スマホでできないことの価値が高い。
Voicy No.0234 2022年11月2日放送
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何でもスマホでできる時代になると、価値が上がるのは「スマホでできないこと」です。リアルの場で「わざわざやること」に、どうしたら特別な意味を持たせられるでしょうか。
振り子の原理
物事は片方だけには行かずに、もう一方にも進みます。振り子が右に大きく動いたら左にも大きく動くし、右に小さくしか動かなければ、左にも小さくしか動きません。逆方向に見える対極の事柄が、同じように動くことがあるわけです。
いま食の安全性が叫ばれていますが、ウーバーイーツで一番頼まれているのはマクドナルドだそうです。「健康志向の高まりによって世の中の人たちは」といっても、ファストフードはめちゃ売れていて、マクドナルドは利益がすごく出ているというのが振り子の原理でもあります。
オーガニックや体に良いものが選ばれていても、世の中の流れとして片一方だけに行くことはないのがものの原理。価値が高まるものが出てくると、その逆もまた価値が高まるというわけです。
電子手帳からスマホの時代へ
今の時代に顕著な傾向どころか、地球上を全部変えてしまったのはスマホでしょう。
30年~40年前は、パソコンをいじるのは特殊能力がある人といわれていた時代がありました。そのあと携帯電話が出たときも「携帯電話なんか要るか」と言われたものです。
スマホの一歩前に、電子手帳というものがありました。
日本のメーカーだとザウルス(Zaurus)、海外ものではパーム(Palm)OS、ソニーはクリエ(CLIE)という今のスマホのようなものを出していて、手のひらに乗せられる電子手帳としてスケジュールを管理するものが発売されています。
オレは紙の手帳もデジタル手帳も使っていました。
当時といっても20年ぐらい前ですか、それをビジネスシーンで出すと「ハイテクですね。でも、そんなのより紙のほうがいいでしょう?」と言われたりしていたわけ。
オレも若かったので、いじられると、よせばいいのに「いやいや、こういうデジタル手帳で管理すると……」と語ったりしたものです。
今思えば「ですよね~」と笑って済ましたほうがよかったのに、「絶対使わないわー」という人を説得したりしていました。そういう時代だったのです。
スマホは今や全員使うほど普及していて、アマゾンの部族までスマホを持っている状態です。出始めの頃は世界中に行きわたるとは思わなかったけれど、スマホとネットが地球を変えてしまいました。
スマホさえあれば住まいも探せて、娯楽も消費も手続きもまあまあ全部できる。
スマホやタブレットさえあれば、全て満たされる時代が来てしまったのです。
コンビニに冷食が増えるワケ
もう一個、時代の流れで考えると日本では特にコンビニです。
コンビニとかスーパーの関係の企画で仕事をしていると、冷凍食品をテコに家庭のキッチンを取りにいこうとしているのがわかります。
コンビニの登場で冷蔵庫を小さくしていき、飲み物はその都度買えばよくなりました。
コンビニの冷蔵庫が家の冷蔵庫化したので、家の冷蔵庫に10本も20本も用意しておく必要がなくなってきたのです。
今ではスーパーとかコンビニが、さらに取っていこうとしています。
だんだん家で調理しなくなってきているのは、冷凍食品のクオリティーとおいしさが上がっているから。コンビニとスーパーの冷凍食品が家のキッチンを代替わりして、調理をしなくさせようとしています。
コンビニに悪意はありません。
家で調理しなくても、コンビニに行って冷凍のものを買ったら早いとしようとしているからで、今後ものすごく冷凍食品棚が増えていくことでしょう。
ちなみに、減っていくのは雑誌コーナーです。
そもそも売上への貢献は少ないから「雑誌コーナーは要るのか」となっていて、雑誌コーナーを減らして冷凍庫の数を増やしていきたいのです。
ただ、外から見たときに、コンビニはガラス張りじゃないと入りにくい。
そこで雑誌コーナーを置くことで、立ち読みしている人がいると人が安心して店舗に入りやすくなるという心理効果を狙って、今のレイアウトになっています。
ずいぶん長くなりましたが、ここまでが今日の前提です。
「リアル」が価値を生み出していく。
スマホとコンビニで何もかもできるようになって考えるべきは、
商売において「スマホやコンビニができないこと」。
これから価値が高くなっていくのは、空間とかリアルな場所で、わざわざやることです。リアルの価値は、その逆に上がり続けるわけです。
オレはよくコテツゼミの勉強会の方々には、「リアルな集いとかイベントをやってください」と言っています。
地域も含めて、お祭りの価値は上がります。
今はほとんど集まらなくて済んでいる状態だから、わざわざ集まることに価値が出てくるのです。
今後のビジネスに入れたい3要素
これは本当にどうでもいいミニ情報ですが、オレはオフィスとは別にアトリエを持っています。全てのお客様には無理ですが、お呼び立てしてお越しいただいたらお茶をいれておもてなししたくて、急須を買って準備しています。
大企業に行ったらペットボトルの水ぐらいで、今はお茶なんか出してくれませんからね。オレのしゃべりはVoicyで聞けるし、しゃべらないでお茶だけいれていようかなと思っているくらいです。
おととし(2020年)ぐらいから、「ビジネスに絶対入れてほしい要素」を3つ言っています。
「アート」「エンターテインメント」「コミュニティー」です。
ご自身のビジネスで「わざわざやること」にどれだけ特別な価値を付けられるか、考えてみてください。
以上、久々野智小哲津でした!
久々野智小哲津
二十数年にわたり、のべ7社ほど(8社目準備中)会社を経営。ITの会社を大きく成長させた後、新規事業でさまざまな事業を立ち上げ、フランス、イタリアを中心にヨーロッパからブランドを日本に持ってきたことをきっかけに、ブランドづくりができるようになった。
海外ブランドの日本進出や、日本国内の会社、サービス、商品、人(タレントさん、議員さん、スポーツ選手など)のブランドプロデュースにも関わっている。
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