見出し画像

自分が優秀な消費者になることを。

Voicy No.0078 2021年11月22日放送


とにかくよく飲み食いする社長

1週間の中でほとんどがクライアントとか
自分が関わっている事業の打ち合わせです。
人と会って話すことがほぼ大部分。

あとは企画をつくったり
コテツラジオでしゃべったり
コンテンツをつくる部分がありますが
人ともまあまあ会っている。

1週間のうち2件か3件
既存のクライアントや自分の関係のブレーンの方が
「ちょっと会ってみてください」という方と
会うことがあります。

それがお仕事の依頼になる場合もあるし
協業で何かビジネスをやる場合もありますが、

この収録の数日前に会った方が
CÉ LA VI(セラヴィ)という
世界的レストランのオーナーでした。

CÉ LA VI 東京は
渋谷フクラス(東急プラザ)に入る
リゾート型レストランです。

東京の他にも有名なのがドバイとシンガポール。
これは旅行で行ったことがある方が
いるかもしれません。

あとは上海と台北にもあって
世界で5店舗展開している
かなり大きめのリゾート型レストランです。

CÉ LA VI 東京の社長と話をする機会があり
一緒にお仕事することになりました。

このレストランは、
ミシュランで星を取って
料理のうまさだけを追求する
レストランではありません。

来てもらった人の気分が高揚して
ハレの日とケの日
日常と非日常でいうと非日常で
楽しめるレストランを目指しているのです。

驚いたのが2021年10月の売上が、
オープンして2年で
月間売上の更新をしたということ。

これはすごいよね。

コロナ前の2019年にお店をオープンし
コロナの打撃を受けても、2021年10月の売上が
月間売上記録を更新したのです。

CÉ LA VI 東京の社長と話していて
すごく顕著なのは
とにかくよく飲み食いしていること。

CÉ LA VIはナイトクラブの性質もあるので、
その方はホテルやリゾートの立ち上げもやっている
プロフェッショナルですが
いまだにお店で
遅くまで飲んだりするときもあるのです。

当然、経験も重ねていらっしゃるので
若い社長さんではありませんが、
いろいろな所に行って飲み食いしているのが
話してみて感じたところです。

今はデータが重要だとか、
何が売れているかSNSでわかる中で、
お客さんや取引先も含めて
かなりいろいろな所で飲み食いしているのは、
一見無駄そうで効率からいうとすごく悪い。

けれども2021年10月に売上記録を更新している。

それはデータで見えてこない、
今ウケているものという感覚が
とても鋭いからだと思いました。

「コテツさん、今後こういう企画を
一緒に手伝ってください。
自分たちだけよりももっと新しくて
面白いことをやりたいので」
というように
なかなか感覚的に磨かれています。

消費者の行動を体感する

今日のタイトルでも言っていますが
ビジネスをやったり
ブランディングしてブランドにしたい人は
消費の現場に行って
自分が消費してみることです。

消費者に興味を持ち
消費に興味を持ち
自分自身が優良な消費者であることは結構大事です。

競合や隣接業種のところまでも
足を運ばない人がいます。

お客さんはどんな顔をしてうろうろして、
どんな顔をして商品を見て、
どんな感覚なのか。

俺は家電のブランディングをやっていたときに、
家電量販店に休みの日に行くわけです。

お客さんに接近するわけにはいかないけれども
一定の距離を取って
同じように商品棚や商品が並んでいるコーナーに行くと
会話がなんとなく聞こえてきます。

そんな1組、2組の
購入者の会話を聞いているぐらいなら
データで見たほうがいいよというのはわかります。

でも、これはorの問題ではありません。

データで購買行動を分析することが重要なのか。
実際に、売り場でお客様が何に迷って
どんな会話をしているか聞くのが重要なのか。

どちらが重要かという
orの話をしたがる人が多いですが
orではなくてandでいいわけです。
両方やったらいい。

消費者と同じような行動を取ってみている人は
意外と少なかったりするものです。

これも当然ですが、
中小企業や個人事業主でビジネスをやっている人が時間的な余裕がなかったり、
立ち上げたばかりでお金がないときは
経済的余裕があるのかというのが
大きいのはわかります。

自分が前に接していて
大丈夫かなと思ったことがあります。

健康関係のサロンをやっているオーナーがいて
その方と話しているときに、
女性のメンテナンスデーのことが出ました。

休みの日にまつエクに行って
ネイルに行って髪をトリートメントして
エステに行って帰るみたいなことです。

女性はうまく月1回か2回、ほかのことを入れずに
メンテナンスデーとか美容デーにして
いっぺんに回るのをやっている人は多いです。

「健康系のサロンをやっているなら
メンテナンスデーのメニューというか
一日で回るところに加われるかは大きいですよね」
みたいな話をしたら
男性経営者だったので、ぽかんとしていました。

