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ファンになってもらうために、感動や依存させないように話す。


Voicy「コテツのブランディングと商売の話」コラム
読めばブランディングができて商売が上手くなる

このコラムは、コテツがVoicyのブランディングと商売の話で語った内容を文章化し加筆したものです。
Voicyアプリをダウンロードして『コテツ』で検索、無料で聴けます。
Voicyもお聴きください。

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本文の前にお知らせです!

7月にご参加可能なイベント2つ

1.トークショー
日時:2022年7月29日(金)19時
場所:渋谷近辺
費用:有料
申し込み方法と詳細は後日発表

クローズドな場で、今の時代に合ったブランドづくりと
商売の今の重要ポイントについて話します。


2.小哲津の会話飯会
日時:2022年7月12日(火)19時
場所:渋谷近辺
費用:参加費無料、食事代実費(約5000円)のみ

こちらからエントリーすると、抽選で参加できます。
https://forms.gle/dcJ4okxsPsUwpyzM7

※ 小哲津ゼミに参加を真剣に検討している方は優先します。
 エントリー時に銘記してください。


小哲津のグルコンとゼミに参加している3~4人と、Voicyのリスナーの中から2名を呼んで、合計6~7人でご飯を食べます。
今後もやるかわかりません。

ビジネスの深い話も、ブランディングでも、しっかりとした相談事でも構いません。小哲津にも、Voicyリスナーさんの現状を知って、今後も意味のあることを話していけるメリットがあるので、実費だけお支払いいただいて食事しましょうという会です。

https://voicy.jp/channel/2089/343912
(2件のイベントについて語ったVoicyです)


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Voicy No.0055 2021年10月12日放送
ファンになってもらうために、感動や依存させないように話す。


相手を感動させる話し方。

いい話し方ってなんだろうと日々、考え続けているんです。
いい話し方という問いは、目的をどこに置くかによって変わってきます。

俺はそもそも仕事としてのスタートが営業マンでした。
体育会系のバリバリの営業会社。

持ってきた契約書の枚数で神様か奴隷か決まるぐらいの仕事を社会人として初めてやったので、相手を丸め込んででも即決させ、その場で決済を取ってクロージングをかけてくるという競技にまず参加しました。

そうすると、1時間半か2時間の商談で、その場で即決するのが良い話し方になりますよね。

当時、先輩や上司に散々指導されました。
俺もまだ世の中を知らないから、商品が良いか悪いか、相手にニーズがあるかないかよりも、丸め込んで契約を取るというのがすごいと思っていたし、営業の話法でやっていたところがある。
というか、それしかない!ぐらいの感じでやっていました。

営業的にいい話し方というと、イエス・イエス話法とかイエス・バット話法。あとはフット・イン・ザ・ドアといって、ドアに足を入れてドアを閉めさせるなという比喩表現ですね。

本当に「それをやれ」ということに限らず、絶対動かせない話を相手に進めていくことにポイントを置いて、そこからセールスしては相手にクロージングをかけられるように有利に進める。

例えば「人生で健康って大事じゃないですか」みたいな話をすれば、イエスとほとんどの人が言います。そこをテコに「先ほど健康が重要って言ってたので」ということで、ある商品に結び付けていくやり方があります。

俺は、仕事は真面目なもので、当時サラリーマンとして営業成績を上げてこいて言われ、営業トークを学びました。そうなると詳細に準備して、クロージングをかけて、申込書にハンコをついた契約書を会社に持って帰ることに特化していたから、俺はそのときはその話法がうまかったと思います。

そのあと会社を始め、仕事が移り変わる中で、最後にファンになってもらうための話し方に行き着きます。

今クライアントと話していて思うことの前に
自分の変化を話したいです。
良い話し方って違うよね、というところです。

会社を始めたら
社長が社員を引っ張っていかなければいけません。

そうするとリーダーっぽいしゃべり方になるんです。

「俺たちがやっていることは、社会に対してこういうふうに意味がある」みたいな大義名分、今の言い方ならパーパス(目的)みたいなものを置く。あれもテクニックの部分があると見ています。

経営者が「お金を稼ぐために頑張ろう」だけで引っ張りきれない部分では、ある程度別なものも伝えていかなければいけない。なので、ビジョンとか未来とか社会での関わりをしゃべることになってくるのです。

自分は会社を経営し始めて26歳~30後半ぐらいまでは、成長企業の経営者という生き方だったので、そこではリーダーシップを発揮するしゃべり方がいい話し方でした。

そのあと事業がさまざま増えてきたら、大きな組織を先導するような、盛り上げるようなしゃべり方をする必要がないし、それがかっこいいやり方でもないなと思ったので、今は別のやり方をしています。目的をどこに置くかで、いい話し方は一概にこれが正解というものがないんです。

なので「声は大きく、自信を持って、手を動かして、話の展開としては結論ファースト。そのあとポイントが3つありますと言え」みたいなのは、どうなのかな?

