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【ゲストやまけん】カテゴリーが溶けていく時代に。


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Voicy No.0084 2021年12月2日放送
【ゲストやまけん】カテゴリーが溶けていく時代に。


世界中オタク化している。

コテツ:今日はゲストがいらっしゃいます。
やまけんさんです。よろしくお願いします。

やまけん:お願いします。

コテツ:やまけんさんは「天才をプロデュース」ということで、今Twitterで論文も出していて、アート型ビジネスを提唱している方です。
元々はビジネスの立ち上げと集客を専門的にやられていて、その前は教育系の会社でお仕事されていて、自分が相談する相手として最も重要人物です。

よろしくお願いします。

やまけん:よろしくお願いします。
最近、気になっているテーマは?

コテツ:ジェンダーレスで極端な運動が先鋭化しているものは置いておいて、これは本当に初出しの話になります。

詳細まで言いにくいですが仕事の依頼が来ました。それが昔のカテゴリーで言うと、おもちゃ領域です。

あるおもちゃ業界でかなり長くやられていた方が、人生の最後の段階というか、結構年配の状態で「新たなものを世に出すのでプロデュースしてください」という相談です。

やることになりそうなんですが、おもちゃはまさに男の子向け、子ども向けです。あとは「おもちゃみたいなものを」という表現で「子どもが遊ぶもの」という表現がありますが、自分が今回プロデュースで関わることになるのは、ジェンダーレスなのです。

男女も、大人も子どもも関係なく遊べるようにして、そのおもちゃ自体の設定を決めずにいきたい。例えばエバンゲリオンとか宮崎駿や新海誠の作品、古くはガンダムとかも全部そうですけど、設定の深さに、人ははまるからです。


カテゴリーのない時代

カテゴライズして、ある性質の人に掘ってもらうものが多いと思いますが、もうノンジャンル、ノンカテゴリーの時代が来ているかなと思って、やる側が勝手にカテゴライズしている。

やまけん:前々からそういう課題意識があったんですか。

コテツ:はい。ちょっと前まで自分はライブ配信アプリ関連のアドバイスの仕事をやっていました。まあまあ有名なところ、Pococha(ポコチャ)とか17LIVE(イチナナ)とかSHOWROOM(ショールーム)とか、あの辺です。

ライブ配信はこの3年ぐらいめちゃくちゃ伸びました。3年ぐらい前は「オタクが見ているんですよね」と言われましたが、今やVチューバーになって、「アニメの女の子がしゃべるんでしょう? オタクはこういうものが好きなんですか」みたいな話になることも、BtoBだとあるんです。

でも、実際はもうそんなことはない。
アニメと漫画がオタクのものというのは、スマホが出てきて一気に変わってしまいました。

『ジャンプ』全盛のときは、電車で『ジャンプ』を持っていると大人が恥ずかしいみたいな雰囲気があった。だから今思えば、みんなかっこつけて『日経新聞』とかを持っていたと思うんですが、スマホが出てくると、ほんとに好きなものが見られます。

混雑した電車で立っていると、ほかの人が見ているのが、のぞく気がないにしてもちらっと目に入る。そうすると、みんなアニメを見たりゲームをやっていたりします。

ゲームは子どもがやるもので、アニメは子どもが見るもので、漫画は大人が見るものじゃないといっても見ている。結局、スマホが出てきて全部カテゴリーをぶっ壊してしまいました。

やまけん:そういう意味では、スマホというデバイスを使うか使わないかが大きな差になりますね。

コテツ:なります。
スマホネイティブの人は、ジャンルに興味があるのかなとは思います。

やまけん:興味のある、ないはあるかもしれないですけど、もっと感覚的になって自分がそのアプリを使っていたら、SNSのアプリや動画、ゲームみたいなものというのは、感覚的にそのときはまっているものをやったりするから、その中で映画もゲームもSNSも、いろいろなものがごちゃ混ぜだと思う。

コテツ:そうですね。学生起業も5年前ぐらいまではかっこよかったんです。昔は情報の差の問題です。お金の儲け方がわからなかったのがあるし、学生起業はハードルが高くて希少性が高いからめっちゃ注目されたけど、質は別として、今は商売のああだこうだ話はYouTubeで見られます。

そうすると、中学生起業だろうがおかしくないというか。いろいろなことをカテゴライズして、これは中学生向きだとか、大人向きだとか、業種業態もつながってしまっているので、カテゴライズすること自体が無意味な気もしています。

