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記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
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心が壊れても、立ちなおれる私って凄くない!とテイラー・スイフトが歌い上げる

♪すごく鬱状態でも 毎日が誕生日のように振る舞う♪のはむつかしいけど、
くじけそうなわたしたちを励ましてくれる歌がある(I can do it with
a broken heart 心が折れても、私はできる)

打ちのめされても立ち上がる元気をくれる映画があります。

フランス映画「トムボーイ」2011

引っ越してきた少女、ローラは、リサという少女に出会った。

リサは、美しかった。

ゴーギャンが描いたカリブ海のエキゾチックな女性を思わせた。

「周りの男の子たちとは、親しくない。いつも一人」と、リサは言った。

ローラは、リサの好きな男の子になりたいと思った。
転校生だから、今なら何にでもなれる。

「ミカエル」と名乗って、男の子になった。

リサが、集合住宅の小学生仲間を集めて、C棟のミカエルを紹介した。
知り合うために「真実ゲームをしよう」と、リサが提案した。
Q「鼻くそ、食べたことある?」
A「食べない。でも、小さい頃、食べた」
Q「おしっこは、飲んだことある?」
A「う〜ん、しょっぱい」

「じゃあ、真実の行動ゲームをしよう」
Q「リサとミカエルが噛んでいるガムを交換しよう」
ミカエルが、リサのガムを照れくさそうに噛んで、手荒い歓迎に応えた。

そして、ミカエルの試練が始まる。

サッカーでは、男の子が二組に分かれる。Tシャツ組と上半身裸の組で、敵味方が瞬時にわかるようにする。幸いにも、胸部のレントゲン検査に男の子と一緒に並んでも分からない、10歳女子の胸をしていた。

10歳女子の柔らかい身のこなしで、サッカーは合格。リサに褒められる。

水泳では、男子の水着を、親に買ってほしいとも言えない。ワンピースの水着の
下半身を切り取って、男子パンツを作った。ふくらみの足りない部分は、粘土細工を入れた。

水泳を終えて、二人で森へ入った。リサが、ミカエルの目を手でおおい、初めて
唇を合わせた。

ミカエルは、男の子になった。胸が苦しくなった。


ある日、リサが、不意にミカエルに会いたくなり、玄関ドアをノックした。
家には6歳の妹しかいなかった。
「わたし、リサ。。わたしのこと聞いてないの?ミカエルいる?」
ミカエルなんて家族はいない。妹はこわくなってドアを閉めた。

姉が帰ったので、妹が言った「リサが来た。ミカエルを探していたわよ」
姉が動揺した。
「変なことしてない?お母さんに、このこと言いつけてもいい?」と妹が続けた。

姉が妹と取引をした。
これからは、外で遊ぶときは、妹も一緒。
その代わり、姉の”男の子ごっこ”に付き合って、”ミカエルお兄さん”と呼ばせた。

「お兄さんとお姉さん、どっちがいい?」妹が、お友達とさっそく話している。
「わたしはお兄さん。リサと友だちのお兄さんは、とても強いし、やさしいの」妹は、すっかりミカエルのPR担当になっていた。

ところが、”兄自慢”の妹を、ウザイと思った男の子に蹴られて怪我をした。
それを知ったミカエルは激怒。男の子に馬乗りになって殴って、怪我をさせた。

ミカエルが、自分のために戦ってくれたこともあり、妹はとてもご機嫌だった。
食卓で「今日出会った子で一番気に入ったのは、男の子でミカエルというの」と
親にうれしそうに話し、秘密を知った天使の笑顔を姉に向けた。


夕方、怪我をした男の子の母親が「お宅のミカエル君が、うちの息子を怪我させた」と苦情を言いに来た。

ミカエルの母親は、混乱した。いったん、少年の母親を帰らせ、姉妹を問い詰めた。

「ミカエルという”男の子ごっこ”では、済まないことよ。妹まで嘘つきにして」と母親は激怒した。

母親は、ローラに女の子らしい丸首のワンピースを着せ、怪我した男の子と、好きな女の子のアパートにあやまりに行くと決めた。ローラにとって、丸首のワンピースは、裸でいるより恥ずかしかった。

嘘をつかれていたリサは、廊下に立った丸首のワンピースを無言でにらんだ。

その夜、ローラは、寝つかれず、悶々としていた。
昼間の王子様のままでいてほしいと願う妹が、静かにベッドに入ってきた。

朝起きて森へ出た。丸首のワンピースを、大きな木の枝にぶら下げた。
もう2度と着たくない。手の届かないところに吊るした。

ローラを自分の中から追い出した。

森を歩いていると「あいつ、女だったんだよ」と包帯小僧が、仲間に話している声が聞こえた。ローラは足を止めたが、少年たちに見つかり、捕まった。

「リサ、お前は、女の子とキスしたんだよ」
「気持ち悪いだろ」
「本当に女かどうか調べた方がいい」とリサに命じた。
彼女はローラの前に立った。パンツに手をかけたが、知らなくてもいい、
知りたくないとも思った。


翌日、ローラがアパートのベランダに出ると、まさかのリサが立っていた。

羽根をもがれた鳥が、木の下にいる。手を差し伸べなければと思った。

ローラの人生が変わるかもしれない地点へ、ゆっくり歩いて行った。

ローラは、ミカエルの気持ちになっていくのを、自分の中でゆっくり感じていた。


⭐️⭐️⭐️⭐️
・映像にはないのですが、鑑賞者の一人として気になることがあります。
 母親は、”男の子ごっこ”という嘘をただして、子供を躾けようとしていました。
 でも、ローラは自分に正直になるとミカエルであり、リサはそんな女の子が好きになったようです。
 地殻変動が起きて、地中の石をマグマが地表に既に押し上げていた。母親が、その石を取り除こうとしていたのは、子供に嘘をつかせるアイロニーが潜んでいたように思われます。

ミカエルを愛するリサがいて、ローラにもやさしい慈愛のあるLGBT社会で
 あってほしいと願います。

・「今までのレスビアン映画の中で、3本の指に入る」と、独立系映画批評サイト
 が称賛した。

・映画製作費は、100万ドル、興行収入は、430万ドルだった。それだけ映画
 ストーリーを支持する人が大勢いたと思いたい。

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長い文章に、お付き合いいただきありがとうございました。
「好き」をつけていただけると、とてもうれしいです。
タイトル画の題名”broken heart”©︎Fanpop.com
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ご参考までに、テイラー・スイフトの”I can do it with a broken heart"

ーー失恋後の実体験を歌った、心が折れていても、私はできる子なのーー
♪すごく鬱状態でも 毎日が誕生日のように 振る舞える私
泣いてばかりだけど 生産性は高い私 アートでしょ
心が折れていても なにかを成し遂げたとき 自分が本当にすごいとわかる♪
などと続きます

















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