俺はそういうのを全部頑張ってやってきたほうなので、それが本質的なことだとはとても思えない。それは全くできない人がちょっとできるように見せるには、いいと思います。

ブランドになるために、ファンをつくるためにという目的なら、感動させよう依存させようとしないほうが、長く続きますよというのが、今日お伝えしたいことです。

今は、まれに見る自己啓発ブームになっています。

ブームというのは、昔みたいにテレビがわーっと扱って
わーっと盛り上がるからではありません。

スマホとかYouTubeとかVoicyとかの音声コンテンツが出てきて、自己啓発って昔一部の人のものだったんだけど、みんなが自己啓発っぽいことをしゃべり、多くの人が自己啓発っぽいことを聞くのにアレルギーがなくなっているんです。

成功哲学で、ナポレオン・ヒルという方がいて、
1900年途中ぐらいから「思考は現実化する」とやっています。

自分が社会人になった何十年も前に自己啓発をやってるとしたら、そういうのが多かった。多分ナポレオン・ヒルの「思考は現実化する」のようなものに数百万円払って、一部の人が習うというのが自己啓発だったんです。

その後、アンソニー・ロビンスとか日本でもジェームス・スキナーとかが出てきます。

このあとの名前は挙げにくいです。上げているのか下げているのかわからないように捉えられてしまうと困るので。自己併発がはやって、経営者やマルチの人がよくやっていましたよね。個人的な感想はいいとして。

そういう方たちは啓蒙的に話し、一時的な高揚感を高めるというのが良いとされている話し方が特徴です。

自分はビジネス書とかも月200~300冊ずっと買って読んでいて、自己啓発関連のものにずっと触れていた時期が、20代後半から会社を始めたときから30前半まであったので、こんな感じなんだなと思っています。

でも「こんな感じなんだな」というのは、今となって自分の立場になって言えるだけで、そのときはそれがいいと思っていた部分もやっぱりありますよ。

啓蒙的で、感動するように依存関係をつくるようにしゃべるというのは、一見よさそうな気がします。

あとは宗教家のように話すのは結構YouTubeでも出ているので、技術的にもやろうと思えば可能ですよね。やり方があるから。啓蒙的に話したり、感動を呼ぶように話したり、感動エピソードで泣かせるようにしたり、そういうテクニックを使ってる人も結構多い。

YouTubeは見ればいろいろ出てきますけど、依存的にするとか、さらにはビジネスプロフェッショナルっぽく話すのは、テクニックでどうにでもなるものだったりするんです。


藤田ニコルさんのファンへの接し方

テクニックで聞いている方を誘導的に乗せて、相手が感動して依存するというのは、最初だけじゃないですか。

全部それを解説してくれと言われれば俺はできるけれども、それは俺の本業ではないので全くやる気ないですが、どこかからの文献とか○○大学みたいな論理で押すやり方とか、いくつかあります。

初めて聞いた人をびっくりさせるというか、しゃべっている人を賢く見せるとか、感動的なエピソードとか、高揚感を高めるような話し方とかネタのつくり方があるんだけど、それって何度も聞いていられません。

ですから、常にそういう感動エピソードを依存的に啓発的・啓蒙的に話す人というのは、常に新規の人を相手にせざるを得なくなってきて、途中でファンとか関係を離脱するんですよね。

結論から言えば、ご自身がブランドになろうとするでもいいし、ビジネスにおいてブランドを運営していてファンの人と関係をつくっていこうとするときも、相手を誘導的にテクニックで載せていこうというのは、長い関係を考えると全く逆効果だと思います。