やまけん:でも、その現状のあるカテゴリーの中で、自分たちというか自社が「あるポジション」を取るのと、カテゴリーをあえて決めないでいくのは、方向性としては両方検討するのですか。

コテツ:検討したほうがいいと思いますが、業種業態やポジショニングを同業界内だけでというのは、あまり関係ない気はします。

やまけん:そのカテゴリーを決めてポジションを取りに行くことと、ノンカテゴリーだと捉えて、今回のやつだったら「おもちゃのポジション」をつくりにいくのは、仕掛ける側としてどういう違いが生じますか。

コテツ:ビジネス全部がアート、エンターテインメント、コミュニティーに関わっていないと、とは思っているんですが、興味の持ち方が面白い。結局エンターテインメントですから、
toBでも、会社に面白いと思われないと採用でかなり苦戦します。

面白い、アート、美しいとか変わっているとか、そしてコミュニティーで「なんか共感できる」という、この3つが最初の突破口にならざるを得ないというか、スマホに対して期待していることが、この3つな気がしています。

ですから興味を持ってもらうための出だしとしてはノンカテゴリーで、この3つのどれかか、複数を満たすしかありません。

入ってきたときに興味を持って寄ってきて、お客様やファンになっていただいたときにカテゴリー内で比較があるからポジションを取るのは重要だと思います。

けれども、出だしのところはこの3つで興味のフックを掛けないことには勝負にならない気がするので、競合を見る前に、そういう要素を入れなければダメ。異種格闘技戦というか、スマホの上では全部同列になってしまうので。

やまけん:だから、引いた目でお客さんがものを見たり、増えたりするときの感覚が、それらの1個なり複数なりの要素を満たしているかどうかを、人のプロダクトや企画をつくるときに結構チェックする感じですか。その感覚を入れ込めるようにするというか。

コテツ:アート、エンターテインメント、コミュニティーで興味のフックがかかるようにした上で、入ってきたらポジショニングのために、プロダクトとかブランド自体の思想的な差別化をやるみたいな2段階だと思います。


メジャーとインディーズが混ざってる。

コテツ:最近、ジャニーズのグループがデビューするときは、メジャーデビューでみんなわあっと来て、「メジャーデビューできた」みたいになりますが、今のスマホネイティブで15歳以下の人は、レコード会社に所属してメジャーデビューしていることと、YouTubeで音楽を出している違いは、多分わからないと思うんです。

あとは『ジャンプ』に掲載される漫画家と、漫画アプリに載っている漫画家の差は、別にないと思っている。

ガラケーから入ってスマホに変わっていったスマホシフト世代は、全然違うと思っているということです。

勝手に漫画を描いて、漫画アプリで採用されて出ている人と、『ジャンプ』や『チャンピョン』掲載の作家は、雑誌が本物のプロで、勝手プロは勝手なプロになるけど、YouTubeで音楽を発表しているだけだみたいな、押し入れをスタジオにしてみたいな話がある。

東芝EMIだとかソニーミュージックという大手があるけれど、スマホネイティブの15歳以下の人は、会社に所属して音楽を出しているからって何なのというか、その仕組みから興味がない。

カテゴリーというのは、ほかの業種業態の横のカテゴリー分けと縦のカテゴリー分け(階層分けとかカースト)にも興味がないということです。

けれども、大人は、めちゃくちゃそれを気にします。「おかげさまで『東洋経済』に記事が載りまして」とか「『日経ビジネスサテライト』の取材が来まして」とか。

そんなものはYouTubeに載ってしまえば、ちょっと道徳的には問題だけど、海賊的に上がっているメジャーなテレビ番組と勝手にYouTubeに上げている人の差を、古い人たち以外は、面白いか面白くないかだけで今は判断すると思うのです。

だからカースト的な縦の枠組みがもう溶けているのと、横がが何業であっても、面白いか美しいか共感できるかの3つがなければ、もうダメになってしまう。ですから、カテゴリーの意味がほんとうにない。

やまけん:それは言える範囲でいいですけど、例えばおもちゃで仕掛けていこうといったら、どういうブランドづくりで、どういう観点を意識しますか。

コテツ:その方はおもちゃ業界がめちゃくちゃ長くて、スーパーヒット作もある方ですが、まずおもちゃ屋さんに置かないでおこうと思っている。業界常識にはまらなくても、売れるところまではたどり着けるだろう。

