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どっち? 安さや利便性 VS ブランド力

Voicy No.0236  2022年11月9日放送
本文を音声で聴きたい方はこちらからどうぞ!


消費行動にはいくつかのタイプがあって、日常の買い物でも、同じ商品で人によって選択基準が違います。あなたが売る側なら、ブランド力をつけることで、ほかの人や商品にスイッチされにくくなるのです。


質問をいただきました。


コテツラジオにコメントを頂くのですが、そのコメントがなかなか鋭かったので、それにお答えしようと思います。

スマホを開けてコメントとか差し入れがあると、めちゃくちゃ嬉しいです。
Voicyは自分の中では大事な位置付けなので、コメントいただけるのを楽しみにしています。

ヤックさんのコメントです。

こてつさん、いつも学ばせていただきありがとうございます。
本編と異なりますが、1点質問させてください。
最近、私は引っ越しをしたのを機にバイク修理をずっと通っていた個人店から近所の量販店のバイク屋に変えました。
以前の店主には時には無償でお世話になり恩を感じていたのですが、通いやすい利便性には勝てませんでした。
歯医者なども同じかもしれませんが、技術に関わるサービスはいくら関係性を作っても利便性が勝ることもあるのではと思います。このようなビジネスはどのようにブランディングされていくのでしょうか?

鋭いし、すごく大事なところを突いてきています。
ヤックさん、いい質問を本当にありがとうございます。


価格消費

ブランド、ブランディング、マーケティング、消費を語るときに「ビジネスをやっている側の視点」と「買う側からの視点」の両面で捉え直してみます。

消費には種類があります。
1つは、とにかく何でもいい消費、価格で買っている消費です。
「安いから買っている」ものもありますよね。

これを言うと「これは、どれに当てはまりますか」と聞く人がいます。

例えばペットボトルで水を買うとき、自分はいつも炭酸水を買いますが、これってブランド消費ですかと聞かれても、人によって全く違います。ですから自分の消費で考えてほしいのね。

ブランド消費


次に自分の普段の買い物を振り返って、これはブランド消費、これは利便性消費、これは価格消費だと分けてほしいです。

家を出て仕事でも遊びに行くときに、暑くて喉が渇いて飲み物を買おうとします。

家から出て東京なら駅までだけど、そうじゃない方も家を出て車に乗ると、自分の家の周りのお店の立地状況として、どこにドラッグストアがあって、コンビニがあって、スタバがあって、スーパーがあるとわかっています。

こういうときにドラッグストアで売っている198円のOS1を飲みたいので、コンビニとスーパーを通過してドラッグストアでOS1を買うとなったら、OS1は、あなたにとってブランドです。

利便性消費

「暑いなあ。なんか飲もうかな」と思いついたときに、一番近いドラッグストアに入ってウイルキンソン炭酸を買ったとします。

それもウイルキンソンを狙ったのではなく、たまたまそれが手元に近いところにあったから買った場合、これは利便性消費になります。

利便性消費を低く言っているわけではなく、「あくまで人による」ということです。

利便性消費とは、近ければとか、通り道だからとか、棚にあったから買うというものです。生活では、ほとんどがそうじゃないですか。

「寒くなったな。上着はないしロンTを1枚買おうかな」と長袖Tシャツを買う。このあと友達に会うときに、中に着ないと寒すぎて外を歩けない。

「それでもオレはユニクロじゃなくて無印で買いたいから、1駅電車に乗って行こう」ではなくて、近くにユニクロがある。しまむらがある、ラッキー。いやいや、コンビニTシャツでいいじゃんというのは利便性消費です。


その買い物は、どの消費に該当するか。


男性と女性では違っている消費もあります。

女性の化粧品とか下着は完全にブランド消費。
男性からすると「仕事の帰りにコンビニコスメを買っておけよ」ということ自体が、女性にとっては非日常で、エンタテインメントになっている場合があります。

男性と性質が違って、ここが消費の面白いところです。

ヤックさんは、バイクの修理を個人点に頼んでいて、仲良くしていたようですね。時には無償で店長さんにお世話になって恩義を感じていたようで、なかなかいい関係だったと思います。

引っ越したので量販店に行ったというのは利便性消費です。

ヤックさんが薄情なのではなくて、「ヤックさんにとっては利便性消費のものだった」だけの話です。

ヤックさんにとってバイク修理は、出掛けるときにエンジンが調子悪そうだなとか、エンジンオイルを変えようと思ったら当然近いほうがいいのです。

歯医者も同じで、技術にかかわるサービスは、いくら関係をつくっても利便性が勝ることもあと思います。

「このようなビジネスは、どのようにブランディングされていくのでしょうか」という問いですが、利便性消費とか価格消費に陥りやすい商品やサービスだったとしても、ブランドとして遠かろうが高かろうが、手間がかかろうが、「私はどうしてもこれを得たい。これじゃなきゃダメ。これが好き」という状況をつくるのがブランドです。


利便性だけでスイッチされないように。


歯医者やバイクやさんが、利便性消費でどんどん引っ越した人が減っていく中で、どうブランディングしたらいいでしょうか。

「ブランディング=ファンづくり」なので、好きになってもらえるかは相手の好みです。

ブランド消費は好みで、女性の化粧品も下着も好みなのです。
男の人が車を買うのと一緒です。

ヤックさんがバイクに乗っているなら、カワサキに乗るのか、ヤマハに乗るのか、海外のバイクに乗るのかは、好みじゃないですか。

ですからブランディングするのであれば、好みに当たるものを出さないといけない。
歯医者であれば、個室というスタイルだったりします。

バイクでもカスタムのスタイルに強いとか、スタイルとセンスに「好き」が付きます。

スタイルとかセンスで、「あのスタイル、あのセンスのサービスは、あそこに行かないと受けられない」とやるのが、ブランディングになるということです。

コテツでした。

本文は
コテツがVoicyの「ブランディングと商売の話」で語った内容を
文章化し加筆したものです。
Voicyアプリをダウンロードして『コテツ』で検索、無料で聴けます。
本文を音声で聴きたい方はこちらからどうぞ!

久々野智小哲津
二十数年にわたり、のべ7社ほど(8社目準備中)会社を経営。ITの会社を大きく成長させた後、新規事業でさまざまな事業を立ち上げ、フランス、イタリアを中心にヨーロッパからブランドを日本に持ってきたことをきっかけに、ブランドづくりができるようになった。
海外ブランドの日本進出や、日本国内の会社、サービス、商品、人(タレントさん、議員さん、スポーツ選手など)のブランドプロデュースにも関わっている。
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