出だしでそれをやらざるを得ないのであれば、やるというのはいい。

長い人間関係というと一番は親子です。あとは恋人とか夫婦もありますが、親子とか恋人とか夫婦の関係で高揚感を高めるようなしゃべり方をする人とずっと付き合い続けるのは、無理だと思いませんか。

ちょっと難しいよね。

久々に実家に帰ってお父さんやお母さんに会ったときに、仕事先であったエピソードを感動させるかのように「そこでその部下はなんて言ったと思う?! 目が覚めましたって言ったんだよ!」みたいな、ちょっと演技が入った感動エピソードには一人芝居が付いてくるけれど、そういうのばかり言う人と常にずっと長く一緒にいると、「もうわかったんだけど」というふうになると思うんです。

広告とか集客における煽り表現や過剰表現とか危機の強調もそうだけど、インパクトだけに頼って、その場で熱が熱くなることだけに頼ってしまうと、あとが大変だよ。

でも、これは物の道理というか、原理原則なんです。

スポーツの世界では、ステロイド(筋肉増強剤)をやると、一時的に筋肉が膨張したりして機能が拡張するんだけど、年を取った時に副作用が出る。
戦う競技、ボクシングとか総合格闘技とか、リングに上がって殴り合ったり関節技をやったりするプロレスの世界もそうですけど、必ずステロイド問題があります。

陸上でもありますよね。

筋肉増強剤を使えば100メートルは速く走れるけど、他の人よりも10年、15年早く老化がやってくるって、短期的なものじゃないですか。
なので、煽ったり啓蒙的にするのは結構ステロイドに近いです。

ドーピングね。

ではどうするのか。

小手先のテクニックとかインパクトを超えて相手の心に届かせるのであれば、その相手のことを考えて準備し、熱心に目の前の方やファンの方のために本気で語りかけるといった姿勢や熱心さが、最後に心に残ります。

人は言語化できてビジュアライズ化できるものにインパクトを受けて、そのときに何が印象に残るかというと、「いやあ、あの感動のエピソードで全員泣いてたのか」となるんだけど、ブランドはどんな規模になっても、ブランドオーナーに熱意があるかないかというのは絶対に伝わるので、それを持っているかいないかです。

「面倒くさいな、本当にファンのことを考えて準備して話すって。いやいや、テクニックを教えてくれよ」という人がいるのはわかるんだけど、そこは伝わります。

それは1万人、100万人、1000万人を相手にしていようがです。

自分がいいほうの例として驚いたのは、藤田ニコルさん。

藤田ニコルさんは出たてのとき、自分のブランドのお店に番組の取材で何度か来ていただいたことがあるんです。

そのときは多分いち高校生タレントで、全然特別な印象はありません。藤田ニコルさんに自分が今どういう印象かというと、ものすごくファンの人との関係を大事にしているというのがSNSなどからもわかります。

この方は続くなと思うんですよね。

テンプレート的に、テクニック的に、こうやればバズるということを一切度外視して、自分がやっている活動、商売、写真集、ファンブックみたいなものが発売されたとき、握手会で行くときのTwitterの中身とかが、本当に考えているというのがわかる。

女性のタレントさんはすごく旬の時期が短くて、ちょっと出ていた方もすぐ出なくなる。新しい方が出てくるから。

その中で藤田ニコルさんに仕事依頼が絶えず来ているところや、自分のブランドのところに番組で来ていたときはもう7~8年前だと思うけど、そこから今までファンの方に愛されているというのは、テクニックを超えてファンの方に対して熱心に接しようというのが、行動で裏付けされているからですよね。

ヴィトン、エルメス、ディオールなどの長く続いているブランドにも、間違いなくそれがあります。

ベンチャーがのし上がっていくとき、個人事業主がビジネスを拡大するとき、個人のタレントさん、インフルエンサーが世に出て行くときは、ある種インパクトとかテクニックは絶対必要。

ただ、ずっとそれだけでやっていてファンの人がずっと付いてくるかというと、逆だよということです。

清楚でかわいい子がハロウィーンで着ぐるみを着て笑いを取っても、ずっと着ぐるみを着るようになったら全然笑えないじゃないですか。
普段そんなふうに見えない人がやるから笑えるんです。

なので、インパクトではなく、何もないと思われそうなときに、どうファンの方や周りの方に接しているかというのが、ファンでい続けてもらう最大のポイントだよというお話でした。

以上、久々野智小哲津でした。

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