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ターゲット、ペルソナってどうしたらいいか?

Voicy No.0159 2022年5月16日放送


質問にお答えします。


今日は「ターゲット、ペルソナってどうしたらいいか?」というテーマです。

「『ダメ出し』と『リスクの指摘』が、最も程度の低い仕事だ。」の回に、こばビールCBさんから2022年5月4日、とても良い質問を頂いています。

コテツさん、いつも学びをありがとうございます
辛いものが食べたくなる時はストレスが溜まっていて刺激を求めているという説があります、心当たりがあるようでしたらご自愛ください
コメントついでと言っては失礼ですが質問をさせてください。
プランドを展開したり立ち上げたりする時にターゲットとなる顧客の設定というのはどの程度するものなのでしょうか?
それともそもそもの顧客目線よりも自己表現の方を重視するべきなのでしょうか
もちろん程よいバランスもあるのかと思いますが、その辺りをご教授ください。

こばビールCBさん、いつもありがとうございます!

オープニングトークで「最近辛いものが食べたいんですよね」という話をしたら、それはストレスがたまっているからだというアドバイスでした。

仕事とか人生で悔しいことってありますよね。これは余談ですが、こばビールさんのご指摘には思い当たる節があります。

生活で「この野郎、やってやるぞ」みたいなストレスがかかったときは、ほどよく心が燃えるエンジンに薪をくべる作業を意図的にやろうと思っていて、悔しいこと嫌なことがあると、それを材料にします。

エンジンと言っているのに薪というのも変ですが、エンジンに自分で薪を入れるのです。

こばビールCBさんから質問を頂いたように、ブランドを始めるときのターゲットやペルソナ設定をどう考えればいいかという前提があります。でも、その前提に気を付けていても前提が全くかみ合っていなければ、入っていかないですよね。

例えば、地球が丸いと思っている人と、地球が平面だと思っている人に船の航路を説明したとします。

飛行機の航路を説明したときに、地球が丸いと思っている人には、南極に向かっていってもいずれ北極に着くよという話が伝わりますが、平面だと思っている人は、平面だから飛行機が真っすぐ飛んでいったら端になるという形です。


そもそもターゲットって??


最近、ブランドや商売の話として重要な前提で、全然ほかの人が言ってくれていないし多分プロもあまり気付いてないことがあって、これをきちっと先にお伝えしたい。

それはターゲット設定とかペルソナとかブランディングをやるときに、とても重要な前提です。

その前提は何かというと、世の中で売られているもの全ても今あなたがやっているビジネスや活動もそうですが、日用品として扱われたいのか嗜好品として扱われたいのかということです。

ブランドは嗜好品になります。日用品でブランドというのは、有名だから選ばれるだけ。日用品のハサミがなくなったら買うし、電球が切れたら電球を買いますが、電球にブランドもあるけれども、なかなか難しいですよね。

これはモノによって変わってくるのではありません。同じモノでも日用品としての購入を促進する戦略をとるメーカーと、ブランドとして扱ってもらえるようにやっているメーカーがあるということです。

最近、話題になることが多い家電のバルミューダは嗜好品のカテゴリーに入ります。アイリスオーヤマとか「ホームセンターブランド」とオレが呼んでいる価格と単機能で勝負するものは、同じ家電でも日用品カテゴリーで勝負しようとしています。

ティッシュとかトイレットペーパーは日用品です。でもネピアやクリネックスがブランドかというと、有名なメーカーとオレは捉えています。お尻を拭くときにネピアだから拭かないとかクリネックスだから拭くというのもない。

一部はプレミアムな製品群として鼻セレブとか、ちょっと質感のいい紙で出しているのはあるにしても、ホテルに泊まりに行ったら、「トイレットペーパーとティッシュは何々じゃなきゃダメ」という人は多分いないでしょう。

ですから、基本的には売る側が日用品カテゴリーで価格や性能やお得感で買ってもらおうとするのか、ブランドや嗜好品の領域で、選択基準として好きだから買うのか。優劣やコスパがいい悪いだけでなく買ってもらうようにするかで全然違いますよね。

お得感からいけば、スタバのフラペチーノなんてめちゃ割高です。あれは材料買ってきたら家でできるからね。でも、そういうことじゃないでしょう?

スタバのフラペチーノはコミュニケーションツールです。学校帰りに友達と行って、その写真と思い出がくっついてくるから、スタバでフラペチーノを買ってしゃべるわけ。これは完全な嗜好品なのです。

日用品の場合のターゲット設定は、年齢、年収をベースにすることが多いというのは昔ながらのやり方です。ブランドにしていきたいなら別な基準が必要ですが、こばビールCBさんが言っていた「どれぐらい必要か」に関しては、「めちゃくちゃ必要」の一択です。

誰に好かれるかというのは最初に考えることです。恋愛でどなたかに好かれようと思ったときに、その方はアウトドアが好きなのかインドアが好きなのかで、全く違うでしょう。好きになる対象なくして、好きになってもらうのは難しいのです。

