スポーツにおける「準備について」

今回はスポーツにおける「準備」について
お話ししていきたいと思います。

団体スポーツをやられていた方は一度は経験あるでしょう、
「次出番あるから準備しとけよ」
って言われるやつ。。。

みなさんがやっている「準備」は本当に適切な「準備」でしょうか?中には「何を準備したらいいか分からない」という方もおられるかもしれません。


「準備」は最強のアピール

私は大学時代に学生コーチの経験しており、紅白戦という形ではありますが、「監督」の経験が何度かあります。


まずは監督目線でお話をさせていただきます。

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野球は試合に出ている選手は9人。
しかし、監督からするとベンチに入っている選手を全員計算して試合に臨みます。

なので、
「A君は代打でB君は守備要員かなぁ」と試合前にある程度使う場面を想定しています。中には
「C君は流れを変えることができる選手だからココ一番の場面で使おう」
と考えている選手もいます。

そこで例えば代打で使おうとしていたA君に
「準備しておいてくれ!」
と言って、A君がキャッチボールをし始めてしまうと
「あれ?」
となってしまいます。

「違う!代打の準備だよ!」
と一言言えば済む話なのでしょうが、監督は試合の状況や流れを読むので必死です。

そこで何も声をかけていないアピール上手のD君が自分の横でブンブン素振りをしていたら、
「A君よりD君使ったほうが結果残しそうだな」
となり、
結局「代打D君!」となってしまいます。

これはA君が自分の役割をわかっていなくて、D君が自分の役割をわかっていると監督が判断し、決断します。

これは簡単な例です。

もっと言うと「選手交代」は先発投手を変えたり、スタメンで出ていた選手を変えるので、何かを犠牲にする判断です。

なので「選手変えて良かった」と納得できる結果を求めますし、もし失敗してしまったら試合の流れが大きく相手に傾いてしまいます。

監督の判断はすごく慎重になります。
この慎重な判断を決断する時はかなりの確率で監督と選手間の「思想の一致」が判断基準になってくると思います。

これは僕個人の経験談なので一概にそうとは言えませんが、重要な要素だと思います。


準備をする時は監督の思いを汲み取る

今話したように、準備をする時には選手と監督間の「思想の一致」が重要になってきます。

ではどのようにして「監督の思いを汲み取る」のでしょうか?

それは試合の状況を読む事やチーム内での自分の立ち位置、普段の練習での監督の言動などを理解しておく必要があります。

監督は試合に臨む時に色々なことを考えます

【練習試合時】
・チーム&個人の長所を伸ばそう
・逆に短所を減らそう
・あの子を違うポジションで使ってみよう
・この子を重要な場面で使ってみたらどんな結果残すのかな?
【公式戦時】
・勝つことが大前提
・選手の長所を生かして試合を進めよう
・短所がある選手はあの場面で誰々に替えよう
・誰が流れを変えてくれる仕事をしてくれそうかな

など練習試合と公式戦の考えは別として他にも山ほど考えることがあります。
「この試合はこんな姿勢で取り組みます。」と毎回言ってくれるなら簡単ですが、それをいちいち言う監督は少ないと思います。

なんなら監督は
「言わずとも選手はわかっているもの」
と捉えている監督も多いと思います。

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ここまで長々と監督目線の話をしましたが、「準備」をするにあたって「監督の思考」を汲み取ることが本当に重要になると思っています。

監督の思考=チームの方針


ですので・・・。

なので監督の思考を汲み取れていない選手は「間違った準備」と言うものが起きてしまうのだと思います。

まずは監督の思考(チームの方針)を理解する

これがどんな準備をしたらいいか、どんな場面で出番が回ってくるのかを自分で把握できるようになります。

そして、試合が進んできたら
「あ、そろそろ出番かな。監督に何も言われてないけど素振り(キャッチボール)してこよう」
と自ら準備を始められるようになり、
初めに例に挙げた「アピール上手のD君」の様になれます


自分の役割を理解した準備

ここまでは「監督」と言う人間に対してのアピールを込めた準備の話ですが、ここからは「自分」の準備についてお話ししていきます。

試合に出るにあたって、代打や代走、守備交代、もしくはスタメンで出場するなど色々な場面があると思います。

全てに共通する「準備」はあります。

それは
場面を想定し、様々な可能性を考えておく事
です。

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例えば、
9回0-3で負けている場面。
二死満塁打者が投手。
代打で自分の名前が呼ばれました。次の打者は4タコしていて期待できない。

皆さんはどんなことを考えますか?どんな準備をしますか?

肉体的な準備(素振りなど)はもちろん、どんなことを想定して打席に入るでしょうか?

「監督は長打を期待しているな。
じゃあ大きいの狙っていこう!」

ではまだ薄いです。


もし私がこの場面で打席に入るとしたら、

「長打が欲しい場面だな。この投手は変化球が高めに浮いているからそれを狙っていこう。もしストレートや低めに変化球が来たらツーストライクまで見送ろう。ツーストライクになったら全球種長打狙うのは無理だから何とか塁に出れる様に努力しよう。あ、変化球はどんな軌道なのかな?打席に立った打者に聞いておこう。」

ここまで考えると思います。
「自分は打席で考えると打てないから」や「打席の中ではいつも考えてることがあるから」
と思っている人もいるでしょう。

しかし、これは準備の話です。打席に入ったら来た球を打つ。
それが良い結果であろうがなかろうがこれを想定しておくことが重要です。

野球は確率のスポーツなので、その確率をいかに高くできるかが勝負です。その確率が高い選手の程、良い選手です。

打率、守備率、防御率etc・・・この確率を上げるためには「想定」しておく事が重要になってくるんじゃないかと私の野球人生で感じました。

補足ですが、私が守備時に考えていることは
・打者の傾向
・打者の走塁能力
・投手が投げる球種
・他のポジションのポジショニング
・グランドの荒れ具合
・この打球が来たらどこに投げる

他にも場面によって考えることはありますが、最低ここまで考えるようにしています。

この「想定」があるからこそどんな打球にも対応することができ、いいプレーをすることができる要因だと思います。


結局準備って何?

ここまで話したことをまとめると、

・準備はアピールのポイントになる
・準備をするためには監督の思想やチームの方針を理解する必要がある
・準備(想定)しておけばイレギュラーに対応でき、確率が上がる

この3点の他にも「準備」はたくさんあります。
キリがないので重要な部分だけ取り上げました。

不安要素を少しでも減らす

これが「準備」の根底だと思います。

みんなさんも是非、参考にしていただければなと思います。

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山口大輔(24)小中高大と硬式野球チームに所属。2013年春甲子園出場を経験。大学では東都リーグ1部にて出場経験あり。ポジションは内野手・投手。現在は軟式野球チーム「クーニンズ」で日本一を目指す。