通り色とりどりの個性あふれるきょうだいたち。
彼らの好きなようにこしらえられた部屋も素敵だし、それぞれにぴったりの贈りものも見ていてワクワクする。

「いただきますあそび」
記憶にある中では多分1番幼い時に読んだ絵本。ページをめくるのが楽しかった。

モモンガの絵本だけが見つからないので残念。あの絵本でモモンガという生き物を知ったのだ。リスのような見た目と、鳥のような不思議な体のつくり。
横の方が長くて、縦は15cmくらいの絵本だった思う。一冊を通してずっと夜だった。真っ暗な森で、でもバッと翼を広げて飛び立ったモモンガの色彩は明るかった。

また懐かしい絵本たちを見つけに本屋さんに行くのもいいな。
絵本はなんとも楽しい。

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