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ブランドのスケールを考えたことがあるか?

Voicy「コテツのブランディングと商売の話」コラム
読めばブランディングができて商売が上手くなる


このコラムは、コテツがVoicyのブランディングと商売の話で語った内容を文章化し加筆したものです。
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Voicy No.0030 2021年9月3日
ブランドのスケールを考えたことがあるか?

スケールってなんのこと?

このタイトル付けは本当に迷いました。

コテツラジオ的な放送もそうだけど、SNSや情報発信はタイトル付けが大事ですよね。気を付けていますが、あおるようなタイトルを付けたくないなと思って。

YouTubeを見ると「こういう人と付き合うな5選」とか、サムネイルでしゃべる人が手を×にしているのがたくさんあります。こういうタイトルを付ければ、見て聞いてもらえることが多いのかもしれない。けれども、本当に話している内容とずれているのも、世の中のYouTubeとかこういう放送にあるじゃないですか。それも嫌だし、かといってタイトルを見て興味が湧かないのも嫌なので、今回は迷ったな。

中身を聞いてもらえれば、自分のブランディングやビジネスにおけるブランドづくりにすごく大事な視点なので、タイトルは「ブランドのスケールを考えたことがあるか?」ですが、徐々に理解してもらえるように話を進めたいと思います。

商売をやる、起業する、経営するといったら、小さいビジネスも大きなビジネスも一応言葉としては同じくくりに入ります。「個人でちょっとしたビジネスをやっていまして」といって、例えばアマゾンとかで「せどり」といって、安く仕入れた本をちょっとだけ上乗せしてたくさん売って月5万円稼ごうというビジネスと、GAFAがやっているような世界で何兆円を売って、さらに何十兆円増やそうとするようなビジネスも、両方とも「ビジネスやってます」「商売やってます」といえば1個です。

けれども、スケールによってビジネスはやり方が全く違う。

となると、ブランドのスケールが今どれぐらいで何をやればいいか、どれぐらいのスケールに向かって何をやっていくかがないと、いいブランドづくりはできないんです。スケールという考えが全くないんですね。

1000億まで中小企業というと最近「えっ?」と言われるので、100億ぐらいは中小企業だと思います。個人事業主とか100億ぐらいまでの会社で、スタバとかナイキとかを、そのまま全部参考にしたらいいかというと、ちょっと違います。

個人がブランド力を高めるのは、知名度を上げるのと大体イコールだと思うことが、もうズレています。個人が渡辺直美さんとかがやっているような、インスタで650万人~1000万人に見てもらっているような人を見てまねするとしても、全然スケール感が違います。段階に合っていないのです。

スタバ、ナイキ、アップル、コカ・コーラ、マクドナルド、世界的企業のトヨタとかも含めて、これらがやっているものは参考にならないとは言わないまでも、そのまままねできないよね。さらにブランディング上は、有名な会社とか巨大な会社がやっていることが正解なわけじゃない。

この辺を整理して臨まないとブランドになれないし、ブランドづくり、ブランディングは大体失敗します。それはスケールが違うから。あと、もう1個違うものがあるけれども、それは後で言います。

自分で建物をつくろうと思ったときに、犬小屋と平屋の家と高層ビルをつくるのが同じなわけがない。小学生の悩みとその解決策と、40代の悩みと解決策が同じわけもない。恋の悩みといっても小学生と40代は同じわけがない。

それなのに、多くのビジネスやブランドに取り組んでいる人が引っかかってしまうのは、なぜか大手がやっていることがいいことだと思い込むからです。小学生の恋の悩みに、40代の恋の悩みの解決策を持っていくみたいなことをするからです。

小学生の子が、例えば恋愛で負けたくない、何々ちゃんの気を引きたいときに、「それバカラのグラスを渡せばいいじゃん」みたいなことを言っても、全然答えとして合ってないですよね。段階とスケールが違いすぎるんです。

まず、今やっているビジネスとブランドのスケールと、自分が今満たすべきビジネススケールとブランドスケールをまず認識するのが一番。その間に大企業、超有名企業、スーパーブランドがやっていることを見てもいい。世界的有名人がやっていることに着目して参考にするのはいいけれども、自分が持っているアセットを確認したほうがいいです。

アセットは資産のこと。

資産は「金融資産がいくらか」ということではなくて、自分が持っている要素です。才能、お金、人脈というアセットが違うのに、同じ戦略は取れません。

これはこれだけで別なときにきちっとお話したいところですが、自分が今やっているスケールがどれぐらいで、その次としてどれぐらいのスケール感を狙っていっているのか。そして、持っているアセットを確認した上で、参考にしたいと思っている事例とか会社とかブランドとか、露出している人を見たときに、持っているアセットがそことどれが同じで、どれが違うか、確認したほうがいいです。

この話からいけば、多くの人がビジネスを露出量とか知名度で解決しようとするんです。とにかく多くの人に知ってもらえれば売れるみたいに。でも、多くの人に知ってもらっても、ダメなものは売れないよ。プロダクトのレベルが低いとか、完全にポジショニングがかぶっていたら売れないじゃないですか。大手がめちゃくちゃ売っているものと同じことをやってもね。