ですから、ブランドづくりをしていくにあたって、ターゲット顧客、ペルソナ、理想のファンとこんな関係をつくりたいというのも含めて、ターゲット設定はむちゃくちゃ重要です。そこからスタートすると言っても過言ではありません。

古くからデモグラフィックといって、数値化できる情報でターゲット顧客を選定するやり方を企業が多く取っていたりします。

化粧品ブランドと話をすると、年齢別のお肌の悩みに調査会社を使ってアンケートで詳細に出してきますが、年齢別、年収別、世帯構成別みたいなターゲット設定に関しては、ブランドにしていくのであれば、ライススタイルや価値基準を想定してつくっていくのが出だしです。


ファン研究は生涯のテーマ。


ペルソナと言っている企業と話をすると、架空のお客さんの話をしているケースが多い気がします。想像上の人物をつくり上げて、そこに向かってビジネスをやったらいいといわれますが、オレは「それだとはまらない」と思っている立ち位置です。

実際にこういうライフスタイルで、こういう価値基準の人とこんな関係づくりをするというコンセプトに合わせてブランドの立ち位置が決まってきます。ブランドはブランドの価値観を世に問う行為で、センスや哲学を伝えて、それに乗ってきた方にファンになっていただくものです。

でも、そのときに、どんなお客さんもファンになってくれるはずだというのは、めちゃくちゃ勝手な考え方でしょう。

ではどうするか。

インスタなら、こういう人に自分のブランドのファンになってもらいたいという人を見て研究します。ファン研究、お客様研究、ターゲット研究は、ブランドのスタート時だけに限らず、生涯やり続けることです。

これは他の回でもしゃべっていますが、自分以外の人がどんなライフスタイルなのか、何にお金を投入しているか。空いた時間で何をしているか。自分以外の人が何をやっているか意外と知らないもの。勝手な思い込み、古いカテゴライズで決めつけていることが多いのです。

例えば、世帯年収が800万とか1000万超えている家庭の奥さんは専業主婦が多くて、旦那が働いている間に昼間から高いおいしいランチを食べているんだろうみたいな乱暴な顧客想定を前提にしていませんか。

ここ数年、メタバースとかのバーチャル領域、Vチューバー、eスポーツの会社のアドバイスをやっていますが、そういうことに明るくない方は、「オタクの人はこういうのが好きなんですよね」みたいなことを言います。

今、オタクはいません。スマホが出てきてから、ゲームと漫画はスマホのメインコンテンツなので、総オタク化しているようなものです。

昔いわゆるオタクが事件を起こしたことがあって、それでオタクが特殊人種みたいに思っている人がいますが、今はeスポーツをやったりVチューバーで投げ銭したりしている人はオタクではないのです。

これぐらい細やかな議論とか考察がないと、「うちのは結構ちゃんとつくって値段も高い高級品なので、富裕層が買いますよね」みたいな乱暴なカテゴライズでやっていたら、たまりません。大体、富裕層って何のことを言っているのという感じです。

30代ぐらいの新しいビジネスモデルでお金を持っている層がいます。YouTubeとかBtoCブランドの運営、暗号通貨など、過去になかったビジネスでお金を持っている30代の富裕層といっても、資産で見るのか年収で見るのかで違います。30代なら資産5億以上持っている人が、どこで何をやっているのかです。

富裕層という乱暴なくくりでお客さんを見ている限りは、こっちもアバウトな球を投げざるを得ないのです。

最初にファンを誰にするか決める。


話は戻りますが、自分でブランドを展開しようと思ったら、こういう方が自分たちのファンになってほしいと決める必要があります。インスタを見れば、いくらでも人の現実が透けて見えるわけです。

ワイナリーまで行くようなワイン好きもいれば、安いワインでもいいという人がいたりして、ワイン好きといってもさまざまなスタイルがあるので、できるだけ細やかに見たほうがいい。

インスタで自分の理想としているファンを10人でも20人でも設定したら、それを研究していく。こういう方たちと、こんな関係をつくっていきたいという活動の結果で、商品が売れていくのです。

オレが最近よく話題にするAesopというスキンケアブランドに、なぜ人が来ているのでしょう。例えば、女性を対象にするビジネスを展開するのであれば、ABCクッキングに通う方は、どういうライライフスタイルでしょうか。

ほかにも、グルメな方が予約の取れないレストランをグルメ仲間と渡り歩くような生活スタイルの方も結構います。食べログが出てからグルメ趣味の人が増えていて、そういう人はどういうライフスタイルなのか。

これらは一例で、全ての方が今のことを知っておいたほうがいいわけではありませんが、クラスター(ある価値観要素を中心とした固まり)の人たちで、この辺りを自分のお客様の中心に据えていくことに関しては、徹底研究が必要です。

ターゲットを決めてファンづくりをする上で、これがブランドづくりの大部分を占めるといっても過言ではありません。このnote1回だけではうまく伝えきれない事柄がいくつかあるので、また折を見て伝えていきたいと思っています。

すぐにお客様とファンの研究を始めてください。

コメントをもらったらお答えします。
以上、久々野智小哲津でした。

本文は
コテツがVoicyの「ブランディングと商売の話」で語った内容を
文章化し加筆したものです。
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