定番のやり方があって、たとえば美容系のサロンをやるなら、最初はベッド1つか2つの小さめのサロンをオープンする。そこまでは自宅でやり、メニューはこういうものみたいな思い込みがある。

売る相手はこうで、仕入れ先はこうでというのは安全策だと思うんです。そうではなくても、ゴールまでたどり着けるやり方はいくらでもある気はしています。おもちゃで言うと、おもちゃ屋さんを通さない。あとは、おもちゃっぽくない遊び方の提案というか、使い方も提案していく。

これも昔からあるんですが、かっこいいインテリアの中に、チェスのボードとチェスの駒がある。チェスの駒は将棋とかと違って立体なので想像できる方は多いと思いますが、ああいうビジュアルがいいゲームが結構増えてきて、YouTubeでもボードゲームのユーチューバーがいたりします。

「ボードゲームは子どもがやるものだ」という位置づけだったのが、大人が昔の麻雀の位置づけでやったり、おしゃれおもちゃというか、ゲームをゲームとしてやらないけれども、インテリアとして友達に買って、プレゼントとして渡すことも含めて、売っている側が思い込みを外せば、どうにでもビジネスを展開できる時代ではある。

やまけん:おもちゃの例でいうと、おもちゃ屋さんに置かない、カテゴリーに乗っからないというメリットは、新しいターゲットにリーチできることですか。

コテツ:そうです。あとは無意味な競争に乗らなくていい。
全く真新しいものはもうない時代なので、出すところとか出し方を変えたら、新しく見えるのはある。

スタバが出てくる以前に、ドトールに通っていた女子高生はいなかったと思うんです。おじさんが仕事前に行く所だった。「スタバはコーヒー・ファスト・フードですけど、コーヒー・ファスト・フードじゃないよ」みたいなムードで出し方を変えました。

スープストックとかABCクッキングも全部、過去にあった業態の王道をちょっとぶち壊して、変な方向から入っていくというか。だから、そういうのが結構あるのかなと思います。洋服でも何でも、そうなってくるような気がします。

そもそも、やまけんさんや自分の仕事や、今世の中に出ていって何かやっている人たちの仕事も、ジャンルとしては何だかわからないですから。一昔前は、たとえば本田健さんとか斉藤一人さん、神田昌典さん、もっと古くいくと大前研一さんとか船井幸雄さんたちは、出版で自分の立ち位置を決めていた。

それがないと、この人たちは何をやっているのかよくわからなかった。けれども、もうそんなものはどっちでもいい。

逆に、やまけんさんのように先に論文を書いて、出版を後にしたりして、それが面白ければ、やまけんさんの論文を読んでファンになってしまう。それでどこの出版社から出ているかを気にする人って、本当に古いタイプかなと思います。

やまけん:でも、自分が本を出すときは、いろいろと話を聞いてきたらそういうことがあった。本を出そうと考えているとき、本屋で戦うフォーマットとか、別のフォーマットをつくって別の市場で勝負しようと思っているところがあるので。

人は同じなのかなというか、新しいところで結局、本屋で自分が啓発書とかビジネス書を買うとなるとターゲットが狭まっていきますし、あとは競争の中から選ばれるというか、狭い棚をどうやってランキングで取っていくかになる。

そうじゃないところで別のフォーマットをつくることができると、競争から抜け出すことができる可能性がある。

コテツ:そう思います。ほんとに3年、5年ぐらいの間に、スマホネイティブの人も大人になっていっています。小学校ぐらいでスマホを与えられ、中学生、高校生になっていく中で、そういう人たちは「紀伊國屋書店でビジネス書1位」という言葉が、わかるのかなという気がします。

あとは、価値を感じるものが違う。レコード大賞のレコードって何なんだというのがあるし、今まあまあ大人でも、正直レコード大賞自体に興味がない。「何万枚売れました」というカテゴリーとか、ある尺度で一定の成果が出ました話は、どれほどみんな興味がないというか。

でもビジネスをやっていると、なぜか皆さんそういう「タイトル推し」をしてもらいたがるのです。年齢が上であればあるほどです。だから、そっちじゃない感じは最近しています。

やまけん:なるほどです。

コテツ:今日は最近の変化に関して意見交換しました。
やまけんさん、ありがとうございました。

やまけん:ありがとうございました。

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コテツがVoicyの「ブランディングと商売の話」で語った
内容を文章化し加筆したものです。
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