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ブランディングとはファンとの関係をどうするか?(前編)

Voicy No.0150 2022年5月2日放送 


質問を頂きました。


今日は「ブランディングとはファンとの関係をどうするか?」です。

このテーマで話そうと思ったのは、YACさんからご質問いただいたからです。ご質問、うれしいです。(注:2022年4月26日の投稿)

『こてつさん、いつも学ばせていただきありがとうございます。今回の放送で、ビジネスを行う上で顧客に対する哲学・価値観が少し甘くなっていることに気づき、改めて考える機会が持てました。
私はstand.fmの頃からコテツさんのブランド論に魅了されている1人なのですが、以前から(このようなことを聞いても良いか迷っていましたが)コテツさんご自身が顧客に対してどのようなお考えをお持ちかについて少しでもお伺いしたいと思っていました。リスナーの立場から不適切な質問でしたら申し訳ありません。よろしくお願い致します。』


不適切どころか、こういうのを聴きたいと言うのは、ものすごくまっとうな認識だと思います。

それにYACさんの「顧客に対する哲学・価値観が甘くなっている」というのも、ご自身が今やろうとしていることを顧みている感じもあります。自分で自分のことを考えてみる時間は、すごく大事ですよね。

ご質問に対しては、今日オレがお客様や関わってくださっているファンの方に対して、どういう哲学・価値観を持っているかというところをお話しします。あくまでもオレ個人の考えです。

自分がクライアントさんと仕事に臨むときは、クライアントさんのスタンスを踏まえた上でクライアントさんのお仕事をやっているので、あくまでもオレの価値観をお話しします。それこそが、聴いていただいているあなたへの私の哲学とか価値観だったりするので。


どう知って、どう買ってもらうか?


前提からいきます。

ほとんどの商売の話は、どう知ってもらうか、どう買ってもらうかという話に終始しています。

たくさん知ってもらいたい。たくさん買ってもらいたい。それをどう実現するか。お金と提供するモノとサービス――プロダクトが交換されて、そこでお金が売上に変わり、スコア的なものが積み上がっていくという構造だから、当然どうやって知ってもらうか、どうやって買ってもらうかになりますよね。

しかも、それをテクニックで実現するのが、基本的な商売の話になってきます。

オレはそれ以外のことがあると信じてブランディングをやっているし、こういう情報発信もやっているんです。どうたくさん知ってもらって、どうたくさん買ってもらうか。それをテクニックでどう実現するかにしか、最初は興味がなかったからです。


数字を上げる人が偉いのか。


オレが最初に雇っていただいてやっていた仕事は、ほぼ飛び込みみたいな体育会系の営業でした。壁にグラフが貼ってあるところから仕事を始めているから、コテツ自身の仕事観、顧客に対する価値観って、スコアの数字でしかなかったのです。

契約書をいくつ取ってくるか。数字を上げている人が偉いという世界でやっているから、オレもそう思って、20代半ばは仕事をしていたというのがあります。

そのあと26歳ぐらいで起業しました。そのときは全く未成熟で、今言ったようなプロダクトとお金の交換が行われたスコアを競っているものだと思っていて、商売に対する考え方として幅広くものを見てきている経験がありませんでした。

売上が上がったとか、顧客数が多いという程度の認識で、最初は経営をやっていたんです。

よくTwitterとかFacebookで、年商とか年収を自慢するようなスタンスの方がいらっしゃいますが、自分は本当に全くああいうのはぴんときません。

だって本当のお金持ちは、「年収0、資産300億」だったりするので、年収とか年商って、自慢の対象なのかな?と思います。基本的には自分より下のステージの方に対してやっているので、そういうのはありだなと思いますが。

しかし、オレも当然20代後半から30そこそこまでは、そういう価値観でした。お客様や顧客に対して、今買ってもらって、売上が上がってラッキーみたいな、その程度の認識だったと思います。

売上目標を立ててそれをやっていくとか、会社を経営していると年商マウントというか。でも、それは一側面として、ビジネスとしてはあるじゃないですか。売れていることを正義とするというか。

それには今は首をかしげざるを得ないというのが本音のところですが、そのときは、そう思っていました。

これがうまく伝わるか自信がないんだけれど、もっとかみ砕いて、別なときにも伝えたいです。


アメリカ型経営を学んだ時期


オレはあまり勉強してこなかったので、バカのコンプレックスの裏返しで、その後急にMBAとかを勉強し始めました。アメリカ的経営がちょうど入ってきた頃です。

1990年代にアメリカの四半期経営と株主重視経営が入ってきて、日本の長期的経営――終身雇用とか新卒から育成して30歳ぐらいから戦力になるのが一気に駄目だと言われて、短期で全部数字で切り分ける経営がはやりました。

オレもバカなのに、よせばいいのにMBAのスクールに通って、ケーススタディーでディベートをして、ロジックを組んでしゃべったりして、賢いふりをしてやってみたのです。

つまり、数字領域と非数字領域という捉え方で「全ては数値化できる」という考え方に、一気に寄った時期がありました。日本の経営におけるトレンドと言っていいのかな。今(2022年5月)は、揺り戻しがちょっとあったりしますが。

数字領域と非数字領域で、アメリカ型の経営はとても優れています。全て会社の経営を数値化してデータや事実に基づいているので、経営者がぽんぽん代わってもやれるのです。


日本型の経営が重視するもの


日本は非数字領域(カルチャー、暗黙の部分、集団知性)をとても重視しているところもあるので、創業家とか文化がわかっている経営者がやったほうが強いという特徴がありますが、これは別なときにまた話しますね。

非数字領域の存在をどう考えるかには、ビジネスではものすごく個人差があります。これは合っている、間違っているではなくて、スタンスの違い、価値観の違い、人生観の違い、仕事観の違いだとオレは思っています。

オレは顧客とファン、聴いてくださっている方との関係で、非数字領域において関係が構築できているかどうかを今はめちゃくちゃ重視しています。

それは、先ほど言ったように、
オレの出だしが数字しか考えていない仕事人生だったからです。

<*後編は6月10日(金)アップ予定>


本文は
コテツがVoicyの「ブランディングと商売の話」で語った内容を
文章化し加筆したものです。
Voicyアプリをダウンロードして『コテツ』で検索、無料で聴けます。
上のVoicy音声は下のリンクからどうぞ!


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