今は時代的にはズレちゃいましたけど、ライザップが業績を伸ばしていたときに、テレビCMを何十億かけて打てないところがライザップと同じサービスをやったところで、やっぱり取れないじゃないですか。プロダクト自体はもちろんだし、ポジショニングがかぶらない状態をつくった上で、さらにはブランドとして何をやるかは、何かを参考にしてもアセットがそれにそろっているかどうかです。

個人のブランディングに関しても、非常にいい例だということはわかります。例えばキングコングの西野さんとかを見て、そういうのに憧れる方がいらっしゃるのはわかります。

見つめ直してもらいたいのは、持っているアセットが違うということ。

キングコングの西野さんのアセットは、20代にして全国放送のテレビに出ていたという知名度が、まず資産としてあることです。それを元に今展開をされている方だから、できることもある。

でも、西野さんがやっていた中で個人がまねできるところもあります。それは西野さんが持っているさまざまなアセットとして20代でスターになった知名度を言いましたが、それ以外に西野さんが持っているものとの違いと同じを自分の中で分けて、自分が活用できることはいっぱいあるけれども、それを一緒くたにしないほうがいいということです。

スタバだろうが、アップルコンピューターであろうが、ナイキだろうが、ルイ・ヴィトンだろうが、フェラーリだろうが、学ぶべきことはいっぱいあるけれども、それをそのままやっても、うまく合わないですよね。

もう少し掘り下げた話を次のチャプターでします。

スケールに合わせて作戦たてよう!

ブランドのスケールはマーケティングとか集客にしても、年間で新規獲得がカギだといっている状況のビジネスの人は結構いると思う。けれども、新規獲得顧客で毎年200万人とか500万人とか1000万人の新規が必要なのは、携帯電話会社とかコンビニ利用者とか、そういうビジネスレベルです。なぜ全国の人が熱狂するようなビジネスをつくりたくなっちゃうのかと思うんです。

適正スケールの話ではないですよね。今日子どもが生まれたら、その子が入る高齢者介護施設を探し始めるみたいなもので、いきなりそれは要らないよという話になるわけです。

マーケティングにしても集客にしても、今取り組んでいるスケールから次に目指すべきスケールに合った集客量というのがあって、それに合っているツールがある。それが抜けている人は、とにかく今はTikTokだとか今は何とか広告だといったら、自分の適正なステップとかスケールを考えずに、「とにかく一番集客できるもの」みたいなことになる。

ブランドコンセプトも決まっていないとどうしようもないので、ブランドスケールを上げていくには、コンセプトを見直す必要もあります。

最初からビジネスもブランドも大きいところを目指すやり方は、実際に自分もやってきました。いきなり100億、200億売っていくスケールでやるビジネスもあるけれども、それは赤字の期間があっても、それを乗り越えられる多くの出資とかがあったりする場合です。赤字の期間があっても持ちこたえられるお金を活用して、めちゃくちゃ大きなブランド・ビジネス・スケールの土台をつくる時間を買っているからなんだよね。

だから、気持ちはわかるけど、渡辺直美さんやローラさんみたいな影響力が取れればいいというのを前提に、個人が知名度前提のブランドづくりをするのは、階段50段抜かしぐらいな感じで股が割けちゃいます。その辺はステップの設計が必要です。

大きな企業とかスーパーブランドがやっていることを見てそのままやってみても、露出量もそうですが、ある一定量を超えるまで、ほとんど効果がない場合があるんです。

知名度を上げて自然に手に取るような状況をつくるというのは、コカ・コーラとかカルビーが全国のコンビニでいい棚を取っていて、ビールでもキリン・アサヒ・サッポロ・サントリーが競争しているのと一緒です。

1週間の生活動線の中で常に目に付くように、パッと思い出せるようなレベルまでやるなら、何十億何百億ぐらいの出だしから一気に組んであれば、やっぱりお金が必要だったりします。では、その10分の1で100分の1でといっても、逆に、それではほとんど効果がない。

中小企業とか個人事業主が、露出量戦略を採るというのは相当なアセットが要ります。それは閾値(ブレーク・イーブン・ポイント)で、薬とかともそうだけど、反応や感覚を変えていくのに何事にも必要な最小限度の量とか強度がある。閾値を超えないとほとんど結果が出ないので、ビッグスケールでやっているブランドと同じことをめちゃくちゃミニマムにやるのは、ほとんど意味がないと思います。

いったん自分のブランドが、どの程度の方々にどういったメッセージを届けるかを整理した上で、それに見合ったブランディング策とかマーケティング策をすれば、自然にそれが満たされて次が見えてきたりする。

それか、もっといきなり大きくしたいのであれば、出資を受けるなり、周りの人からお金を集めるなり、クラファンして多額のお金を一気に集めるなりしないと。1000万、2000万集めたところで、大企業のやり方をまねするのは無理だけど、ブランドスケールとかビジネススケールを考えた上で、作戦を立てるようにしましょう。

以上、久々野智小哲津でした。

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