「そんなふうにお金を使うんですか」
「いや使いますよ」ということですが、

今の消費者の実際の行動を体験体感し
肌感覚としてわからないのは結構難しい。

それが健康関連サロンの社長さんだったので、
これだと、そういう評価とか消費の行動に
なかなか入れてもらえないのではないか
と思いました。


他業種・業態の店を見に行く

飲食店をやっている方に「あるある」ですが、
飲食店を立ち上げたオーナーシェフとか店長さんは
朝は仕込み・仕入れがあり、
ランチがあり、ディナーがあり、片づけがあり
稼働している時間が長いです。

すると疲れてしまうのもあるでしょうし
時間とお金の問題が大きいと思いますが、
ほかのところに食べに行かなくなったりするのです。

これはもう、めっちゃあるあるですよね。

聞く限り、飲食店をやっている人がおいしいところ
楽しいところ、新しいところに行かなくなる。

できれば
自分のやっている業種業態ではないところも
見たほうがいい.

ですから健康系のビジネスをやっている人も
飲食店をやっている人も
エンターテインメント
――お芝居とか謎解きとかミュージカルとか
話題のエンタメには行ったほうがいい。

結局カテゴライズしているのは
やっている側だけなので。

でも、それもなかなかやりません。

データで見えてこないもの

消費者としての感覚が鈍ってくると
ビジネスをやる側としてのアイデアとか
感覚調整がうまくフォーカスが合わなくなります。

データだけでは全然わからないものです。

俺は町歩きしながらいろいろな所を見に行きますが
メガネ・サングラス業界は
今ZoffとかJINSとかの
5000円中心でメガネ界のユニクロを目指して
価格帯勝負をやっているところと

3万~5万円の店との両極が
都心部では見受けられる状態です。

3万~5万の
メガネ・サングラスを置いているところというと
例えば金子眼鏡店、オーマイグラス、
サーカスというブランドやパリミキなどです。

これよりももっと安い価格帯には
ユニクロの1500円が入ってくるけれど
それも気にはなるから見に行きます。

けれども、Zoff、JINSに行って5000円ぐらいで
まあまあオシャレなサングラスを買おうする人と
3~5万円のブランドメガネ
サングラス店に行く人が
同じ人かどうか俺は気になるのです。

都心部であれば
両方結構歩いて行ける距離にあるから
ZoffやJINSを見た人がオーマイグラスとか
金子眼鏡店とかパリミキにも行くのか。

検討段階において5000円と
3万~5万のところを見比べているか
めちゃ気になっているのです。

となると、もう行くしかないじゃない?

今言った中の社長と
自分は親しくさせてもらっていますが
それを聞いたらやぼでしょう。
「データ上はこうです」なので。

では、
5000円のサングラスと3万円のサングラスで
価格差6倍を
ZoffとかJINSに行って
そのあとオーマイグラスとかパリミキに行って
デザインが気に入れば
6倍の価格差を関係なく選択しているのか。

それとも価格差を
もっと違うところで見ているのか。

仮説ですが
1人で階に行くときはZoff、JINS。

デートで一緒にいる人とごちゃごちゃ言いたい。
デートの思い出購入のときは
オーマイグラス、パリミキ、サーカス、パリミキに行っていいものを一緒に選ぶ。

購入行動とか、一緒にごちゃごちゃ言うとか
似合うねとか言うドラマも含めて
買っているという仮説がある。

そうすると自分は消費者として
そういう両方の価格帯のところをうろうろして
俺もそれを両方とも買ってみるのです。
接客も受けてみるのです。

なぜやっているのかというと
俺はブランドと商売のプロなので
感覚的に理解しておきたいから。
自分は積極的消費者なのです。

これはデータで見えてこない感覚的なものなので
競合している人が何パーセントかというのは
つかめません。

だから流行っているお店に行ったり
長く続いているお店に行ったり
売れているものを見に行ったところで
結局、自分の感覚にしか残りません。

でも最終的に購入する消費者は
データでは買っていません。

自分自身が優良な消費者になって
そういう所に行って物を買うことを怠ってしまうと
感覚的にウケている、ウケてない
はまってる、はまってないのが
わからなかったりするのです。

でも意外とやってない方が多いかなと思っています。

以上、久々野智小哲津でした。

* * * * * * * * * * * * * 

このコラムは、
コテツがVoicyの「ブランディングと商売の話」で語った
内容を文章化し加筆したものです。
Voicyアプリをダウンロードして『コテツ』で検索、
無料で聴けます。

上の音声はこちらからどうぞ。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?